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セダン不人気時代でも「バカッ速」なら別! 人気沸騰で中古価格高騰の「絶版セダン」3選

今なら間に合う中古車3大スポーツセダンとは

 昨今、日本でもセダン離れが叫ばれている。かつては乗用車の定番と言えば独立したトランクを備えたセダンだったが、2000年代に入ってすぐのミニバンブームに続き昨今はSUVの人気が急上昇中。さらに自動車販売の中心が軽自動車やコンパクトカーとなっていることもあり、セダンはますます肩身が狭くなるばかり。それに従い、国産メーカーが用意するセダンの車種も激減中という状況だ。

 しかし少し前まではセダンには多くの車種が展開され、なかには本格的なスポーツモデルまで用意されていた。そこで今回は、もう新車では買えないけれど、程度のいい中古車があるうちに手に入れておきたい3台の本格スポーツセダンに注目してみよう。

1)スバルWRX STI

 WRC(世界ラリー選手権)に参戦するために戦闘力を高めたベースモデルとして、小型セダンの「インプレッサ」の高性能仕様として1992年に登場。2014年にデビューした4世代目はさらなる高性能を求め、インプレッサから「WRX」として独立している。

 基本的な車体設計はインプレッサと共通だが、独自デザインの範囲が増え、また走行性能も大きく引き上げられた。

 そんなWRXには「FA20」と呼ばれる直噴エンジンにCVTを組みあわせた一般的なモデル「WRX S4」と、競技参戦まで視野に入れたより高性能仕様で308psの「EJ20」エンジンに6速MTを組み合わせた「WRX STI」が存在。

 前者は現時点(2020年9月1日)ではまだ購入できるものの、走りの性能に関してより本格派の後者はすでに新車で購入できない絶版モデルの仲間入りを果たしている。

 そんな「WRX STI」の注目ポイントは、最後まで残った究極の国産スポーツセダンということ。残念ながらスバルはWRCから撤退したが、小さなボディに超高性能エンジンと戦闘力重視の4WDシステムを組み込んだパッケージは世界に誇れるものであり、セダンの究極の姿のひとつともいえる。

2)シビックタイプR(FD)

 シビックの本流はハッチバックで、そのスポーツ性能を高めた究極の形である「シビックタイプR」も基本はハッチバックだ。そんななか、異色と言えるのが2007年にデビューした3代目だ。

 日本からハッチバックのシビックが姿を消したという背景もあり、シビックタイプRとしてははじめてのセダンボディを採用。搭載するエンジンは排気量2.0Lの自然吸気で、最高出力225psを発生する回転数はなんと8000rpmという超高回転型。

 しかしながら最高出力だけを高めるのではなく、それまでのシビックタイプRに比べて低中回転域のトルクも太くし、コーナー立ち上がりなどまで含めた総合的な速さに配慮した設計になっている。

 そんなシビックタイプRの真骨頂は鋭いハンドリングとコーナリングスピードの高さ。1200キロ台に収めた軽量かつ剛性バッチリの車体とハードなサスペンションの組み合わせによる旋回性能は、まさにセダンの形をしたスポーツカーだ。

 販売終了から10年経つので程度のいい個体はどんどん減少中。いっぽうで価格は、10年前のモデルとは思えないほど高値安定を保っている。

3)マークX GRMN

「大パワー+MT+後輪駆動」。それは走り好きにとっての理想のひとつといえるだろう。しかし、21世紀に入りその条件を満たすセダンはどんどん数が減り、2010年代になると希少種となってしました。

 そんななか、メーカー自らの手で特別なモデルとしてそれを実現したのが「マークX GRMN」だ。

「マークX」は後輪駆動の上級セダンであり、上位モデルのエンジンは排気量3.5LでV6の318ps(GRMN初代モデルは321ps)と高出力。ただし通常モデルにはATしか用意されていないのだが、「せっかくなので究極のスポーツセダンを作り上げよう」とメーカーの手でMTに架装して限定発売したのだ。

 2015年の最初のモデルは100台、マークXの終了記念モデル的に2019年に復活したモデルは350台が限定発売された。いずれも徹底したスポーツセダンとして開発され、車体やサスペンション、そして内外装など幅広く手が入っている。

 購入するなら程度のいい個体があるうちに手を打ちたいが、きわめて少量生産かつ特別なモデルなので、中古車相場は高値安定中だ。

 いま、セダンは日本でも販売台数が減っている。さらに高性能モデルの人気も昔ほどは盛り上がらず、日本メーカーから本気のスポーツセダンが世に送り出されるのは難しいだろう(上記のうち新型が登場しそうなのはスバルWRXのみ)。そう考えると、楽しむなら今のうちなのは間違いない。

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