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クラシックF1にて日本人初のモナコ優勝を遂げた‭久保田選手の新チャレンジ

久保田克昭

新たなチャレンジを始めた久保田克昭、
速さも戻りつつあり一歩前進か

1960年代後半から1980年代前半のフォーミュラ1と言えば、ファンの間ではゴールデンエイジと呼ばれている。そんな時代のF1マシンが、思いっきりサーキットで走りまわるレースが「FIAマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1選手権」だ。
シリーズ名からも分かるように、これは”FIA”にオーソライズされた正規のレース。今年11月には鈴鹿サーキットにおいて、非選手権戦ではあるものの公式レースが開催されることになっており、ファンの間でも話題が盛り上がっている。そんな「FIAマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1選手権」に、実は日本人ドライバー、久保田克昭選手がフル参戦。モナコGPをはじめ数々のレースで優勝を飾っているのは、ファンの間でも良く知られている。そして、チェコ共和国のアウトドローモ・モストにてシリーズ第3戦(6月23~24日)が開催されている。

ちなみに、「FIAマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1選手権」はヒストリック・フォーミュラ1だけでなく、60年代序盤から70年代前半のスポーツカーや、ツーリングカーによるレースも同時開催。グループCカーによるレースこそ行なわれていないが、90年代後半から2010年代初めまでのプロトタイプ&GTといったル・マンを頂点とするスポーツカー耐久レース用の車両によるレースも開催されている。ただし、このカテゴリーは同時開催となったフランスGPに“出張”ということで、今回のモスト・ヒストリックGPでは開催されなかった。

 

FIAマスターズ・ヒストリックF1【Rd.3 モスト・ヒストリックGP レースレポート】

木曜日から走行が開始され、フォーミュラ1も金曜日に公式予選を実施。
「FIAマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1選手権」はグランドエフェクトの有無や年式によって4つのクラスが設けられているが、久保田選手は今シーズンから、パトリック・ヘッド・クラスと呼ばれる最上位クラス『ロータス91』に車両を変更して臨んでいる。
「クルマを変えると、最初は色々トラブルもありますから」と久保田選手も苦笑していたが、今シーズンはいまだに未完走。前戦ではポイントをゲットしているが「あれは僕がひっくり返ってレースが赤旗で終わりになり、その前の周の順位でポイントをもらっただけ」とのこと。
ともかくシーズンの開幕から2戦ではまだ表彰台に手が届いていなかったが、今回は公式練習から3番手のポジションをキープ。公式予選でも3番手につけ何とか今季初の表彰台が見えてきたように思えた。

決勝レースは土曜日と日曜日の2回。ともにローリングスタートで25分のタイムレースとなっている。曇り空から時々晴れ間の拡がるコンディションとなった土曜日のレース。スタートでポジションをキープした久保田選手だったが、ポールからスタートしたニック・パドモアー選手(ウィリアムズFW07C)らトップ2とはペースが違い、じわじわ引き離されていく。
一方、後方からはスティーブ・ハートレイ選手(アロウズA4)の追い上げが急で、中盤以降、久保田選手は防戦一方。ピットからは”残り10分/3位”とのサインも出されるがレース中盤を過ぎたところでミッションが入り辛いトラブルからハートレイ選手に先行を許すことに。その後はハートレイ選手にじわじわと引き離される展開となったが、後続との差はしっかりキープ。4位でチェッカーを受けた。

 

そして日曜日の決勝、レース2も雲の拡がる状況となったが、午前中に降っていた小雨も上がり、徐々にドライコンディションへ。レース1の結果によるリバースグリッドとなり、久保田選手は5番手グリッドからスタート。後方から、レース1を圧倒的な速さで制したニック・パドモアー選手が猛チャージを掛け早々と2番手までポジションアップ。さらにトップを奪って相変わらずの速さを見せつける。
なかなかポジションアップできないでいた久保田選手も1分32秒台にペースを上げ猛プッシュを行った。だが、8周目にオーバーテイクを仕掛けた相手に寄せられて接触し、タイヤがパンク。相手もスピンで後退するが、同時に久保田選手はピットインしてタイヤを交換する。

この一連のアクシデントでクルマを回収するためにセーフティカーが導入。しかし、25分のスプリントレースでピットインは致命的であり、1周遅れの8位でチェッカーを受けた。しかもこの接触が原因と思われるがレース後に失格の裁定が下ってしまったのである。

それでも今回は2レースともに完走(レース2は失格扱いとなったが)して、ラストラップにマークした自己ベストは、3~4位のドライバーとほぼ同じで速さも着実に戻ってきたようだ。
こうなると次回、第4戦のシルバーストンに期待が高まるところだが、久保田選手は申し訳なさそうに「残念だけどシルバーストンはパスすることになりました。同日開催のル・マン・クラシックに出ることになりまして……」。新しく手に入れた日産のグループCを駆って、2週間後のル・マン・クラシックに参戦するのだという。

「シルバーストンも、出場したかったのですが、ル・マン・クラシックのためにクルマも用意したので、これも外せなくて…」と久保田選手。トレーニングがてら全日本F3選手権に参戦しながらヒストリックなフォーミュラ1やグループCで戦う久保田選手の、レーシーな日々はまだまだ続いていく。

 

 

(撮影レポート:原田 了)

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