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「シャコアゲ」ブームのなか20年前の軽自動車「スズキKei」が脚光を浴びるワケ

ハスラーの前身なのだから、アゲが似合わないわけがない

 平成10年に軽自動車の規格改定があり、排気量が550ccから660ccに変更されたのと同時に販売が開始されたスズキ・Kei。いわゆるクロスオーバーSUVの走りとなったこのクルマは「軽の中の軽」を目指して作られ、後のハスラーなどにも多大な影響を与えた一台として知られる。

 一方でKeiスポーツやKeiワークスなどもラインナップに加わり、メーカー側がスポーツ色を強く打ち出していた影響か、ドレスアップのベース車としては、カリカリのステッカーチューンや車高短など、レーシーに振るユーザーが多かったように思う。

 が、ここに来て新提案。実は最近流行りのちょいアゲ仕様の本命ベース車として「ちょいアゲ」のエキスパートでもあるKLCがKeiをイチオシ! その秘められた可能性を徹底解剖する。

やっと時代が追いついた当時のデザインコンセプト

 もともとKeiは純正の時点で悪路走破性を高めるために最低地上高を高くとり、大径タイヤを履かせたスタイルが特徴。すなわち、最初からアゲ系な車輌であるとも言える。

「今で言うSUVというカテゴリーに当たるような、ハスラーの前身的な存在なので、これこそまさにアゲなきゃいけないクルマだろうなとはずっと思っていたんです。近年ようやく軽自動車をちょいアゲするっていう文化がかなり浸透してきた感じがあるので、満を持してKeiのアゲ仕様を作ってみました」。

 デモカーのKeiを見てみると、10年落ちのベースとは信じられないくらい、今っぽくオシャレな雰囲気に仕上がっている。
「出た当時はハッチバックにしては屋根が比較的高い方だったんですが、今こうやって車高を上げて見てみると、それほど高さは感じられない。ちょっと薄めのクルマをリフトアップしている感じで、実にいいバランスだと思うんです」。

足元を変えてキレイにするだけで生まれ変わる

 実際に手を入れた箇所は、足と色だけ。リフトアップスプリングで30ミリの車高アップを図り、通常より大きめのタイヤに鉄ちん風味のアルミホイール。タイヤハウスが広いKeiは、ゴツいタイヤが実に良く似合う。

 同時に色褪せていた純正樹脂のフェンダーモールなどを艶消し黒で塗り直し、ルーフはハスラーにも採用されているウッディブラウンで塗装してツートンに。これだけで見違えるほど、今風のスタイルに生まれ変わるのである。

 ちなみに3点リンク式の足は車高を変えると左右のホイール位置にズレが生じるため、ラテラルロッドを交換するのが定石だが、「Keiの場合は3センチアップでもほぼズレなかったので、純正のままで上げています」。

タマ数豊富で価格もお手頃、何よりアフターパーツが充実

 Keiを推す理由の一つが、タマ数の豊富さと価格の手ごろさだ。11年にわたって長く販売されていた車種なので、市場に広く出回っているし、低年式車であれば数万円で購入できるモノもある。

「実際、Keiを意識するようになってみると、本当に毎日必ず見るぐらい頻繁に普通の生活の中で見る車種なんですよね。で、乗っているのは高齢者の方が結構多いんですよ。足としてちょうどいい車種なのかなと思うんですけど。そのせいか、比較的年式が古くても走行距離が少ないタマが結構豊富に出るんです。ちなみにうちのデモカーも、2万キロの極上車です(笑)」。

 また、グレードやバージョンの豊富さも魅力だ。KLC的オススメはデモカーでも使用している標準タイプだが、好みに応うじて色々選べるのが嬉しい。

「グレードによってバンパーのデザインも違うし、限定モデルとか色々なデザインが出ているんですよね。SUVとかクロカンっぽいバンパーとかもあるんで、そっち系の雰囲気を出したい人はそういうのを選んでも面白いと思う。そうした部品も結構ネットなんかで数千円で出てたりするんですよ。ドア下のモールとかは、新品で部品を取り寄せられるので、キレイにリニューアルすることも全然出来る」。

「あと、現行のアルトもその傾向が強いのですが、ワークス系のクルマをあえてアゲてラリー車っぽくしたい、という方からの問い合わせも多いんですよ。となると、Keiはもともとワークス系があり、そのパーツが外装だけでなくチューニング系も豊富なので、そっち系も狙えます。ホントにかなり遊べるクルマだと思います」。

「実際古いクルマではあるんだけど、ちょっとキレイにして車高を上げるだけで、『この人、オシャレでこのクルマにあえて乗ってるんだ』感が凄く出る。今こそKeiでちょいアゲ、オススメですね」。

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