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愛車を末長く乗るためのメンテナンス「走行距離10万km」で交換すべきパーツ5選

症状と消耗品の交換時期を見極める

 クルマのメンテナンスをしなければならないポイントは少なくなったとはいえ、年式の新しいクルマでも交換すべきものはある。ひとつの節目である走行距離10万kmでは、寿命を迎える部品はけっこうあり、きっちりと手を入れておくかどうかは、さらなる距離を快適に乗れるかどうかのカギになるだろう。今回は、10万kmで交換しておくべきパーツを整理してみた。

●タイミングベルト&ウォーターポンプ

 10万kmで交換すべき部品の筆頭格といえばやはり「タイミングベルト」だろう。エンジンのヘッド部分やボンネットの裏などに表示されているほどで、実際のところは10万kmになってもすぐに切れたりするわけではないが、言い換えると8万kmでダメになる可能性もある。トラブルの予兆もなく、突然エンジンが止まるので必ず交換しておきたい部品だ。  

 万が一、切れてしまうとエンジンごと交換という大事にもなりかねないので交換は必須。2年2万kmごとや6万km毎というように、交換サイクルの短い輸入車やスポーツカーもあるのでチェックしておこう。

 なお、換えるのはベルトだけでなく、その”張り”を出すためのベアリング(テンショナー)や同じベルトで駆動しているウォーターポンプも同時交換するのが一般的で、部品代の割りに工賃は高め。

 ちなみに30万kmほど使用できる金属製のタイミングチェーンの場合はそれほど神経質にならなくていいだろう。ただし最近は電動式ウォーターポンプを採用するクルマが多く、輸入車によっては6〜7年(距離より時間)で突然壊れるケースもある。ウォーターポンプが壊れるとエンジンがオーバーヒートしてしまう。

 

●エンジンマウント&ミッションマウント

 10万kmでかなりへたるのがゴムパーツ。エンジンを支えているエンジンマウントはとくにストレスがかかりやすい。エンジンの振動をボディに伝えないためのパーツなのだが、ヒビや変形だけでなく、ゴム部分が切れていることもある。車体やハンドルに大きく振動が伝わるようになったら疑うべきだろう。

 ここを交換すればかなりシャッキリするし、MT車の場合はシフトの入りも良くなったりする。かかる費用の目安は、部品のエンジンマウント代が3000円〜1万円(1個)、工賃は1万〜3万円ほど。もし、車内への振動が気になるならば、ミッションマウントの交換も同時にしたほうがいいだろう。

 

●ショックアブソーバ

 路面の凸凹からくる衝撃をスプリングで吸収し、この上下動を抑えて車体を安定させるショックアブソーバ。ヘタったからといって、走れなくなるわけではないが、確実に乗り心地は劣化する。このショックアブソーバの場合、新品に交換すると乗り味はよくなり、特に過走行車はこんなにヘタっていたのかと驚くほど。

 ちなみにショックアブソーバが本来の性能を発揮できるのは、5万kmまでとも言われている。ハンドルが取られやすい、走りが不安定、タイヤが偏摩耗する、という症状があるならば疑ってみたい。一般的な国産車の場合、部品代は5000〜15000円(1本)、工賃は2万〜5万円が相場だ。

 

●ブッシュ類

 小さいパーツだが、クルマの足回りを構成する重要な部品。人間に例えるなら、関節部分にある軟骨のようなもので、可動をスムーズにして、動きを滑らかにする効果を持つ。さらに作動時の衝撃を和らげるといった重要な役割がある。

 10万kmも走ると変形したり、ヒビが入ったするだけでなく、つぶれて飛び出すことも。パーツ自体は安いものだが、アームに打ち込まれたものをプレスで打ち換えないと交換できなかったりするので、工賃がかさむのが難点。なので、絶対とは言えないが、交換がベターなパーツだ。

 

●油脂類

 エンジンオイルはマメに交換していても、そのほかのオイルやフルードといった油脂類はおろそかになりがち。ATやMTのミッションだけでなく、デファレンシャルギア(デフ)、4WDならばトランスファーのオイルを交換すると、さらに先の10万kmに向けて安心感は増す。

 そのほか、走行10万km近くになるとオイル漏れやにじみが発生したり、ブレーキペダルの踏み心地がスポンジーになってくることもある。各部のオイルシール類の交換やオーバーホールも、点検したうえで行なうと、安心感はさらに増す。10万kmでの初期化をテーマにして、プロに点検と必要に応じての修理、交換をお願いしてみるのもいいだろう。

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