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「ハス切り」「大径」「横出し」! 見れば時代がわかる「マフラーカスタム」の歴史

「性能重視」や「見た目重視」など時代と共に移りゆくマフラーのトレンド

 自動車のカスタムメニューとして、マフラー交換は第一歩といえるもの。特にチューニングパーツとしてはマストアイテムだけに、速さを競うレースシーンから大きな影響を受けてきた。  しかし、時代の流れとともにカスタムのトレンドも多様化し、出口形状は様々なバリエーションが登場する。ここでは、あらためてマフラー形状の変遷を振り返ってみよう。

サウンド優先から性能アップへ

 1970~1980年代のデザインはシンプルなもので、やや強引な言い方をすればノーマルよりもサウンドさえ良ければ、出口の形状は太いパイプであれば良かった。レースカーのマフラーが直管であったイメージから、あえてシンプルな出口が好まれ、ストレートカットかハス切りというのが定番だった。

 その上でスチール製パイプの経年劣化を隠すため、エンド部にステンレス製カッターを二重に巻くなど、徐々にデザインへの配慮が加えられていったのだ。

 1990年代になると3ナンバー車両の普及に伴い、存在感のある大径テールが人気となる。折しもR32スカイラインGT-Rをはじめとした国産280psマシンをベースにしたハイパワーチューンに火が付き、排気効率を重視したマフラーにφ100mm以上の大径出口というのが定番化。

 砲弾型ナナメ出しというレーシーなスタイルが人気となり、ワゴンやミニバンでもレーシーなマフラーが人気となる。

純正の出口形状と共にアフター系マフラーのトレンドも変化

 一方、ドレスアップシーンではユーロメイクの人気が高まり、レーシーなカスタムとは一線を画したスタイルが確立されたのもこの時代。欧州車のチューナーズブランドをモチーフに、丸型やスクエアのデュアル出しで上品に仕上げるのも人気となった。

 また、ハイドロなどのアメリカンカスタムでは着地に際して損傷を受けないよう、バンパー内で下向き排気するマフラーレス形状も浸透。カスタムシーンの多様化が、一気に拡大したのだ。

 2000年代になると、純正フォルムでもマフラー出口へのこだわりが顕著になる。オプション装備や特別仕様車でアフターパーツばりのマフラーが選べるほか、メルセデス・ベンツやレクサス、ポルシェなどの高級車ではバンパーにマフラー出口がビルトインされたマフラーディフューザーが登場!

 これがエアロ業界も巻き込むデザイントレンドとなり、今でも人気のディテールとして支持されている。憧れの高級車のマフラーはモチーフにされることも多く、レクサスIS-F純正のオーバルデュアルを斜めに重ねた形状などは典型的な例。定番化したオーバル出口のバリエーションとして、様々な可能性を広げてくれた。

 最近の注目は、サイド出しマフラーが合法化されたことから、その形状と出口の数がカスタムシーンで話題となっている。

 シンプルなスタイルを追求したマフラーレス仕様も根強い人気で、徹底したローフォルムでは定番の組み合わせといえるだろう。レーシーなカスタムとしては、カーボンフィニッシャーやチタンテール、アルマイトパーツを使ったワンポイントなどでデザイン性を向上。

 性能アップはもちろん、好みの質感が別体テールで選べることにより、個性を主張できるようになっているのだ。

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