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モータースポーツで見かける「ロールケージ」 安全性や走りの向上は街乗りでもメリットある?

クルマによってメリットはあるがリスクも高い

 元々はモータースポーツ専用ともいえるパーツだった「ロールケージ(ロールバー)」。事故や横転からドライバーを守ると同時に、ボディ剛性の向上といった様々なメリットをもたらしてくれる。最近はストリート仕様でもよく見るが、街乗りではどんなメリットとデメリットがあるのだろうか。

 サーキットに特化した装備という印象のロールケージ。確かに平成の初期くらいまではレーシングカー、もしくは走りに特化したクルマしか使っておらず、一般道で装着車両を見ることは稀だった。しかしチューニングやサーキット走行が身近な趣味となるに従って、ナンバー付きのストリート仕様でも装着するユーザーが増えているのも事実だ。 まずは街乗りにおけるメリットから説明したい。イチバンは何といっても「安全性の向上」だろう。車体の内側に沿うカタチで金属製のパイプを張り巡らし、仮に横転してもキャビンが潰れる可能性はほとんど皆無で、結果としてドライバーの身体が守られることになる。真横からドアに他車が突っ込んでくるようなケースの事故でも、サイドバーと呼ばれる追加バーがあればケガの度合いは軽減できるだろう。

 もうひとつは「剛性アップ」による走りの変化。ボディを構成する鉄板を内側から突っ張らせることで、コーナリングやブレーキング時の歪みが減り挙動が安定。サスペンションも正確に動くようになる。シッカリとした動きはストリートでも十分に体感できるし、乗り心地が劇的によくなったという声も少なくない。

居住空間の犠牲や車両重量増をどう考えるか

 いっぽうデメリットとしては、乗り降りのしにくさや居住空間が狭くなること。確かに競技専用の本格的なロールケージは街乗りまでを考えておらず、ユーザーもマイナス面を納得している人ばかりだった。しかし、ストリートでのロールケージ需要が高まれば、作り手もそうした部分を黙殺するワケにはいかない。

 例えば、専門メーカーとして約半世紀もの歴史を誇る『サイトウロールケージ』では、古くからストリートでの有用性を謳っており、より使いやすくするための工夫を随所に盛り込んでいる。乗降性と居住性はパイプを内装にピッタリ這うよう、パイプの曲げ回数を増やしフロアに落とす位置も考慮。ハッチバック車ならばラゲッジの積載量をできる限り犠牲にせず、オープンカーでは開放感をなるべく損なわない形状にするなど、職人ならではのコダワリが詰まった製品は愛用する街乗りユーザーも多い。

 また、事故のときロールケージに頭をぶつけてしまうリスクがある。モータースポーツのようにヘルメットや4点式シートベルト着用ならば問題ないものの、街乗りでは乗員がいる部分にパッドと呼ばれる分厚いスポンジを巻かないとケガしやすい。そもそも車検をクリアできず、違法となるので杞憂というしかない。後席にまで人が乗るならすべて巻かなくてはならないのだ(2名乗車に定員変更するならフロントのみでOK)。

 それと昔よくいわれた「事故の衝撃がボディ全体に伝わり修復が大変」という説もある。とはいえ、クラッシャブルゾーンを設けた近年の衝突安全ボディなら、ロールケージがあってもなくてもダメージの伝播は変わらないだろう。

 以上を考えるとストリートのデメリットとしては、金属製のパイプを装着することによる重量増、定員変更が必要ならその手間とコストといったところ。とはいえ、走行会といったモータースポーツを楽しむ人や、ボディ剛性の低い車種や古いクルマでの恩恵はあるかもしれない。

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