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「オールペン」は査定に影響! 「ラッピング」はせいぜい3年! クルマの「色替え」の正解とは?

失敗しないために知っておきたいメリット・デメリット

 究極のカスタマイズ技のひとつに、ボディカラーを丸ごとチェンジする「オールペイント(以下:オールペン)」がある。また、ボディ色を変える他の方法として特殊なシートをボディに貼り付ける「ラッピング」も最近はスーパーカーを中心に、市民権を得て定着した感がある。最近はラッピングの価格も下がってきたため、どちらがいいのか悩んでいる人もいることだろう。

 費用を見てみると、仮に3ナンバーハッチバック車で施工する場合、どちらも外装表面のみの色変えで60万円〜というのが相場。もちろんもっと安くできる方法やお店もあるが、ある程度の仕上がりを求めるならば、だいたいこの辺りが適正価格と考えておいて間違いはないだろう。

全塗装なら耐久性が高く、ラッピングは汚れたら剥がせる

 ではまず、双方のメリットから見ていこう。オールペンはまさしく全塗装なので、塗膜の美しさが10年以上楽しめるという耐久性が最大のウリ。特殊な塗料や技法、エアブラシテクニックなど、カスタムする上でのこだわりが表現できるのも人気の要因といえる。 対するフルラッピングは、貼ったフィルムを剥がせば元に戻せるので、大胆なカラーにも気軽にチャレンジできるのが嬉しい。最近増えてきたサブスクで利用するクルマやリース車、残価設定ローンの車両など、ノーマルに戻す必要がある場合に嬉しい選択肢だ。

 ノーマルボディの保護にもなるので、高級車の場合は資産価値を守る手段としても有効! 流行りのマット系カラーは手入れや維持が大変なので、ラッピングで楽しんだあと、汚れたら剥がすという手法がオススメといえる。

ラッピングは劣化したボディに施工ができない

 さて、気になるのはそれぞれのデメリットだろう。オールペンもフルラッピングも高額なカスタマイズだけに、後悔がないよう知っておくべきことがある。オールペンを実施した車両については、査定が事故車扱いになってしまうケースがあることを覚えておこう。

 いくら高年式の人気車でも、車両としての資産価値が下がってしまう可能性が高いのだ。もちろん、すでに事故車であったり査定の厳しい低年式車、外装のレストアが必要な旧車などは気にする問題ではない。フルラッピングのデメリットは、何と言ってもフィルムの寿命となる3年を目処に剥がす必要があること。

 放置すると剥離が困難になるため、期限つきのカスタマイズだと割り切らねばならない。もう1点注意したいのが、クリアがハゲたような劣化したボディには施工ができないということ。仕上がりが悪いばかりか、剥離の際に下地塗装へダメージを与えるので、補修を兼ねたラッピングは基本NGだと思っておこう。

 今やドレスアップシーンで普通に色変えされたクルマを見るが、その車両の資産価値を考慮すれば、オールペンかフルラッピングのどちらが適しているのかが理解できたことだろう。とはいえ、理想を追い求めて愛車をカスタマイズするのは個人の自由! 限られた人生の中で、悔いのないカーライフを満喫してもらいたい。

【取材協力】
インターリンク
◆長野県長野市吉田3-2-20
https://interlinkautomobile.co.jp/

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