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クルマの「シートリペア」って? 査定でも有利に働く、価値ありメニュー現場に潜入

認知度は低いが、費用対効果バツグンの修理

 世界的にみて日本人はクルマを大切にする。街にゴミが落ちていないというキレイ好きな国民性なのか、クルマに対しても徹底的に綺麗にする傾向が強く、いつまでも美しく乗りたいという人が多い。中古車購入時についても機関系の状態だけでなく、内外装の汚れや劣化など見た目も気になるだろう。

 しかし、いくら大切に乗ってきた中古車とはいえ、見落としがちな劣化ポイントがある。それは「シート」だ。というのも、内装全般の汚れについてはクリーニングでごまかすことは可能だが、シート(ハンドル含む)に関しては、常に運転中は触れられている部分であり、ヒトの油脂によるヨゴレだけでなく、擦れることによるスレや破れが起こりやすい。いくら愛車を綺麗にしてもごまかしきれない部分が、シートの擦れや破れというわけだ。

 当然ながら売る側も同じ。いつかは愛車を売却する時はやってくるもので、査定においてもシートの状態は重要項目のひとつ。いくら低走行で外装が美しく、機関系に問題なかったとしてもシートにダメージがあるとマイナス査定につながりやすい。そこで知って欲しいのが「シートリペア」というものだ。

 文字通り、シートを補修するメニューなのだが、家具のリペアサービスは知られているものの、自動車シートの修理についてはあまり知られていない。そこで、今回はシートの補修現場に潜入。どのような過程を追って美しく元通りになっていくのか追ってみることにした。

 

手間のかかる、2万円強で甦るリペア

 今回のサンプル車両はVWゴルフ5のレザーシート。走行距離10万キロの代償は大きく、乗降時に擦れやすい運転席のサイドサポート部分は破れまで生じているという悲惨な状況だ。

 お邪魔したのは、大阪府堺市にある「カーメイクアートプロ」。 自動車のガラスコーティングやオーダーメイドのインテリア施工など、その確かな技術で高い評価を得ている名店で、オーナーカーだけでなく多くのショーカーをも手掛けてきた実績を持つ。

 まず、リペアに入る前にシートの状態を入念にチェック。聞けば、シートにはひび割れ、裂け、擦れ、色落ち、汚れなど様々なダメージの種類があり、その状態によって補修の過程は大きく異なるという。今回のサンプルは、ひび割れや色落ちは少ないものの、座面の背もたれのサポート部には裂けた箇所があっただけでなく、中身のウレタンも大きく潰れている状態。サイドサポートは、乗降時に一方の方向に力がかかりやすく、最もダメージのかかる部分だ。 いよいよ作業開始。まずはシート全体をクリーニング。これだけでも汗や油脂によって付いたテカりがなくなり、表皮の風合いも自然な感じに戻ったという印象で、簡単なDIYクリーニングだけでもレザーの風合いはリフレッシュできるとか。

 さらに補修部分は油分をしかっりと取り除くなど、後の工程となる色乗せで塗料の密着を高めるべく下地処理を行なっていく。

 ここからの補修こそ匠の技術が生きる。朽ち果てたインナー部分は、数種類あるウレタンから最適なモノを使用しつつ、専用パテを用いて傷んだ表皮を成型。大きく裂けてしまったパートは、縫い合わせの部分だと再ステッチできるものの、レザー自体が破れていたため、特殊な液剤を用いて接合補修した。

 さらに毛羽だった表面を滑らかに処理。続いて塗装のノリをよくするために専用液をレザーに馴染ませ、塗装するという手間のかかる工程だ。ちなみにカーメイクアートプロが使用する塗料は、同店が日本総代理店を務める「LEDERZENTRUM COLOURLOCK(レザーゼントラム カラーロック)」社の商品を使用。環境に配慮した水溶性で扱いやすく、摩耗や退色も少ないというドイツに本社を構えるレザーケアのメーカーだそうだ。

 最後に、このレザーゼントラム カラーロックの塗料を使って調色・塗装するが、外装色とは違って色見本はない。現状シートの色合いを元に配合を変えていくという、ここでもプロのウデが試される重要な工程となった。

 大きく破れてウレタンもつぶれたダメージは、みるみるうちに元の状態へ。今回は最も簡易的な補修となったが、破損状態によってはパート部分ごとに張り替えたり、場合によっては1席まるごとのリペアを推奨している。

 なお、カーメイクアートプロでの補修費用は1箇所につき2,2〜2.5万円とのこと。愛車に乗り込む際の見た目だけでなく、気分的にも気持ちよくなれる効果的なリペア。前述のように、シートのダメージは売却時の査定でも大きく変わるだけに(破れがあると10〜50万円ダウンするという)、価値ありなメニューと言えるのではないだろうか。

【詳しくはこちら】
https://www.art-pro.co.jp/

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