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自動車カスタマイズ誌の編集長が語る「Weds3大ブランドのホイールが抱える強み」

TPOにあわせた三者三様の絶品スパイス

 東京オートサロンでは新作ホイールを一挙に披露し、先立っての大阪オートメッセにおいては名作「バズレイア」の進化版や、全身ゴールドの「シンティル」といったコンセプトモデルを公開。さらに「ノヴァリス」という新ブランドの立ち上げなど、2020年はさらに勢いを増した感のあるウェッズ。その格別なオーラはこれまで紹介してきた新作を見る限り、もはや言うまでもないだろう。

 とはいえ、本当の意味での”魅力”は、ホイールだけを見る限り伝わらないのも正直なところだ。そこで、「ホイールやカスタムを知り尽くすプロの目には、どう映っているのか」をテーマに自動車カスタマイズ誌の編集長にインタビュー。ウェッズの3大ブランド「クレンツェ」「マーベリック」「レオニス」の強みや魅力について聞いてみた。

「高級車にふさわしい問答無用の存在感がある」

【クレンツェ】

「すばり、クレンツェ最大の魅力はプレミアム性でしょう。国産高級セダンの専門誌を長年手掛けていますが、クレンツェ以上に高級感を感じるホイールを見たことがない」と語るのは、VIPSTYLE編集長の田中 覚さん。

 高級車オーナーがホイールを選ぶ際、最も重要視するのが「自分の愛車に相応しい高級感があるのか」だそうだ。例えば、レクサスLSやLC、トヨタ・クラウン、日産フーガといった国産ハイエンドカー。それらのクルマに履かせてもベース車の高級感を損なわず、さらに持ち味である”質”を高めることができるのか、ということ。クレンツェには、そんな説得力があるという。

「クレンツェは長い歴史を持つ3ピース専門ブランドで、特に高級車オーナーはそこも見ていますね。ブランド力の高さや知名度は重要であり、満たないメーカーのホイールには興味を示さず、伝統を積み上げてきたホイールに惹かれる傾向が強い。しかし、ただ長い伝統があればいいというわけではなく、そこにブランドとしての強いポリシーがなければオーナーたちは振り向かないと思います」と田中さんは語る。

 その点でいえば、クレンツェには強烈なポリシーがある。それは、真の意味で「独自性」という表現がピッタリとハマる。ブランド誕生から今まで一度も、流行を追いかけたことがない。常に己の道を貫いてきた、唯一無二の存在だという。”クレンツェは人との違いを出したい”、そんな人たちから大きな信頼を勝ち取っている。いわば、孤高のブランドなのだ。

「細かい話でいうと、”3次元の立体造型”や”SBCポリッシュの美しさ”もクレンツェの代名詞。例えば、新作の『シンティル』ではダイヤカットをイメージさせる造形に挑んでいます。ディスク中央部だけでなく、ピアス周りにまで。こうした唯一無二の造型は、もはやホイールのそれではなく、工芸品レベルという特別感も他にはない魅力なのでしょう」と田中さん。 クレンツェの各モデルには様々な色が用意されているが、なかでも田中さんが最も美しいというカラーはうっすらと黒が浮かび上がる”SBCポリッシュ”。立体的な造型とSBCポリッシュならではの陰影が融合すると、高級感は格別で、かつ重厚感や威圧感さえも漂ってくるオススメの設定色のひとつだという。

 最後に、「クレンツェの魅力を語るうえで外せないポイントとして挙げたのがサイズです」という。造形やカラーがもたらす圧倒的な高級感については理解できたが、なぜそう思うのだろうか。 

「クレンツェには12.5Jや13Jといった、他ブランドではあまり見掛けないような極太サイズも用意しています。限られた人の話になりますが、流行のオーバーフェンダー化を目論む人にとってクレンツェが履けることは嬉しい限りでしょうね。また、3ピース構造の利点を生かし、インセットを豊富に設定しているのも美点。つまり、愛車に合わせてリム幅やインセットを選択できるのも、多くのユーザーから感謝されている点だと思いますね」

 クレンツェの魅力はデザイン性の高さは言うまでもなく、圧倒的な高級感、強烈な独自性、細かなサイズラインアップなど、挙げ出したら切りがないようだ。ターゲットは国産高級セダンに止まらず、ミニバンやSUV、果てはメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWといった輸入車など多岐にわたる。近年は美しいデザインをモノブロック(1ピース構造)に落とし込んだ”EVOシリーズ”も展開しており、大型ミニバンやSUVでクレンツェの恩恵を受けることが可能だ。

「ドレスアップ上級者だけでなく、ホイール1点主義のライトなユーザーにもオススメ。圧倒的な違いは、クレンツェを履いたものでしか分からないと思います。実際、私が数多くの装着車両とオーナーを目の当たりにしているので」と田中さんは締めくくってくれた。

クレンツェ・ラインアップ
https://www.weds.co.jp/kranze/index.html

「マーベリックでしか得られない王道と特別感」

【マーベリック】

 ツーリングカーレースに参加し、最近ではSUPER GTへの参戦で気を吐くウェッズは、スタイルアップ志向のマルチホイールのデザインにも、そのスポーティさを発揮している。代表的なブランドとして「ウェッズスポーツ」が存在するが、ここで紹介するのはスタイリッシュ系の2ピース構造ブランド「マーベリック」。早速、輸入車専門のカスタマイズ誌「af imp(オートファッション・インプ)」の編集長を務める多田さんに、同ブランドの魅力について聞いてみた。

「マーペリックは、端正なスポークを持つモデルを数多くラインアップしています。強烈な個性を持つクレンツェとは違い、マーベリックはパワフルでスポーティな魅力を秘めた異端児といったところでしょう。一見はシンプルだけど細部は非常に凝っており、立体感や奥行きをしっかりとを生み出すことで、他とは違うオーラを生み出していると思いますね」 5本スポークやフィン、メッシュと多岐にわたって展開するマーベリック。普遍的だからこそ流行に左右されることはなく、末長く飽きずに履けるのも魅力というのだ。なかでも多田さんがお気に入りのモデルを聞いてみた。

「オススメなのは、2018年発表の『1010S』ですね。ストレート基調の10スポーク側面には段つきのエッヂを削り込み、より細く見せることでスピード感を与えています。ピアスボルト間に彫られたアクセントライン然り、単調に見えがちなベースデザインにキレ味とアイキャッチを投入。シャープにディテールアップされたセンターパートの力強さも素晴らしく、エレガントかつスポーティさをも兼ね備えた数少ないホイールになっていますね」『1010S』に用意されたカラーは3色。シルバー系の2色は、普通のシルバーよりも細かいデザインを際立たせる色合いとなり、他モデルには希少なゴールドは大きいサイズほど映えそう。デザインを引き立たせる設定色もマーベリックを語るうえで外せないポイントと言えそうだ。 そして、多田さんが最もイチオシに挙げたのは『1212F』というモデル。東京オートサロン2020で発表された最新作だが、惹かれたポイントについてこう語る。

「まずは、12本スポークという造形ありき。厳密にはフィンですが、いま最も上質感を高められるデザインとして輸入車や国産高級車のオーナーに注目されています。『1212F』には、スポークにヒネリを与えつつ、センターに向けて落とし込むというダイナミックな躍動感をプラス。リムの接合部に落ちるスポークラインの流れまで、とてもスムーズに仕上げられているのが好印象ですね。ホイールに不可欠な”立体感”を生み出すためのギミックも一切の手を抜かない。そんな細やかさもマーベリックが異端児といわれる所以でしょう」

 また、リムが別体となるマルチピースデザインこそ、マーベリック・シリーズの見せどころ。多くの設定サイズは16〜21インチと幅広く、スーパーロー、ロー、ハイの3種類のセンターディスクが用意されているのもポイントだ(16〜18インチは2種類)。ディスクの高さは、抜群のフィッティングを追求するのに大きな要素となる。

「最後にマーベリックは国産車だけでなく、輸入車のオーナーにも高く支持される理由を話したいと思います。それは、溶接2ピースというホイール構造であること。メリットとしては1mm単位でのインセットが指定できるので、愛車や仕様にあわせたベストマッチングが追求できるため、設定サイズが少ない輸入車や希少な国産車にとっても武器になります。常に最先端を走る”メイド・イン・ジャパン”をインポートカーで履けることは、彼らにとって大きな魅力となっているわけです」

 細かなサイズ要望にも対応可能という、懐の広さを持つマーベリック。くわえて、最後に美点をもうひとつ話しておきたい。それは、クレンツェとマーベリックに用意された”ブラックエディション”というオプションメニューで、リムをブラック仕様にできるというもの。多田さん自身も加えておきたいメニューと話す。

「ブラックエディションは、さらに風格を増すための高度テクニックとして実に効果的です。また、ピアスボルトやセンターキャップに異なる色を選択することも可能。見落としがちなメニューですが、高級セダンやミニバンでも楽しめるアレンジなので、ぜひ挑戦してほしいですね」

マーベリック・ラインアップ
https://www.weds.co.jp/maverick/

「キラリと宿るセンスの違いを見比べてほしい」

【レオニス】

 レオニスといえば、リーズナブルな価格帯が魅力の1ピース構造ホイールのブランドだ。卓越したデザインやカラー、イージーに履けるサイズ設定など、クレンツェやマーベリックが中〜上級者向けに対して、ドレスアップ初心者にもオススメの人気シリーズだ。なかでも支持を得るのが、軽自動車やコンパクトカー、ミニバン、SUVの国産車オーナーたち。これらのカタマイズカーを専門とする「WAGONIST(ワゴニスト)」の吉坂編集長はどう見ているのだろう。

「レオニスは、誰でも手軽にカッコよく履ける身近なブランドでしょうね。いま、軽自動車やミニバン、SUV用の1ピース構造ホイール市場は活況で、競争力が求められるジャンル。そのため、この数年は流行を意識したような似たり寄ったりなホイールが多いうえ、デザインや設定色に進化が見られない。レオニスは差別化を図るべく、革新の要素を取り込んだ数少ないブランドだと思いますね」と吉坂さん。

 ファッションと同じく、デザインや色において流行は大切だ。しかし、一歩間違えると時代遅れになる可能性もあるわけで、奇抜なデザインは一過性になることも考えられる。その点、レオニスのベースデザインは王道かもしれないが、「差別化」が他との大きな違いと考えているわけだ。

「例えば、最新作の『レオニスGX』。デザインは定番の10本スポークですが、翼の断面のようなスポーク形状を持たせたり、エアインテーク風のホール加工を施すなど、他のモデルに比べてデザインに躍動感を持たせています。センター周りの細かな作り込みも素晴らしく、軽快感と立体感を表現するためにさまざまな工夫を忍ばせている。細部にまで施されたセンスは、レオニスを選んだユーザーの大きなアドバンテージとなっています」

 レオニスは、前述のように車検にも安心なサイズを設定している。言い換えると、限られたリム幅やインセットのなかで、いかに立体感や躍動感を追求するのか、も含めて設計されているわけだ。

「特に軽自動車やコンパクトカー、ミニバンで履けるサイズは限定的。ディスクの深さを確保できないなかで、同じサイズでも立体的にみえるのは、レオニスが誇る特殊技術によるものだと思います。WAGONISTではドレスアップカーイベント(スーパーカーニバル)を行なっていますが、レオニスを履いているミニバン系ユーザーは多いと感じます。深いホイールを選ぶことができない弱点を知っているだけに、ライバルをよく観察して吟味している証拠だと思いますね」

 では、冒頭で語ってくれたカラーの進化についてはどう考えているのだろう。引き続き、吉坂さんに聞いてみた。

「いま、社外品のホイールで多いのは、黒と切削を組み合わせた”ブラックポリッシュ”。ボディカラーを問わずに似合う”鉄板”の人気色ですが、レオニスは独自性を持たせています。例えば、新作の『GX』や『TE』に採用する”PBMC”は、ブラックにパールの粒子を配合したり、切削にはミラーカットという鏡面処理を用いるなど、高級感がまったく違う。”BMCMC(下写真)”というスパッタリングについても色やツヤに深みがあるというか、同じメッキ系でも陰影の付き方に差がありますね。ナローサイズゆえ、デザインを立体的に引き立てる設定色もレオニスの魅力ではないでしょうか」 ちなみに、吉坂さんのイチオシはブラックとマシニングにレッドを配色した”BK/SC”というカラー。いま、スポーツテイストが人気だそうで、ドレッシーさも両立した数少ない色だそうだ。

 クレンツェ。マーベリック、レオニスに宿した、キラリと輝くセンス。言葉では伝えるのは難しいところなので、ぜひホイール専門店などで見比べてもらいたい。現物を見れば言葉以上の説得力を感じるのは間違いない。

レオニス・ラインアップ
https://www.weds.co.jp/leonis/index.html

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