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「交差点で大回り」「信号の勘違い」! 高齢ドライバーが自分を疑うべき「あやしい兆候」とは

クルマの運転に必要な3つのチカラ

 高齢ドライバーによる事故を防ぐべく、法律の整備や車両の事故防止対策が進められていますが、事故の大きな原因としてドライバーの衰えという根本的な問題があります。

 クルマの運転に必要なのは「認知」→「判断」→「操作」という一連の状態がよどみなく連続していることが大切。3つの要素のどれか1つでも不正確になると、運転のループから逸脱してしまいます。

1)目で見るチカラ「認知」

 まず「認知」です。これは信号が赤であるとか、右折はできないとか、一時停止であるといった信号や標識の認知、交差点での対向車や右方左方から来るクルマの動きなどに対する認知、歩行者に対する認知など、さまざまなものがあります。運転しているときに信号や標識を見逃すようになってきたら要注意です。

 信号や標識が存在することを忘れてしまうような見逃しはかなりまずいですが、信号や標識を見逃すときに起きがちなのが別の信号や標識などを見ていて見逃すというパターンです。これは注意力の散漫と言われることもあり、普段の生活ではテレビを見ていると食事の箸が止まるなどの症状が出ると言われています。

 こうした注意力の散漫が進むと、つじつまの合わない話をしだしたり、意味不明の行動をしたりします。ここまで症状が進んだら運転はかなり危険だと思ったほうがいいでしょう。

2)瞬時に考えるチカラ「判断」

 「判断」が原因で運転のループが途切れるのは、間違った判断をしてしまうことです。信号でいえば、信号が「赤」なのに「青」だと判断してしまうなどのことです。さすがに対面する赤信号を見て、青信号だと判断することはないでしょうし、その状態まで判断力が低下しているなら運転をすることは完全に不可能といえるでしょう。

 ありがちなのが、対面する信号ではなくて交差する信号を見て「青」と、それを自分が見るべき信号だと間違って判断してしまうことです。こう判断した運転手は自分が「青」だと思っていますから、完全に信号無視をしてしまいます。

 歩車分離タイプの交差点で、歩行者信号が「青」になったときに発進してしまうクルマもこうした判断ミスです。判断力が落ちていると、人の名前がわからなくなったりすると言われています。

3)動かすチカラ「操作」

 正しい「操作」ができなくなるのは、身体の機能が劣ってきているからです。たとえば、ブレーキを踏み遅れるのは反射神経や動体視力が落ちているからですし、ステアリングを切る速度が遅くなったり一度に回せる範囲が少なくなれば、ステアリングが間に合わずに大回りになってしまうこともあります。

 ペダルの踏み間違えも、すぐに気付いて踏み換えることができれば、大きな事故になる前に事を収めることができます。反射神経や動体視力が落ちていることは、普段の生活でもっともわかりやすいことです。気をつけて観察するようにしましょう。

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