サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

憧れの「旧車」も扱い次第でただの「ボロ車」! にわか「旧車ファン」呼ばわりされないための最低ライン5つ

旧車乗りが「後ろ指」を指されないようにするべきこと

 クルマに限らず趣味の分野だと特に「本当に好きなのか、それとも俄(にわか)なのか」と、見る人が見ればわかってしまうことがある。さらに「大切にしているのか、はたまた雑に扱っているのか」というのも同様だ。

 旧車の世界ではその傾向が尚更強く、最近のブームでより顕著になっているように思える。今回は幾多の取材や知り合いとの触れ合いを通じて筆者が知り得た、“真の旧車オーナー”になるためのポイントを整理してみた。独断と偏見の部分もあるので悪しからず。

その1【最低限の知識】

 そのクルマのスペックや歴史などについては、めちゃくちゃ詳しくなくても良いし、少しずつ勉強していけば良い。「より詳しく知りたい」という前向きな姿勢が大切。「見た目が良かったから」とか「ブームだし」というだけだと、結局しばらくすると手放してしまうことが多いように思う。

その2【やれることは自分でやる】

 メカも同様で、点検レベルでも構わないからできるだけ自分の手で愛車に触れることが重要。エアクリーナーやオイル量の点検などは、別に難しいことではない。

 そもそもメンテナンスというものは最低限の知識や仕組みなどについて知っていることが大切で、プロに任せるにしても、適切なタイミングでお願いすることができる。現行車感覚で乗っている人も多いが、そのようなクルマはやはり乗りっ放しにされるケースが多く、最終的にはクルマがかわいそう。

その3【エンジンルームがキレイ】

 洗車やワックスがけなど、ボディのお手入れはほとんどの人がやっていると思う。しかし見えないところこそキレイにしてあげるのが愛情というものだ。

 今まで出会ってきた旧車で長く所有されている個体は、見えないところがキレイ。この場合の「キレイ」とは、フルレストアして新車みたいというのではなく、古いなりにもきちんと手が入っていることを差す。手入れの行き届いた古民家の雰囲気と言ったらわかってもらえるだろうか。古民家で中も汚いと、ただのボロ屋だ。

その4【着る物にもこだわる】

 別に着飾れとは言わない。それなりに雰囲気と合ったものを着るとクルマの雰囲気が引き立つ。それも当然のことで、旧車自体が今にはないデザインの塊。それに乗って街中を走るということ自体が、ファッション的要素のある行為だ。

 いくらクーラーがないといっても、ヨレヨレのTシャツと短パンで降りて来られるとガッカリ。さらに輸入車の旧車に乗るというのは、カッコ良く言えば「その国の文化自体も含めて楽しむ」とも言えるだけに尚更。アメ車は良い例だ。

その5【お金はうまく使う】

 無尽に金をつぎ込めというわけではない。それなりの予算のなかで維持していくという人がほとんどのハズ。それだけに上手く使うことが大切で、ここにセンスが出る。

 たとえば優先順位を意識するのが大切で、よく言われるのは「エンジンが先か、ボディが先か」ということ。「ボディがボロくても走るには困らない」とか「ボディが腐るとレストア費用が莫大になるから、メカよりも優先」など、正解はないものの、自分なりの答えを持っていると、旧車オーナーとしてのプライドが伝わってくる。

 また、ついでにやることで少々高額になっても将来的には安心できるし、結果的に費用は安く抑えられることは多いが、この点がわからない人も多く、端で見ていると「なんだかなぁ」と思うことも。

 以前、古いアルファロメオの新品ガラスを譲ってあげたことがあるのだが、「ゴムのウエザーストリップも一緒に替えたほうが安心だし、今なら工賃も同じだよ」と言ったものの、「お金がないからガラスだけでいい」と言われてガックリ。数千円をケチりつつ、将来またゴムを替えるためだけに、ガラスを脱着するのだろうか…。

 その割にはホイールやマフラーを替えてみたりなど、見た目の部分にお金を出したりするから、結果としてクルマがかわいそう。というか、そういう人はしばらくすると手放すことが多いように思う。正直、旧車はお金が無くカツカツでも維持できるようなものではない。

 以上、5つのポイントを紹介したが、共通しているのは「クルマがかわいそうかどうか」ということ。ただお金をかければいいというものじゃないし、ボロでも愛情があればクルマも喜んでいるハズ。このツボがしっかりと押さえられるのが、真の旧車オーナーということになるだろう。

モバイルバージョンを終了