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「抜く」より大切なのは「抜かれ方」だった! サーキット初心者が憶えておくべき重要なマナーとは

追い抜かれたいときの意思表示が大事

 サーキットビギナーにとって、他の速いクルマと一緒に走るというのはけっこう怖い。走行会によっては、自己申告でタイム別にクラス分けを行っているところも多いので、まずはそうした初心者向けのクラスを選んでエントリーするのが一番だ。

 実際にサーキットを走るときは走行前のミーティングに参加し、しっかりマナーやルール、注意点についてのレクチャーを受けること。とくに、ピットアウト・ピットインの方法については確認が必要。通常はピットアウトして最初のコーナーを曲がるまでは、インベタで回り、1コーナーを立ちあがって、後方の安全を確認してからレコードラインで走り出すようにする。

 またピットインするときは、ピットロード入口の100m以上前からウインカーを出して、レコードラインを離れて、ピット入口に近いコースの端を走るようにしよう。このとき、あまり速度を落とし過ぎると、後続車との速度が大きくなってリスクが増すので、全開走行の70~80%ぐらいのペースは保ちたい。

コース上で速いクルマに追いつかれたときの対処法

 サーキットでは、速い人≒上手い人が抜いていくのが基本なので、ビギナーで「いまの走りで目いっぱい」という人が、何か特別なアクションをする必要はない。逆に後ろから迫ってくる速いクルマに気が付いて、急にラインを変えたり、減速したりする方がよっぽど危険だ。

 でも、少し余裕がある人ならば、ストレートなどで後続車にポジションやラインを譲ってあげるといいだろう。その場合、アウト側でもイン側でもいいので、いま走っているところから近い側にウインカーを出しながら寄っていき、ほんの少しだけアクセルを緩めて抜かせてあげる。大事なのは自分が寄ろうとする側にウインカーを出すこと。そうすることで後続車は、自分の存在に気が付いているということがわかるし、譲ってくれという意思を確認できるからだ。

 また、必ずしもレコードラインを開ける必要はないというのも重要なポイント。例えばホームストレートを走っていて、次の1コーナーが右コーナーだったとする。

 ストレートでは左端がレコードラインになるが、抜かれる側のクルマはレコードラインを開けて、わざわざ右端による必要はなく、左端をキープしたまま、左方向にウインカーを出し、ほんの少しアクセルを緩めたり、1コーナーのアプローチで早めに減速を開始して、抜かせたいクルマに抜かれるまで、ウインカーを点滅させたままで、左端を走り続けるのが正しい抜かせ方だ。

ポイントは自車を寄せる方向にウインカーを出すこと

 逆に後続車との距離が離れていたときは、ストレートで右ウインカーを出し、右側に寄って抜かせるのもOK。そのまま1コーナーに向かうと自車がイン側=レコードラインになるが、このときはウインカーを出しながら、インベタで1コーナーをクリアするのが正解。

 ストレートではイン側を走り、他のクルマに道を譲っていたのに、コーナーが近づいたところで「レコードラインのイン側を開けてあげないと!」と思い、インからアウトに進路を変えようとするのは、後続車とラインが交錯するため一番危険だ。

 他車に譲るときは「インならイン」、「アウトならアウト」の、どちらでも構わないので必ずウインカーを出しながらコースの脇に寄って、わずかに減速すること。ときどき、相手に抜いていってもらいたい方向にウインカーを出す人がいるがこれはNGだ。

 大排気量車から小排気量車までたくさんのクラスが混走するレースでも、自分が寄っていく方向にウインカーを出して譲るのがルールになっている。

 あんまり後ろを気にしていても楽しくは走れなく危険だ。インフィールドではきちんと前を向いて、自分の走りに集中し、ストレート手前で後方を確認して、譲るときはマナーよく譲る。これが走行会を楽しむための要諦だ。

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