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「軽はいいけどフル乗車だと荷物が……」の悩みを解決する「屋根上収納」という選択

荷室の狭い軽自動車だからありがたみも大きい

 改めていうまでもなく、軽自動車は小さい。具体的なボディサイズは全長3400ミリ以下、全幅1480ミリ以下と定められている。そのワンクラス上の小型自動車(5ナンバー車)と比べてみると、そちらは全長4700ミリ以下、全幅は1700ミリ以下。幅はともかく、長さでは1.3メートルも軽自動車の方が小さいことになる。

 しかし今どきの軽自動車に乗ると、室内は思いのほか広く感じる。それは天井が高いことに加え、前後席の居住スペースが限界まで広く確保されているためだ。いい方を変えるなら、それだけリアの荷室スペースは削られている(軽バン・軽トラは除く)。

 だから座席の形状を工夫して、折り畳んだ時に荷物を積みやすくしている車種も多い。しかし4名フル乗車だとシートアレンジはできず、たとえば一家4人で泊まりがけの旅行に行きたい、となった場合は荷物の収納スペースに困るだろう。

 前置きが長くなったが、そんな時の頼れる救世主がルーフキャリア。車種や商品にもよるが、20~30㎏の荷物を屋根の上に積むことができる。4人で1~2泊くらいの荷物なら余裕だし、スキーなどの長尺物や、クーラーボックスといったかさばるモノも積めたりする。
 
 しかもルーフキャリアを装着すると、車種問わずお洒落に見えるという嬉しいオマケ付き。これから旅行やアウトドアを楽しみたいと考えているファミリーには、ぜひ導入をオススメしたい。

〈ルーフキャリアを使えばこんなメリットも〉
◆乗車人数に関わらず室内を広く使える
◆荷物の汚れやニオイなども気にならない
◆流行のSUVテイストを演出できる

システムキャリアならどんな荷物にも対応できる

 ルーフキャリアには数多くのバリエーションがある。なぜなら積む荷物の大きさやカタチによって、適した形状も異なるからだ。スキーキャリアにコンテナは積めないし、ルーフラックに自転車は積めない。つまり積みたい荷物に応じたルーフキャリアを選ぶ必要がある。

 だけど夏はキャンプ、冬はスノーボードに使いたい、といったケースも多いだろう。そんな時は“システムキャリア”を選べばいい。これは“ベースキャリア”と呼ばれる土台と、“アタッチメント”を組み合わせたモノで、アタッチメントを換えることでさまざまな荷物を積むことができる。

 もう少し詳しく説明すると、まずベースキャリアは屋根に固定したバーのこと(正確には固定用の金具なども含めてベースキャリアという)。このままでは荷物を積むことはできず、あくまで土台の役割しかない。メーカーはスーリー、イノー、テルッツォなどが有名どころ。

 そのベースキャリアに装着するのがアタッチメント。ラックのようなカタチだったり、ボックスタイプだったり、自転車を固定できるモノだったり、いろいろあるので荷物に合わせて選べる。なお、ベースキャリアとアタッチメントは同一メーカーで揃えるのが基本。他メーカー同士で装着できることもあるし、やっている人もけっこういるが、初心者は避けた方が無難だ。

汎用性が高く見た目もお洒落なルーフラックタイプ

 ここからは代表的なアタッチメントをご紹介。RVボックス(コンテナ)や折り畳み式チェア&テーブルなど、アウトドア系のアイテムを積みたいなら、ルーフラックタイプのアタッチメントが有用だ。ハミ出さず規定重量内でしっかり固定できれば、荷物の種類は問わない。とりあえず「いろいろ積むかも」という人はコレがいいだろう(写真はスーリーのスチール製バスケット「キャニオンXT859」)。

 カタチはキャニオンXT859のようなバスケット系が人気だが、イノーのルーフデッキ140(↓)のようなフラット系もあり。いずれにせよ、荷物の固定にはネットやコード、ベルトなどを使う。荷物を固定せず走ることはできないので、ラックとセットで用意しよう。

 また荷物を載せるだけでなく、タープやオーニングの支点としたり、ルーフランプの固定などにも活用できる。また荷物を積まない状態でも見映えが良く、まさにマルチに使えるアタッチメントといえよう。

雨風に強くスタイリッシュなルーフボックスタイプ

 ラックタイプと人気を二分するのがルーフボックス。収納力ではラックに一歩譲るが、悪天候でも荷物を濡らすことなく運べるのは大きなメリットだ。大抵の商品は空気抵抗の少ないエアロ形状なので風切り音も小さく、ルックスもスタイリッシュ。都会派SUVのイメージで仕上げたいユーザーに向いている。さらに鍵付きだから防犯性も高い。写真はハスラーに装着した「スーリー ダイナミック(Mサイズ)」。

 こちらはジムニーに装着したイノーの「イノー シャドウ18(BRM1800KH)」。

 ただしネックなのが価格と重量(ダイナミック Mサイズの製品重量は約18キロ、シャドウ18は約20キロ)。メーカーや商品によってピンキリではあるが、比較的リーズナブルなイノー製で4~5万円以上、人気のスーリー製は10万円オーバーもザラ。

 頑丈な作りゆえに重く、軽自動車が装着できるサイズでも15キロ前後はある。ベースキャリアと合わせると21~22㎏になる計算だ。軽自動車用システムキャリアの耐荷重は30キロくらいなので、荷物は10キロも積めないことがほとんど。購入前によく検討を。

 

自転車やスノボなども積める専用アタッチメントも

 その他、サイクルキャリア、サーフボードキャリア、スキー&スノボキャリア、カヤックキャリアといったアタッチメントが存在。いずれもその荷物のための専用品なので汎用性はないが、価格はラックタイプやボックスタイプに比べるとかなり買いやすく、1万円台からある。写真はイノーの「タイヤホールド2(INA389)」。

 また荷物を積むためのアタッチメントではないが、人気なのが“フェアリング”。ルーフキャリアの装着により発生する風切り音を抑えてくれる板状のアイテムだ。その機能性よりも見た目に惹かれて選ぶ人も多く、中にはベースキャリア+フェアリングだけ装着している例もある(つまり荷物は積めない)。写真はスーリーの「スーリー エアスクリーン(TH8701)」。横幅980ミリ。

全高の変化や積載重量には十分気を付けること

 システムキャリア導入にあたっては以下のことに注意。特に重量については、軽自動車はそれほど重いモノは積めない。ベースキャリア自体の最大積載量は100㎏近くあったりするのだが、軽自動車に付けた場合は30㎏か、せいぜい40㎏がリミットになる。脱落などのトラブルを避けるためにもメーカーが指定する最大積載量は遵守しよう。

〈ルーフキャリア導入の主な注意点〉

◆荷物を積んだ時の「全高」を要チェック。洗車機や立体駐車場に入れなくなることも
◆最大積載重量を守ること。これはベースキャリアやアタッチメントの重量も含まれる
◆取り付けは確実に。心配ならプロに依頼、DIYなら事故防止のため2人以上で行うべし

 

【取材協力】
谷川屋
https://www.carcareer.jp

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