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LEDの次はレーザー光!これまで不可能とされていた狭いところにも使える未来の車室内照明

LEDよりデザイン自由度の高いレーザー照明

 林テレンプが、レーザーを光源とした自動車内装向け光ファイバー照明を開発したことを発表した。現在の自動車の室内各所の間接照明などのアンビエント照明(雰囲気照明)は、光源に発光ダイオード(LED)を使うのが一般的だったが、レーザー光ファイバー照明は、LED照明に比べて、輝度も高くデザインの自由度が増すという。

 林テレンプは、自動車内装部品メーカーで、今年創業110年を迎える老舗。主力製品であるフロアカーペットでは、年間1000万台以上と、世界でもトップクラスのシェアを誇る。今回、開発・発表した「自動車内装向け光ファイバー照明」はレーザーを光源に用いた照明製品だ。 LEDは、光が四方に広がる特性を持っており、光線を極めて狭い領域に集めることが困難だった。そのため、光の拡散を制御するため直径約3.5mm以上の太い導光体を用いる必要があり、スペースが限られる車室内での設置に大きな制約があるという。

 一方、光の直進性が高く、効率よく光を集中させることができるレーザーを光源として用いると、断面積で従来の5分の1未満の細い発光ファイバーの使用が可能となるそうだ。 ただ、この光ファイバー照明の光源となるレーザー光は、レーザーポインターの250~300倍という非常に強い光を用いるため、車室内で安全に使用するにはファイバーが破損した際の対策などに課題があったという。このように危険なレーザー光の漏れをセンサーで感知し、発光を停止させる制御システムを開発することで安全性を確保したとしている。

 光を細いファイバー内に閉じ込めて運ぶことができるこの照明は、光源とファイバーを分離させて置くことができるため、天井やドア、インパネといったスペースの限られる狭所への設置が可能。先端に向かうにつれ光量が減少してしまうLEDを用いた光ファイバー照明とは異なり、長さ5m以上の細く柔軟なファイバーを均一に光らせることができるため、デザイン上の自由度も大きく向上することになる。また、発光原理上、混じり気のないビビッドな色彩を表現できるのも特長である。

 この照明は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用される予定のトヨタの低速自動運転EV「e-Palette(イー・パレット)」の天井照明と出入口レール灯に採用されている。

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