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「お元気ですか」に「街の遊撃手」! 今なお「テレビCM」が鮮明に思い出されるクルマ3選

クリエイティブなCMに視聴者は惹き付けられた

 テレビCMや登場したドラマや映画・アニメによって話題となったクルマは数知れない。そんなクルマを取り上げた前回の記事では、登場人物以上にクルマが存在感を発揮した「西部警察のスカイラインRS」を取り上げた。そこで今回は、テレビCMで話題となった懐かしのクルマたち紹介したい。

超絶ドラテクでパリの街を華麗に舞う【いすゞ・FFジェミニ】

 世界的なトラック・バスメーカーのいすゞは、以前乗用車を製造していた。ジェミニはその代表的な車種だ。かつて同社はアメリカのGM(ゼネラルモーターズ)と協力関係にあったため、1974年に登場した初代ジェミニは、GMの世界戦略車「Tカー」、オペル・カデットの兄弟車として開発された。1985年から投入が始まった2代目からは駆動方式がFFに。ジウジアーロによるシンプルでバランスの良いデザインも評判となった。

 FFジェミニといえば「ハンドリング・バイ・ロータス」や「イルムシャー」などのスペシャルバージョンが有名だが、パリの街をスタント走行するテレビCMのインパクトが大きかった。2台がぴったり並んでスピンターンを決めるCMを初めて見たときの衝撃は忘れられない。

 しかもその後、カースタントはますます過激・華麗になっていき、2台ずつ2セットでターンをしたり、地下鉄駅構内を走って出口でジャンプしたり、セーヌ川を連続して飛び越えたり、広いコースで複数台が連なってクロス走行するなど、操縦テクニックの素晴らしさにとにかく感服しっぱなし。CMのバリエーションも豊富だった。なお、3代目(2代目FFジェミニ)でもアイデアいっぱいのスタントを見せていた。「街の遊撃手」「才なクルマ」というキャッチコピーも秀逸!

井上陽水の名セリフが印象的【日産・初代セフィーロ】

 1988年9月、日産は新しいコンセプトの2L直6エンジンを積んだセダン「セフィーロ」を発売した。このクラスの「マークII」や「R31型スカイライン」などの車種は高級志向が強く、メッキパーツを多用した外観・木目調パネルや家具のような高級感を持つシートを備えていた。しかし、セフィーロでは外観からメッキを極力廃し、ざっくりとした生地のシート・あっさりした内装を持っていた。

 クルマも目新しければ、プロモーションも一風変わっていた。発売前のティザーキャンペーンや、糸井重里さんによるキャッチコピー「くうねるあそぶ」もかなりのインパクトがあったが、同型のセフィーロといえば、井上陽水さんが出演したあのテレビCMだろう。

 森の中の道路を滑るセフィーロをカメラが左から追い抜くと、助手席の窓が開いて、井上陽水さんがひとこと「みなさんお元気ですか。失礼します」と言うCMなのだが、クルマの性能や装備を一切語らない斬新な手法は、大いに話題を呼んだ。「お元気ですか」という、クルマCMとしては意外性がありすぎる言葉、氏の独特の語り口、バックに流れる「今夜、私に」という曲のすべてが、しっとりとしたなんとも不思議な世界観を作り上げていた。

 ちなみに撮影当時、井上陽水さんは運転免許を持っていなかったために助手席に座っていたこと、そして昭和天皇のご容態が心配されたため、途中から「お元気ですか」という言葉がカットされて口パクになったのは有名なエピソードである。

22歳のフレッシュなキムタクが登場【トヨタ・初代RAV4】

 一線級で活躍する芸能人・有名人には、クルマのTVCMに出たことがある人が多い。1987年にアイドルグループでデビューし、現在は俳優としても活躍する木村拓哉さん(キムタク)もその一人だ。氏のクルマCMといえば「カローラ・フィールダー」が有名だが、最初のクルマCMは、1994年登場の「トヨタ・初代RAV4」だった。

 初代RAV4はオンロードでの使用をメインに考えた都会派RV(当時はSUVという呼び名は普及していなかった)として注目を集め、当時「ライトクロカン」とも称された。乗用車ベースで乗り心地が良くて快適なSUVを作る、という現代のSUVブームの先駆けだったのである。

 遊びやアクティブな生活を連想させるデザイン、そしてファッショナブルさで大きな人気を博したRAV4。テレビCMでも道無き道を行くシーンはなく、緑豊かな郊外や都市を駆け抜けていた。従来のクロカン車とは異なる洗練された姿は、とても印象的だった。

 そしてRAV4を颯爽と乗りこなす木村拓哉さんは、当時22歳。まだショートカットだった氏のフレッシュなイメージは、都会が似合うRAV4まさにピッタリ! 1995年のCMでは、髪もお馴染みの「ロン毛」になって、CM内でも流行の兆しを見せていたスノーボードの腕前を披露していた。全編から溢れる「若者向けのクルマ」という雰囲気に、むしろ懐かしさを感じてしまう。

有名人が出演したCMはほかにもたくさん

 このほか、テレビCMで話題になったクルマは数知れない。今思い出しただけでもアラン・ドロンの「マツダ・カペラ」、ポール・ニューマンの「日産・スカイライン」、小林麻美さんの「スズキ・アルト」、今井美樹さんの「ホンダ・トゥデイ」、マイケル・J・フォックスの「ホンダ・インテグラ」、大地康雄さんの「トヨタ・コルサ」など、枚挙にいとまがないほど。「おれのコルサに何をする」などの印象的なコピーも忘れられない。これからも記憶に残るCMがたくさん出てくることを期待しよう。

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