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この性能はやめられない!日本のチューナーが調律する禁断の「BMW M POWER」

ビッグタービンで下克上爽やかにM4をカモれ!

BMWといえばドライブすることが楽しくなるドライバーズカー。メーカーのキャッチコピーにもあるように”駆けぬける歓び”を堪能できるクルマだ。その中で、特に性能の高さで魅力的なクルマが『M』。抜群のエンジンレスポンスとそのパワーユニットを余すことなく発揮させるシャシーは、乗るものに感動に値するほどの歓びを与えてくれる。
そんな『M』をさらに磨き上げたスペシャルなクルマが3台。その中身をクローズアップしてみた。

 

モアパワーを獲得する北米生まれのチューニング

【Studie BMW M2】

BMW M2がデビューした時に、唯一残念だという声が上がった点は、エンジンがS55ではなくN55であること。S品番はM社製とされ、N品番はBMW製とされるからだ。”Mじゃないよね”なんていう声も聞こえるが、乗ればM2は紛う事なきM社のクルマであって、SだのNだのはもはや気持ちの問題なのかも。
そして磨いていけば兄貴分のM4を喰えそうなポテンシャルを発揮できそうなM2だから、チューニングの素材になるのは至極自然なこと。日本におけるBMWモディファイシーンの先頭を走り続けるプロショップ「スタディ」がそんな素性のクルマを見過ごすはずもなく、すでに数台をデモカーに仕立てている。今回紹介するのは、そのなかでもチューニング指向の強い1台だ。

神戸店でチューニングが進められたこの車両のトピックは、やはりビッグタービンへの換装だろう。銘柄はダイナン。北米を拠点とするBMWチューナーであり、その活動の歴史は長く、多くのチューニングアイテムを提供している実力派。そんな彼らが開発したのは、ビッグタービンのほか、インタークーラーとプログラムがセットになったパワーアップキット。気になる実力は101HP/117Nmアップとなる446HP/621Nmを発揮するというから、ノーマルM4の上を行く。

さらにデモカーでは人気上昇中のイギリスの吸気ブランド、イヴェンチュリーのインテークも投入されているし、フットワークにも3ウェイのKWクラブスポーツをピロで組んだりと、かなりレーシーな内容。それでいて足元には限定の白LMを選んだことで、爽やかさも獲得している。もちろん脚捌きは抜群だ。
装着されたパーツリストには硬派なメニューがズラッと並んでいるが、体育会系のガチムチにならないのはパーツチョイスの成せる技。多くのBMWをプロデュースしてきたスタディのコーディネイト能力が発揮された1台といえるだろう。

Mパフォーマンスのアイテムを軸に、レカロスポーツスターに合わせてリアシートを張り替えてトータルコーディネイトされた室内。油臭さは皆無だ。

 

SPEC
エクステリア:BMW Mパフォーマンス・キドニーグリル/サイドフェンダーグリル/フロントカーボンカップウイング/サイドカーボンカップウイング/カーボンミラーカバー/カーボントランクスポイラー/カーボンリアディフューザー
BMW純正M4ドアミラー加工取り付け
BMW Motorsport M235レーシング・カーボンGTウイング
フットワーク:KWクラブスポーツ/コーンコントロールアーム
Studieフロントスラストブッシュ・ピロ
arcパイプスタビライザー
タイヤ&ホイール:BBS LMリミテッドエディション(9:10×19)
アドバンネオバAD08R(245/35:265/35)
チューニング:DINANビッグタービン換装/DINANトロニック・ステージ4/デュアルコアインタークーラーキット
EVENTURIブルーカーボンインテークキット
cpmロアリプレイスメント/フロントメンバーブレース/ストラットブレース
オカダプロジェクツ・プラズマダイレクト
REMUSキャタバックシステム
BREXコードファントムEF
インテリア:BMW Mパフォーマンス・ペダル/フットレスト/DCTゲートカバー/サイドブレーキカバー/スポーツステアリング
Auto Technicカーボンパドルレバー
BFIヘヴィウエイトシフトノブ加工
RECAROスポーツスターリミテッド
ニューイング・リアシート張替え
3Dデザイン・STACK3連メーターキット
レイヤードサウンド・4ch/+C
BREC・ライティング

スタディ神戸 TEL078-843-7800
http://www.studie.jp

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アスリートからストリートまで変幻自在のカスタマイズ

中部地区の老舗プロショップである「ドルト」は欧州車を中心としたカスタマイズで人気だが、特にBMWは歴代Mモデルをデモカーとして導入してきただけに得意中の得意。
今回はストリートに振った1台を提案してくれた。

幅と懐の広さを見せるドルトのカスタマイズ手法

【dort BMW M3】

多くのMモデルをベースにデモカーを作り上げてきたBMWの名手「ドルト」らしからぬストリートに振ったその仕立てっぷりに、初見では驚きを隠せなかった。しかし同店代表の吉田氏は言う。
「M3だって直6がV8になって、今や直6ターボになったのだから、ショップも色々な顔をもっているべきだ」と。長く携わっていると、自然とショップの色やイメージが固まってくるし、周囲の認識もそうなってしまう。でも本来カスタマイズは十人十色。だからこそ、こんな一例も見せようというわけだ。
軸になるのは、昨年から話題となっているUSホイールブランドの新鋭ニュートレイル。チョイスしたのはCS9Dクラシックで、その名の通りちょっと懐かしいテイストを現代に復刻したようなデザイン。特徴的なヤス・マリナ・ブルーのボディカラーに、マットブロンズのディスクと輝度の高いリップというコントラストが効いている。

段付きリムが強い足元を生む。マットなディスクと輝度の高いリム、そして鮮やかなボディとのコントラストがいい。

超低空のクラウチングスタイルにセットされた車高を担うのはKWバージョン3。3Dデザインのリップに追加されたストンピンアークのカーボンリップがさらにボトムレベルを低く強調。そのセッティングはかなり過激だが、オーナーはこの状態でガンガン踏んでいくのだとか。スタイルに振っているとはいえ、走りの機能をスポイルしないのがドルトの基本的なスタンス。だから低空でもしっかりと踏めるのだろう。

ブレーキは前後共にブレンボGTキットを導入。キャリパーはワンオフでペイント。落ち着いた色のチョイスも正解。

純正でも素性のいいS55エンジンだが、吸気・排気・プログラムとあらゆる角度から、老舗、新興問わずいろいろなブランドを導入して磨き込んでいる。こうしたパーツの選別もまた、BMWを見続けてきたプロショップならではといえる。
仕立て方は自由自在。オーナーの希望を潜在的なものまで最大限に叶えつつ、そこにプロとしてのブレない流儀を貫く。ドルトの作り上げたM3は、今の空気感を的確に捉えた、スタイリッシュでスポーティなハイパフォーマンスカーだった。

3Dデザインのリップは一部を塗り分けることでフリッパー的に見せている。さらにボトムにはストンピンアークのカーボンリップを追加して超低空にセット。サイドとリアも3Dデザインのカーボンで統一する。また、吸排気、制御系と抜かりなく手が入ったS55エンジン。パワー、トルク、レスポンスともに向上している

 

シートはレカロ・スポーツスター・リミテッドエディション。確実なホールドと室内のスタイルアップを両立する優れものだ。

SPEC
エクステリア:3Dデザイン・フロントリップスポイラー/カーボンサイドステップ/リアディフューザー/トランクスポイラー
Stompin’arkアンダーリップ
BMW Mパフォーマンス・カーボンミラーカバー/フロントグリル/サイドグリル
タイヤ&ホイール:neutrale CS9D CLASSIC(9.5:11.5×20)
ミシュラン・パイロットスポーツ(265/30/305/25)
フットワーク:KW Ver.3/リアアーム
H&Rスタビライザー
COXボディダンパー
リジカラ
cpmロアーレインフォースメント
チューニング:EvolutionRaceWerksチャージバイプキット
グループMラムエアーシステム
オカダプロジェクツ・プラズマダイレクト
CSFインタークーラー
3DデザインDMEプログラム
アクラポビッチ・エヴォリューションシステム
インテリア:RECAROスポーツスター・リミテッドエディション
BMW Mパフォーマンス・ニューイング張替え
3Dデザイン・パドルシフター/ペダル&フットレスト
KAROフロアマットP3GAUGESデジタルメーター

ドルト TEL-0586-76-9599
http://www.dort.jp

 

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オーナー目線のバランスチューニングで気持ちよく走れる低車高をカタチに

いわゆるデモカーとしては控えめな印象かもしれない。しかしシャーゼン車高調を軸に据えたバランスチューニングによって、スタイリングは極めてスポーティで美しく、全開走行も楽しいM4オーナーの理想に近いカタチとなった。

 

美しく、速く、快適なM4ライフを提案

【Office Az BMW M4】

多くのM4オーナーにとって“速く”“低く”“美しく”の3要素は、カスタマイズの主要テーマだ。もちろんすべてに全力で挑みたいが、オーナー個々の環境や条件によって力の入れ具合やバランスが変化し、それが結果として個性となる。
滋賀県の「オフィスアズ」は、県外からも広くユーザーが集まるBMW専門のプロショップ。さらには高度なレストアも行うボディショップとしての機能や、車高調ブランド“シャーゼン”のヘッド部門などマルチな顔を持っている。これまでにも数々のデモカーでBMWオーナーを魅了してきたが、一貫しているのはユーザー目線の先にあるべきカスタマイズだ。
前述3要素をユーザー目線で尖らせ、ストリートマシンとしての好バランス化を目指したのが今回紹介するM4だ。一般のオーナーカーとして十分に成立する予算感のなかで、飛び切りの速さを備え、スポーティかつ低く構えたスタイリングをみせつける。

注目すべきはMパフォーマンスを軸に据えたエアロスタイルや、こちらも自前ブランドのN2スピード製ブースターチップで高出力化(86psアップ)したエンジンなど、諸条件を加味したうえでセッティングされた足回りだろう。
とはいえエアロ付きでこの低さは一般ユーザーにとっては非現実的にも思えるが、ベステックス製スプリングを組み込んだシャーゼン・コンプモデルによって調律されたアシは、決して道路状況の良くないショップ近辺(すぐ側には踏切もある)をこともなげに走りきる。M4用車高調の多くが高速域を意識するあまりに街乗りの快適性を犠牲にしがちだが、本モデルは12kg/cm&16㎏/cmとハードレートにも関わらず、豊かなストローク量を活かして街乗り域から超高速域まで実に落ち着いた挙動をみせる。

ベステックス製スプリングを組み合わせたシャーゼン・コンプモデルは、この低車高からは想像もできないほどの快適な乗り味が自慢。それでいてアウトバーン領域にも余裕で対応する、まさにストリート車高調の理想形だ。

とりわけ高剛性なボディを受け止めるしっかり感と乗り心地の良さは特筆モノで、これなら同乗者から苦情が出ることはないハズ。使い勝手を含めたセッティングをユーザー目線に降ろしながら、3要素を高度にバランスさせた、まさにアズの真骨頂といえる一作だった。

ホイールは高いパフォーマンスを活かすために鍛造モデルが必須。アズでは様々なブランドの鍛造ホイールを扱っているが、今回は高い実績とサイズにこだわるため3ピース構造のハイパーフォージドをセレクト。フロントがタイヤとフェンダーがツライチになる車高となっている。MパフォーマンスのトランクスポイラーとACシュニッツァーのウイングをダブルでセット。

SPEC
足回り:シャーゼン・コンプモデル車高調
ホイール&タイヤ:ハイパーフォージドLC5(9.5×20:10.5×21)
コンチネンタル・スポーツコンタクト5P(255/30-20:295/25-21)
エクステリア:Mパフォーマンス・カーボンフロントスポイラー/サイドスカート/リアスポイラー
ACシュニッツァー・レーシングリアウイング
ヴォルシュタイナー・GTSリアディフューザー
チューニング:N2スピード・ブースターチップ
afeエアクリーナー
アーミトリックス・エキゾーストシステム

オフィスアズ TEL-0749-42-7568
http://www.rakuten.ne.jp/gold/auc-officeaz/officeaz.html

 

(リポート:af imp.編集部)

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