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売れないことが許せないほどの完成度! セダン氷河期に逆らうように「攻めに攻めた」モデル3選

乗用車の定番「セダン」で王道を行くには

 かつてセダンは長きにわたり乗用車の定番として君臨したジャンルだ。ところが昨今はミニバンやコンパクト、そして新興勢力であるSUVの急激な追い上げもあってそのシェアはどんどん下がるばかり。

 とはいえ、市場に魅力のあるセダンがまったくないかといえばそんなことはない。そこで今回は、クルマ好きや運転好きが今だからこそ乗っておきたいセダンを3台紹介しよう。

マツダ3セダン

 とにかくデザインが美しい。せっかくセダンに乗るのだから優雅な雰囲気を持ったクルマを選びたいが、「引き算の美学」から生まれたマツダ3のスタイルにはその価値が充分にある。あまりの美しさに、世界のカーデザインの頂点となるアワードの「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー2020」に選出されたほどだ。つまりその年にデビューしたモデルの中でデザインにもっとも評価を受けたクルマといえる。

 そのうえインテリアの洗練された雰囲気と上質感、さらには走りの質もクオリティが高く選んで後悔することのない1台。手が届きやすい価格帯のセダンのなかではイチオシと言っていいだろう。

 パワートレインは排気量1.8Lのディーゼル、1.5Lと2.0Lの“普通のガソリン”、そして火花点火制御圧縮着火という量産車世界初採用の特殊な燃焼方式を採用した「スカイアクティブX」と呼ぶ2.0Lの4タイプを用意。オススメは「スカイアクティブX」と言いたいところだが……他エンジンよりも大幅アップする価格差に見合うメリットを感じにくいので、2.0Lガソリンがオススメ。

 燃料代を重視するなら1.8Lディーゼルもアリだが、同車の2.2Lディーゼルほどの“いいもの感”はないのが惜しいところだ(決して悪くはないのだが)。

 価格がちょっと高め……と言われることもあるが、クラスを超えたインテリアの仕上がりを見ればそれも素直に納得できる。

トヨタ カローラ 

 カローラなんて今さら!……なんて言っているようでは認識が甘すぎる。昨年登場した新型カローラは走行性能が大幅にアップしていて、その走りのフィーリングの質の高さは驚くレベル。安定感あふれるハンドリングに加えて乗り心地とのバランスも高く、トヨタの本気を実感する仕上がりだ。

 そんな新型カローラのセダンに用意されているのが、1.2Lターボエンジンを搭載した仕様。何が凄いかって、トランスミッションがマニュアル(MT)しか用意されていないのだ。なんとまあ。

 しかし、MT専用としてくるだけあって走りは爽快そのもの。エンジンは116psとパワフルというにはほど遠いが、6速MTを駆使してパワーを引き出しながらの運転は楽しすぎる。

 それにしても、新車販売の約98%がAT(CVTやDCTを含む)だというこのご時世なのに、トヨタはなんという開き直りを! 素晴らしすぎる。

日産スカイライン400R

 長い歴史を持つ日産のスポーツセダン「スカイライン」。昨年夏に追加された最高峰のスポーツモデルは「400R」だ。

 なにより注目はそのエンジン。排気量3.0LのV6ターボはなんと405馬力を誇るのだ。トヨタを代表するスポーツカーの「スープラ」でさえ最新仕様の最高出力は387ps。それ以上にパワフルなのだから驚くほかない。実際に運転しても、停止状態からアクセル全開の加速は目が追いつかない(筆者的には初老に入った目の衰えを実感させられる)ほどだ。

 しかし、いま乗りたい理由はその速さもあるが、それだけではない。爽快なフィーリングだ。レスポンスがよく、高回転の伸びとパンチ力はまるで麻薬のようにドライバーを快楽へと導いてくれる。なんと色気のある味付けなのだろうか。

 そんな魅惑的なエンジンフィールを実現した大きな秘密が、ターボに備わった回転センサー。タービン自体はレスポンスを重視して小型のものを組み込んでいる。しかし通常は過給圧に頼って大まかにしか判断できないターボの限界を、回転センサーを使って正確に検知し緻密に制御することで能力の限界寸前まで使い切ることを実現。その結果としてハイレスポンスとハイパワーを両立しているのだ。ちなみにグレード名の400という数字は北米での出力表記である「400hp」に由来している。

 価格は562万5400円。決して安くない……が、400psを超える高性能車のなかでは日本で最も安く手に入る。そういう意味ではコストパフォーマンスは高い。

 この3台のセダンはいずれも味わい深い走りが楽しめることを約束できる。単なる実用車では味わえない走行フィーリングを持ったセダンと言ってもいいだろう。それが、積極的に買いたい何よりの理由だ。

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