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すべてが「ゆっくり」なのに「速く」走れる! じつは超シンプルな「本当に上手い運転」とは

速さの中に潜むものを知ってこそ運転上手に

 だいぶ昔の話です。若かりし頃、速いのが偉いと思い込んでいて、ひたすら速く走ろうともがき苦しんでいた時期がありました。ところが速く(本人の気分)走るととにかく不評で、あいつは運転が乱暴だとか、危ないとか。ついにはようやく同乗させることに成功してドライビングを享受できたと思った女性にも、私の隣には乗りたくない、といわれるに至って、速いことは必ずしも好かれはしない、と世の真理を悟ったのでありました。

ドライビングストレスを解消する速さとは

 しかし無暗にゆっくり走るのはストレスが溜まります。だからといって暴走は論外、いまの世の中、コンプライアンスが厳しいので、法定速度を逸脱することもはばかられます。

 では、どうしたらストレスをためずに気持ちよく走れるのか。ない知恵を振りしぼって考えた結果、スムーズに走るのがよろしかろうという結論に至ったわけです。

 一般道では周りにクルマがたくさんいますから、前車との開いた車間を全開で加速して詰めても、結局すぐに強くブレーキをかけなくてはなりません。同乗者が不安や不満を感じるのはこうした急激な加減速です。それからハンドルをスパッと切ってレーンチェンジしたりカーブを曲がると、いきなり強い横Gがかかりますから、同乗者は右に左に振り回されてしまいます。気持ちよくありませんよね。

 ではどうするか。穏やかに加速し、ゆっくりハンドルを切り、やさしくブレーキをかければいいんです、当たり前ですけど。

 それじゃあ速く走れない? 走れます。

 例えば加速は強い加速Gを発生させないようにすればいいんです。ポイントは加速Gではなく加速度なんです。発進加速を考えてみると、Dレンジに入れてアクセルを無造作に踏むと、スピードは0キロに限りなく近いのに強い加速をします。でもいったん車が走り出しある程度のスピードになると、そこから強めにアクセルを踏んでも、発進時のような強いショックは出ません。つまり、加速するときは、アクセルを踏む瞬間さえていねいにしてやれば、その後は多少強めに加速しても不快感は少ないんです、もちろん程度問題ですけど。

あらゆる「G」を操るスムーズ・テクニック

 で、出したスピードは必ず減速しなくてはいけません。視線が近いと前のクルマの走り方に左右されがちですが、もっと先を見て全体のクルマの流れをつかむことができれば、必要以上の加速をする必要がないし、ブレーキもガツンと踏まず、少し早めのタイミングから穏やかにかければ済むわけです。

 ハンドルの切り方も同様です。グイッとハンドルを切ると、曲がろうとする力≒ヨーが強く出てしまうので、体が反対側に持っていかれてしまいます。最初の指1本分くらいのハンドル操作をものすごくゆっくり行い、そこからスーッとハンドルを切り出していくと、ビックリするくらいクルマは穏やかで滑らかに曲がり出します。

 少しテクニックめいたことをいうと、ハンドルを切り出す時ハンドルを引いて切らないで、曲がりたい方向と反対側の腕で、ハンドルを前に押すように切り出すと、クルマの動きがさらに穏やかになります。

 なるべく遠くまで視野に入れながらクルマの流れを見ながら、アクセルとハンドルとブレーキを滑らかに操作し、滑らかに加速し、必要以上に減速しなくて済むように運転すると、クルマの走りはグッと滑らかで穏やかになり、しかもある程度のアベレージを保ったまま速く走れるようになるわけです。

 クルマでの外出時には、「ああ、ステキ」「とっても上手」といったお褒めの言葉を是非ともお隣シートの女性陣から頂戴したいものです。

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