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モラルが問われる「障がい者用駐車スペースの使い方」 車いす利用者以外に使える人の基準とは

障害者手帳がなくても停められるものの…

 高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、ファミリーレストランやショッピングモールなどなど、車いすマークが描かれた駐車スペースはさまざまな場所に存在します。では、車いすマークの駐車スペースにはどんな人が停めることができるのでしょう? 

 答えは簡単。「この駐車スペースでないと降車や乗車が大変な人、または不可能な人」です。なかでも最も必要とするのは、自分でクルマを運転している車いす利用者。車いすの利用者が自ら運転する場合、車いすを車内に収納するためにドアを大きく開ける必要があるため、クルマの周囲に広めのスペースが必要です。「障がい者用駐車スペース」の周囲に車線が引かれているのはそうしたことがあるからです。

 この駐車スペースを「障がい者用」としていることから勘違いされていますが、その場所を必要としている人ならば使うことができます。逆に障がい者であっても身体の状態によっては必ずしも使うべきではなく、誰が使っていいなどの「資格」は明確に決められていません。

 必要としている人が、必要としているときに使うという常識が求められる場所なのです。

 たとえば数ヶ月で治る骨折でも車いすを使うケースがあるでしょう。身体障害者手帳こそ持っていないものの、「障がい者用駐車スペース」を使うことで利便性が上がります。また、車いすを利用する高齢者で、自車には車いすを積んで移動はしていないものの、サービスエリアで貸し出し用の車いすを使うという人もいるでしょう。そうした人も「障がい者用駐車スペース」は便利。妊婦の方など長い距離を歩くことが辛い人も非常に助かるケースとなります。

 一方で、聴覚障害や音声障害などで身体障害者手帳が発行されている人で、歩行などには支障がない場合は「障がい者用駐車スペース」だからといって、利用しないほうがいいことも考えられるわけです。というか、そうした障がいを持つ方は手帳を持っていても、積極的な利用はしません。気づかいができる人が多いからです。

 悲しいのは、本当に使うべきでない健常者が、面倒だからといって障がい者用駐車スペースを利用するというシーン。しかし、「駐車禁止除外指定車標章」や車いす利用者を示すステッカーなどが貼られてない場合でも、先述のように傷がいを持たない人が利用することもあるわけで判断しづらいのも事実なのです。

 すなわち、「使うべきではない人が使っている」と思ってしまうのが大きな問題。とはいえ、そうした場所を「使うべき人である」ことを証明するようなステッカーをクルマに貼らなくてはならない……というのもおかしな話です。

 結局のところ、「障がい者用駐車スペース」は、常識と性善論で成り立つもの。ですので、利用すべき人が停めることが重要であり、そんな認識もない健常者が停めることがいかに恥ずかしいことであるか、を周知する必要があるといえるでしょう。

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