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人気の5ナンバー福祉車両比較! トヨタ・シエンタとホンダ・フリードの違いとは

エンジンや装備の差を検証してみた

 福祉車両のなかで注目を浴びるトヨタ シエンタとホンダ フリード&フリード+(プラス)。コンパクトミニバンの2車種、どこが共通でどこが異なるのでしょうか。

 まず、大きな共通点。それはどちらも5ナンバーサイズであること。減少傾向にある5ナンバーサイズですが、街中での使い勝手を考えれば圧倒的優位です。福祉車両の場合、取り回しのよさがいかに重視されているかということでしょう。また、パワーユニットもピュアガソリンエンジンとハイブリッドがある点も共通。ちなみにフリードとフリード+の違いは、前者が3列シートで後者が2列シート仕様です。

 では、福祉車両としての相違点を比較してましょう。まず、スロープタイプです。スロープの長さ(突出量)は、シエンタが1295mm、フリード+が1410mmでフリード+のほうが10cmほど長くなります。

 また、スロープの角度はシエンタが9.5度なのに対し、フリード+は14度と傾斜があります。これはシエンタがニールダウン機構(後輪側の車高調整機構)を装備するため。フリード+はスロープ角度がきつめですが、電動ウインチが標準装備となるので、乗降時の労力が増えるというわけではありません。

 そして、フリード+の車いすの乗車位置はサードシート部分となります。この場合、セカンドシートすべての使用が可能で、車いすを乗せた場合の乗車定員は6名。車いすを乗せないときの定員は5名となります。

 一方、シエンタの場合はサードシート部分に車いすを乗せる場合、最低でもセカンドシート2名分の収納が必要なため乗車定員はフロントシートに2名、セカンドシートに1名、車いすに1名の計4名。車いす未使用時は5名となります。また、車いすをさらに前進させて右側セカンドシートから手の届く位置に乗せることも可能です。

 また、左部分のセカンドシートが装着されないモデルもあり、この場合は、子供用などの幅が狭いタイプの車いすならば、助手席を前倒しして1.5列目程度の位置にも乗せられ、運転手が車いすの方をケアすることができます。このタイプは車いすを含めて4名、車いすを使わない場合は3名の乗車定員で、ストレッチャーの搭載も可能です。

 次に助手席タイプの仕様が2車で大きく異なります。シエンタの助手席は回転スライド&チルト。リフトタイプとはならず、消費税が免除される福祉車両の要件は満たしていません。ただし、Bタイプといわれる車いす収納装置(リフト)と固定装置が付いたものならば、福祉車両と認められます。一方、フリードはリフト付きになるので、その状態で福祉車両としての要件をクリアしています。

パワートレインなどもチェック

 シエンタの助手席回転リフトシート車はガソリン車がFFと4WDを設定。FFは7名定員、4WDは6名定員、ハイブリッドはFFのみで7名定員という複雑な設定です。フリードの助手席リフトアップシート車はガソリンエンジン車のみで6名定員となります。

 そしてシエンタに用意され、フリードに存在しないのが、スロープと助手席機構の両方が組み合わさったモデル。このモデルはパーソナルユースというよりは、福祉タクシーなどとして使われることが多いタイプです。

 逆にフリードに用意されていて、シエンタに存在しないのが、左側セカンドシートがリフトアップするサイドリフトアップシート車。フリードのサイドリフトアップ仕様車はフロント2名、リヤ2名の2列4名乗車モデルで、ハイブリッドのFFとガソリンエンジン車のFF&4WDが用意されています。

 また、シエンタは全車5ナンバーですが。シエンタの車いす仕様車には8ナンバーも設定。シエンタのスロープ車の一部とフリードのサイドリフトアップ仕様車は型式認定車なので、持ち込み登録が不要。その他は持ち込み登録となり諸費用がかさむ場合があります。

 なお、乗車可能な車いすやストレッチャーのサイズは販売店で確認して下さい。できれば、実物でのマッチングをおすすめします。

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