サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

流行の「ちょいアゲ」って? 知らないと困る、実践方法や注意点を解説

初心者にもオススメな軽バンのちょいアゲは、
注意点さえ理解すれば怖くない

車高を下げるローダウンではなく、逆に上げることで堂々たる肢体を描く出すカスタム手法「ちょいアゲ」。このちょいアゲオーナーに人気のベース車は、スズキ・エブリイや、ダイハツ・ハイゼット カーゴといった軽バン(軽自動車のバンタイプ)が主流だ。
では、その車高アップの方法や注意しておきたいポイント、車検など、アゲの実態について探っていこう。

ここ数年でブームが広がりつつある「リフトアップ」。ただし、一口に「リフトアップ」と言っても傾向は大きく二つに別れる。ひとつは可能な限り車高を上げるインパクト抜群の”激アゲ”、そして約3センチ程度のリフトアップ”ちょいアゲ”だ。
この“ちょいアゲ”のメリットはなんと言ってもその手軽さだろう。車高の問題で行けない場所ができてしまうこともなく、フレームやフェンダーの干渉をシビアに考える必要もない(絶対に干渉しないわけではないが)。つまり、仕事のクルマやファミリーカーとしての使用とも両立可能。使い勝手は維持しつつ、純正とは違うフォルムを気軽に楽しむことができるわけだ。

 

“ちょいアゲ”の基本は、少しだけ車高を上げること

ちょいアゲの語源は「ちょいと(ちょっと)上げる」。
その上げ幅はだいたいが約3センチ程度。これは車検の対応幅なども関わってくることが理由だ。
ちなみに「ちょいアゲ」の反対は「激アゲ」で、こちらは10センチ以上も車高アップすること。ほどほどに上げて、スタイルも使い勝手も楽しむのが「ちょいアゲ」の魅力だ。

【チョイアゲ(約3センチUP)】・車検適合でのリフトアップが可能
・スプリング交換だけなので手軽
・純正よりもカッコいいスタイリング

 

【激アゲ約(10センチUP)】・純正とは全く異なる圧倒的迫力
・本来ならば履けないサイズのタイヤ&ホイールも装着可能

 

というわけで、「ちょいアゲ」の定義がわかったところで、次ページでは”やり方”、”注意点”、”車検”について紹介したい。

 

【↓次ページに続く↓】

「スプリングを取り替える」
それが”ちょいアゲ”のやり方

「ちょいアゲ」の作り方は、スプリングの交換が主流と言って良いだろう。
要は純正バネをリフトアップに対応したスプリングに替えることで車高を上げるというわけ。
ただし、ここで気をつけたいのが、”車高の上げ方”へのアプローチ。極端な話をすれば、ガチガチに固い長いバネを入れれば車高は上がる。しかし、乗り心地が非常に固くなり逆底付きなどいった悪影響も。装着後に調整することができないため、アイテム選びが重要となる。

例えば、車検に対応する上げ幅と乗り心地にこだわって開発された、オリジナルのリフトアップバネ。このような、ちょいアゲ専用に発売されるスプリングは、各車種に合わせて純正ショックがきちんとストロークするよう作られている。

 

軽トラはリアの上げ方がちょっと違う

軽トラのリアサスペンションは、リーフスプリングが使われるなど一般的な軽自動車とは構造が違う。
そのため、リアはリーフと車軸の間にブロックと呼ばれる金属の塊を挟み込んで車高を上げるのだ。

 

「ちょいアゲ」で気をつけるべき3つのポイント

その1_スプリングを替えたら必ずアライメント調整を足まわりのパーツを交換したら”アライメント”は狂っていると思った方が良い。
なので、スプリングの交換後は必ずアライメントの測定と調整を行なおう。ヘタをすれば、走行性能やタイヤの偏摩耗による耐久性の低下などに問題が生じかねないことになる。

 

その2_フロントのポジキャンはキャンバーボルトで補正

スプリングを交換して車高を上げた場合、フロントタイヤがポジティブキャンバー(正面から見てタイヤが逆ハの字になること)になることも。ショックの取り付け時に調整できる程度であれば問題ないが、大きく倒れてしまうのであればキャンバーボルトを使って角度を補正する必要がある。

 

その3_車高の上げ幅に合わせて光軸調整をしておくこと
もうひとつ、車高が上がるとズレてしまうのが”ヘッドライトの照射角”。
バンや軽トラには光軸調整するためのネジが設けられているが、オートレベライザー付きの車両はレベライザーで補正することが必要になってくることも。

 

車検の基準は何cmアップまで? 「上げ幅」について考えてみよう

リフトアップをする際に「車検に通るか否か」はかなり重要なファクター。というのも、「車検範囲内」のアゲであればそのままのスタイルで車検を通すことができるが、「車検適応外」の車高アップの場合は”構造変更”の申請など諸々の対策が必要になるからだ(逆に言えば、しっかりと対処すれば大きく上げても車検適応のクルマを作ることはできる)。

そこで問題となるのが「どこまでが車検範囲内か?」という点。
車検の規定では「ルーフまでの全高の変化が4センチ以内」と定められている。つまり、スプリングでの上げ幅とインチアップ(タイヤの厚みアップ)での上げ幅の合計が4センチ未満でなければいけない、というわけ。
ただし、これはあくまで「基本的には」という話。ちょいアゲの足まわりを「指定部品」とみればその限りではない、という考え方も正・否はさておき存在するらしい。かなり曖昧な部分もあるため、気になる人はショップ等で確認を。

まとめると、「スプリングの上げ幅=全高の変化」ではない。
全高は、スプリングで上がった車高にくわえて、ホイールのインチアップやタイヤ外径の変化も影響するため、この場合は全てを合計した車両の高さを指すので要注意だ。

モバイルバージョンを終了