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「罰則がなくなった」など「高齢者マーク」に変更あり! 意外と知らない貼るべき「年齢」や貼る「場所」

新・旧2通りある「高齢者マーク」 装着車両に対する「社会的責任」とは

 高齢者保護の観点からクルマに取り付けることが推奨されている高齢者マーク。今では街中でたびたび目にするようになっているのでドライバーなら誰もが知っているだろう。

 そんな高齢者マークは、旧型は“もみじマーク”などと呼ばれる黄色とオレンジの水滴形状のマークだったが「枯れ葉」をイメージさせることから評判が悪く、2011年からは“四つ葉マーク”と呼ばれる四つ葉のクローバーに加えて、シニアを意味する“S”を込めたデザインへと変更されている。ちなみに旧マークの使用も認められているので現在では2種類の高齢者マークを街中で見ることができる。

 これらの高齢者マークは70歳以上のドライバーがクルマを運転する際に貼り付けることを推奨される努力義務とされているマークだ。高齢者ドライバーの事故が増加傾向にあることから、高齢者の加齢に伴う運転能力の低下を周囲のクルマにわかりやすく示すために1997年の道路交通法改正で生まれた制度だ。

 高齢者マークを貼っているクルマに対しては周囲のクルマが安全に走行する配慮をする必要がある。これは初心者マークを貼っているドライバーと同様の考え方で、ドライバー皆で高齢者ドライバーを安全に支えていこうという取り組みの一環なのだ。

 高齢者マークを貼り付けているクルマに幅寄せや無理な割り込みをすると道路交通法違反(反則金が課せられる)となる場合もあるので憶えておいて欲しい。高齢者マークは高齢ドライバーを守るという意味から取り付けられている意味をすべてのドライバーが理解しておく必要が合うあるだろう。

※写真はイメージです

過去にあった「罰則あり」の「マーク装着義務化」は現状はない

 先にも紹介した通り、1997年の道路交通法改正によって生まれた高齢者マーク、当初は75歳以上のドライバーが対象だったが、その後2002年には対象年齢が70歳に引き下げられている。現在では70歳以上、75歳未満のドライバーは「加齢に伴って生ずる身体の機能低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれ」がある場合に高齢者マークを付けることが求められている。 さらに75歳以上の高齢者がクルマを運転する場合には「普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない」と、すべてのドライバーに高齢者マークの取り付けが求められている。

 高齢者マークの取り付けだが2008年には罰則ありの義務化が導入されたことがあった。しかし反則金や違反点数がある罰則付きの制度に多くの高齢者からの反発があったため、2009年には再び罰則を伴わない努力義務に戻ったという経緯がある。そのため高齢者マークを取り付けるのは努力目標であり、貼り付けていなくても罰則には問われないことになっている。

 では最後に高齢者マークの取り付け位置について紹介しておこう。“前面および後面に”とあるが、取り付ける位置は地上から0.4m以上、1.2m以下の位置で、車体の前後の見やすい位置に貼り付けることが推奨されている。初心者マークを貼り付けるのと同じ要領で取り付けることになる。

 高齢者になると若い頃に比べて運転中の判断の遅れなどが徐々に生まれてくる。これらを補うためにもまわりのドライバーとの協調が重要になってくる。そのためにもいち早く周囲のドライバーに高齢者であることを知らせる高齢者マークは重要になってくる。ますます高齢化社会を迎える日本では、安全運転を心がける上でも一層重要になってくる制度なので良く理解して遵守していこう。

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