サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

見た目だけで選ぶと「車検NG」「タイヤバースト」のリスクあり! 「ホイール交換」で憶えておくべき5つの項目

納得のホイールに

 愛車のカスタムで、はじめの一歩と言われるのがアルミホイールの装着。多くのユーザーはインチアップとローダウンを同時におこなっていて、大きく外観をリファインできる手法として定番化している。単純に考えれば、好きなデザインのホイールに交換するだけなのだが、マッチングに失敗するとイメージ通りのスタイルアップにならない場合がある。

 例えばオークションなどで同車種だからと中古ホイールに手を出すと、年式やグレードの違いで装着できないこともあったりと注意が必要。ホイール選びは、まずサイズの認識をしっかり心得るコト! 自分のクルマに正しく適合し、満足できるためのポイントをわかりやすく解説しよう。

1)ホール数とP.C.D.とハブ径を調べる

 アルミホイールを装着するには、まず車体側のハブボルトの配列にピッタリ合わないと不可能だ。ホール数とはハブボルトの本数に対応した数値で、一般的には4穴か5穴が主流。荷重の大きな車両ほど本数が増えるため、4WD車やハイエースといった貨物車では6穴となる場合が多い。そのホール数はホイールナットの数で簡単に判別できる。

 P.C.D.の数値は、ハブボルト同士の間隔を表すもの。4穴なら100、5穴なら114.3という数値が主流だ。旧車や輸入車をはじめ、一部車種では特殊ピッチのクルマもあるので確認が必要。少し前のスバル車は5穴で100という車種もあった。

 ハブ径とは、センター部分の穴のサイズ。外品ホイールは大きめに設定されている場合がほとんどなので、装着の障害になることはほとんどない。ただ、輸入車などハブ側にボルトがない車両では脱着が大変なことから、ハブリングで適正サイズにアジャストする場合がある。

2)インチ数をどうするか決める

 装着するタイヤサイズに合わせ、ホイールサイズもインチ数で表記する。カスタムする場合はほとんどのユーザーがインチアップし、ノーマルより大きなホイール&薄い偏平タイヤにしてスタイルアップを実現している。

 中にはインチダウンしてファットなタイヤを履き、旧車風やオフロードカスタムに仕上げるユーザーもいるが、その際はブレーキパーツが干渉しないサイズまでしかサイズダウンはできない。装着するタイヤは、外径がノーマルタイヤに準じたサイズを選ぶのが常識。スピードメーターに誤差が発生したり、タイヤハウスに干渉したりするのを防ぐためだ。

3)ホイールのリム幅を決める

 タイヤをセットするリム幅は、インチ単位で『8.0(J)』などと表記される。0.5インチ刻みで用意されており、装着するタイヤ幅に合わせて適正なリムサイズを選ぶのが一般的だ。ドレスアップのテクニックとして「引っ張りタイヤ」と呼ばれる手法があるが、これは適正サイズよりもワイドなリムにタイヤを組む手法。

 フェンダーとタイヤの干渉をかわしつつ、フェンダーとホイールの出面を合わせる「ツライチ」と呼ばれるマッチングにするためのテクニックとなっている。ただ、タイヤに設置されたリムガードが無効になるなど、実用面でのリスクも発生する。無茶な引っ張りタイヤは安全性も損ねるので、マッチングについてはプロショップに頼るなど十分に配慮してもらいたい。

4)リム幅に対するインセットを決める

 ホイールがハブと接合する取り付け面は、車種によって奥行きの違いがかなりある。リム幅に対し、ホイールの中央をゼロとして外側に取り付け面が来るとプラス、内側に来るとマイナスの数値で表記される。

 以前は『オフセット』と呼ばれたもので、現行車のほとんどはブレーキの大径化などの影響もあってプラスの数値が主流だ。よく「フェンダーとツライチ」と言われるかっこいいマッチングを実現するには、このインセットを車種に応じて最適な数値に合わせなければならない。

 車高に応じてハブの接合面が車体奥へストロークする車両が多いので、ベストなマッチングを追求するならローダウンしてからホイール交換するのが得策だ。スペーサーなどで微調整する方法もあるが、ハブボルトへの負荷など安全性を考慮すると使わないに越した事はないだろう。

 何より、カッコイイとされる深リムやコンケーブ(逆反りフェイス)を実現するには、少しでもプラスのインセット数値を減らさなければならない。本当は深リムのホイールが履けるのに、わざわざスペーサーを挟んで浅リムにするのは残念な選択といえるだろう。

5)タイヤサイズを決める

 アルミホイールの装着で、意外にないがしろにされがちなのがタイヤ。実はカッコいい足まわりを作る上で最も重要なのがタイヤ。トレッド幅それに対する偏平率、全く同じサイズでもメーカー毎にショルダーの角度が違うなど、実は奥が深い。

 見た目のかっこよさばかり意識してしまい、タイヤ選択で失敗するパターンが多い。クルマの乗り味を決める重要なパーツだけに、サイズや銘柄、さらに消耗パーツとしてのランニングコストも考慮して選んでもらいたい。

 そんな失敗例で代表的なのが、やや背伸びし過ぎたインチ(リム幅)アップでタイヤが低偏平になりすぎて乗り心地が悪くなったり、段差での「リム打ち」でホイールが損傷りたり、タイヤがバーストしたりするパターン。カッコいい足にするために偏平率を多少犠牲にするのはよくある事だが、そうなったらそれなりの運転方法も身につける必要があるのだ。

 また予算をケチって格安輸入タイヤにするとハンドリングまで悪くなるという残念な結果を招くこともある。もちろん輸入タイヤでもある程度のクオリティを確保したものはある。失敗しないためにはプロのタイヤ&ホイール販売店や同じ車で同じタイヤを履いている人などの意見に耳を傾けるといいだろう。

 ドレスアップも大切だが、クルマ本来の走行性能も考慮し、充実したカーライフを楽しんでほしい。

モバイルバージョンを終了