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【STI名車列伝その6】350台限定『WRX STIスペックC Vリミテッド2005』

FIA公認の世界選手権で
日本人として唯一の王者に輝いた記念車

2005年PCWRCで新井敏弘選手が世界チャンピオンを獲得した記念に特別仕様車が350台限定で発売された。ドライバー個人を全面的に押し出した商品企画は稀有な存在だが、そろそろこれに続く記念モデルが欲しいところ。
今回は、そんな『インプレッサWRX STIスペックC Vリミテッド2005』について振り返ってみた。

『インプレッサWRX STIスペックC Vリミテッド2005』の特徴
●極めて市販車に近いカテゴリーでの世界王者記念モデル
●新井選手サイン入りジュラコンシフトノブ
●新井選手マシンイメージの強い白ホイール

 

コンプリートカーではないものの、当時のVリミテッドは台数限定でもありSTIの取り扱いとなっていた。価格は税抜き338万円。

 

競技車イメージの強さは商品価値の高さに直結する

WRCグループAの映像を観て「コレが欲しい!」と思い、WRXを買ったという実体験からもつくづく思うが、この世でもっとも魅力的なクルマはモータースポーツで強いクルマだ。なぜなら、それを買うと自分には到底手の届かない夢の世界の走りが、日常的に疑似体験できるようになるからである。
WRC黄金時代にはタイトル獲得記念モデルが数えきれないほどたくさん発売され、『WRX』人気を不動のものとしたが、なかでもドライバー個人の名を冠とした記念車はこの1台しかない。いまだ後に続く人が出ていない偉大な戦績の記念車だけに、その価値は年々高まっている。

PCWRCは年間1000台以上生産された市販の量産車両をベース車とするカテゴリーで、限りなく市販の量産車に近いクルマといえる。

涙目のヘッドライトを持つGDB時代に、ペター・ソルベルグのドライバーズタイトル獲得記念車として発売された2003リミテッドは、足まわりのセッティングを新井敏弘選手が担当し、「チューンドby新井」とも呼ばれたが、その新井選手がタイトルを獲得した記念モデルの『WRX STIスペックC Vリミテッド2005』は、おもに内外装を演出したもの。
競技用スペックC17インチ仕様車をベースに、新井選手マシンイメージの強いホワイト塗装を施したアルミホイールを装着。STI製フロントアンダースカートや「スバル・チーム・アライ」のステッカー類など 、PCWRCマシンらしさを強調した。
ボディカラーはWRブルー・マイカ一色。ドアトリムやシートにもWRブルーを配色している。このクルマを思い出すたびに新井選手の偉業をあらためて讃えつつ、新たな優勝記念車の登場を切望する思いが高まっていく。

軽量で耐磨耗性に優れるジュラコン素材を使用した新井選手のサイン入りシフトノブを装備。シフトブーツリングはアルミ製。

「STI偉人列伝」新井敏弘選手

インプレッサWRXと共に躍進した偉大なラリーストSTIの社員ではないが、その偉業を讃えてSTI偉人として紹介。WRCには1999年より本格参戦し、PCWRCには2002年より参戦。2005年は6戦エントリー中4勝を挙げるなど強さを見せつけた。
「チャンピオンになるには市販車の段階から正確なドライビングを実現するバランスの良いインプレッサが必要不可欠」と常々語る。

 

[リポート:マリオ高野]

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