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700万円を費やした正統派チューニングカー「アウディS4」の正体

速く走らせるための本気メイキングで
500psをアクセル全開で攻める

走りの魅力にどっぷりと浸かれるのは若さの証し。
速さを得るためにはクルマ作りも妥協したくないし、巧みなドライビングのための努力も惜しまない。そんなひたむきに走りを意識したクルマ作りを行なったチューニングカー、アウディS4を紹介しよう。

アウディS4のオーナーは今、走ることに夢中だ。
三菱 GTOから始まったチューニング歴もそろそろ10年。日産Z33型フェアレディZやR33型スカイラインといったクルマを乗り継ぎ、走りの本質がわかってきた気がするという。
現在の愛車は1年前に購入。きっかけは知り合いのチューンドS4に乗せてもらったこと。どうやら「クワトロ」というシステムにやられてしまったらしい。

「国産車で4WDの経験がありますが、これほどの衝撃を受けたのは初めてです」と当時の感動を振り返る。S4に施されたチューニングも貢献していただろうが「とにかく踏んでいけば曲がれるんです。クワトロシステムの賢さを痛感しました」。
すぐにS4に乗り換えると同時に、知り合いのS4をお手本にチューニングも決行。足もブレーキもエンジンも、可能な限り妥協せずに、走り最優先で自分流に仕立てていった。

足回りは、クルマの重さからレバー比、タイヤとホイール、愛車の用途を告げてワンオフで製作した『ZFレーシングダンパー』。また、「アンパラレルド」のブレーキキャリパーは、焼けて紫色になるまで酷使しているのに少しも音を上げない頼もしさを持つ。キャリパーには温度管理のためにサーモテープをセット。5スポークデザインだから確認も容易だ。

そして、エンジンは「APR」アイテムを駆使してスタンダードの333psから500ps近くまでパワーアップと、見た目はシンプルだが凄みがある。使用するエンジンオイルは「アドバンテージネオ」の30W(シングルグレード)というのもこだわり。

また、ダンパーの減衰力は角度で変化するので、微調整が行なえる無段階式を採用。スロットルボディは多くの空気を取り込むために「APR」の『ウルトラチャージャー』でサイズアップした。

 

さらにマフラーはアウディ、それに「APR」の魅力を知り尽くして開発する「アイロム」を選択。不必要なエアロは付けない主義なので、フロントと同様にリアもバンパーはノーマルだが、ダウンフォース確保のためGTウイングは追加された。

インテリアも走り優先でスパルタンに。バケットシートはホールド具合や座り心地が気に入っている「ブリッド」をチョイス。軽量化のためにリアシートは跡形もない。

 

徹底的にこだわり抜いたモディファイの費用は、ざっと計算しても700万円オーバー。そこまでかけるなら、いっそRS4にしたほうがよかったのではないか?という人もいるだろう。
「RS4はV8なので、ノーズが重くて運動性能を考えると不利だったんです。それにNAだからパワーが上げづらいことも理由でした」と、V6スーパーチャージャーのS4には明確な理由があった。

ちなみに、オーナーが走りを楽しむ主なステージは、サーキット。筑波サーキットでは、1分3秒台を叩き出すほどの凄腕ぶりだ。

「カーボンボンネットでもっと鼻先を軽くしたいし、ワイドボディも計画中です」。
このクルマのオーナーは、走りにプラスになるもの以外はときめかない。“誰よりも速く”と身体がうずいているのだ。

 

SPEC
エクステリア
ボルテックス・GTウイング/RSグリル/自作ラッピング
フットワーク
プロドライブ・GC05N(9×19・ET45)
ブリヂストン・ポテンザRE71R(255/35)
ZFレーシングダンパー/034モータースポーツ・フロントアッパ&ロアアーム/ユーロコード・スタビライザー/F:アンパラレルド・モノブロック6ポットキャリパー+380φローターR:RDD380φローターキット/DTMワールド1・ブレーキパッド
チューニング
APR・ステージ2プラス/APR・ウルトラチャージャー/APR・クーラントパフォーマンスキット/オカダプロジェクツ・プラズマダイレクト/アイロム・マフラー/CPM・ロアレインフォースメント/自作ブレーキダクト
インテリア
ブリッド・バケットシート/OMP・6点レーシングハーネス

製作SHOP:Jファクトリー TEL0277-77-0588
http://www.jfac.co.jp

 

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