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氷の張った湖上で体験! 「氷上走行」で運転が劇的に上手くなるワケ

滑りやすいから丁寧な操作が求められる

 冬季ならではの氷上走行会。ドライビングレッスンが含まれていることが多い。じつはツルツルの氷の上は、低い速度でも、わずかな操作でクルマの挙動は大きく変化するほど超シビア。それゆえ安全かつ効率的に運転が上手くなれるのだ。

 毎年1月後半くらいから開催されるのが、凍った湖の上をクルマで走る氷上走行会。フラットに整備された氷の上はまるでスケートリンクで、歩くときも気をつけないと滑って転倒するくらいツルツルである。
 そんなところをクルマがまともに走れるのだろうか? しかし、「氷上走行こそ、ドライビングテクニックの向上につながる」といわれている。そこで具体的にどんなことが覚えられるか紹介しよう。

まずは、「なぜ氷上走行でドラテク向上ができるのか?」について、1月20日に山梨県・女神湖で行われた「GRエクスペリエンス 女神湖氷上走行会」に講師として参加していたTOYOTA GAZOO Racing 全日本ラリーワークスドライバーの眞貝知志選手に質問をしてみた。

「氷上をドライブすると、その滑りやすさからスライドのコントロールに意識が行きがちになります。しかし、氷上走行を経験するメリットは、ステアリングやアクセル、ブレーキなど、クルマを動かすための操作を”繊細”に行うための練習ができます」という。

 まずは、ステアリングを切る、ブレーキを踏むなどの操作が、クルマの挙動に現れるまでの一連の動きを掴むことを意識するのが重要だ。

「クルマの操作してから、実際にクルマが反応するまですべてに“遅れ”があります。ザックリと言うとステアリングを回して動くのはタイロッドで、タイロッドが車体横方向に押されることでタイヤの向きが変わり始めます。

 するとタイヤにスリップアングルが付くのでフロントタイヤに曲がる力が発生するのですが、そこからもブッシュ、サス、ボディのよじれを経てリアタイヤが進行方向に対してねじれるという段階を経てようやくクルマ全体が曲がりはじめるます」と眞貝選手。

 サーキットやもっといえば一般道でも、氷上に比べるとスピードが高いため、眞貝選手がいうクルマの一連の動きが一瞬で行われてしまうなかなか感じ取ることができないはずだ。

「そんなタイムラグは、アクセルやブレーキを操作して実際にクルマの挙動変化が開始までにもある。もちろん、そのタイムラグは同じではないので、アクセル、ステアリング、ブレーキなど、それぞれの操作の反応に合わせた連携を組み立てていくことが、ドライビングでは大切だと思っています。ところが、氷上走行では速度域が低いので、操作に対してクルマが反応するまでの時間が長いので感じやすいではないでしょうか」と眞貝選手は語る。

 また、氷上では少しでもスピードが出過ぎているとカーブを曲がりきれずオーバーランしてしまう。車速を落とす(コントロール)することの大切さもよくわかるそうだ。

 氷上走行というと、ついカウンターステア練習の場というイメージもある。ところが、眞貝選手は
「ドライバーの操作に対してクルマが反応するまでの感覚を掴むことを意識して走る場所という認識してほしい」という。

 氷上走行会に参加する機会があれば、とにかく操作とクルマの挙動変化に神経を集中してみてほしい。プロドライバーのようにパーツ各部の動きまではわからないしても、肌感覚的に「これか」ということは掴めるはず。

 もう少し具体的に説明すれば、例えばアクセルを踏んでタイヤが「コロッ」と動き出すまでのプロセスを感じ取るようなイメージだ。

 舗装路では多少アクセル操作をラフにしてもグリップして発進できるが、氷上では繊細かつゆっくりとアクセルを操作しないとタイヤはスリップしてしまう。スリップさせないで発進できるようなアクセル操作を意識すると「タイムラグ」という意味がわかるはずだ。

 このようにして覚えた操作法は、一般道でも今まで以上に「滑らかな運転」となって現れるだろう。

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