サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

樹脂製の悩み「黄ばみ・くすみ」が防げるのになぜ? 「ガラス製ヘッドライト」が消えたワケ

ガラスでは現在のようなデザインには対応不可

 人形は顔が命です、なんていうCMがあったけど、クルマも同じ。顔つきというのは、そのクルマのキャラクターを決める重要なポイントだし、販売の好不調にもつながるといっても過言ではない。

 そのなかでもとくに重要なのがヘッドライトだ。人間の目つきにあたるだけに、最近ではさまざまな形やサイズが登場してきている。

 素材も樹脂がほとんどで、乗用車に関しては100パーセントと言っていいほど。逆にその昔はガラス製レンズで、樹脂製というのはなかった。なぜ、ガラス製はなくなってしまったのだろうか?

ガラス製がなくなった一番の理由はデザイン性

 やはり一番の理由はデザイン性だ。ガラスは直径○センチの丸灯という感じで規格品も多く使われていたが、それでは現在のようなデザインには対応不可。

 たとえば細い吊り目というのは当たり前のようにあるが、それガラスでやろうとすると、ガラスの場合は整形して、焼いて作るので手間がかかる。もちろんできなくはないが、量産車ではコストがまったく合わないだろう。

 その点、樹脂であれば、比較的簡単にはできるのでコスト面でも有利だ。その昔は、溶けた樹脂を型に射出して整形する技術もレベルが高くなく、大量生産も難しかったが、この点が解消されたのは樹脂レンズの普及をアシストしている。

 安全面でも樹脂のほうが有利で、ガラスだと衝突すると割れて粉々になるので危険。樹脂であれば衝撃に強くて、割れたとしても、粉々になることはない。

配光技術が向上したこともあり樹脂レンズの採用が可能になった

 ただ、成形が容易になったから採用が進んだのかと言うと、配光技術が向上したというのが先にあって、それを踏まえて樹脂レンズの採用が可能になったというのが正確だろう。ガラス製のレンズの表面を見てみると、配光のために凹凸が付けられている。こうしておけばバルブからの光りが通過すれば配光されるので、コントロールするのは簡単だ。

 一方、樹脂の場合はレンズ表面はツルツルなので配光には関係なく、ただ光りは通過するだけ。配光は内部のリフレクターによって行なうため、制御はけっこう難しかった。もちろん今ではシミュレーション技術が向上しているので問題はないが、「昔は無理だった」と言い切る開発者もいるほどだ。

 ちなみに樹脂レンズの特徴である多面カットされたリフレクターはキラキラと輝くので、デザイン的なアイコンにもなるので、メリットは多い。

 デメリットはお馴染みの樹脂レンズの劣化だろうが、ガラス製も内部の腐食や飛び石による破損、ハイワッテージバルブを入れて夕立に遭うと急に冷やされて割れることもあった。細かい部分ではどちらにもそれぞれ遜色はあると言っていい。

 ちなみに旧車にレンズに凹凸がなくてツルツルした、リフレクタータイプのヘッドライトを付けてみると、なんとも物足りない感じになる。逆もしかり。やはり、全体的なデザインの流れがあってこそのレンズの素材だろう。

モバイルバージョンを終了