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見逃してはいけないクルマの「悲鳴」! サーキット走行中に行うべき「診断」とは

愛車を壊さないために注意しておくポイント

 一般道よりも高いスピード領域で、コーナリングで身体にかかる“G”も桁違いに高かったりと、非日常のドライビングを満喫できるサーキット。走っている最中はテンションも上がりがちで、気付いたら愛車が悲鳴を上げているのに気が付かず、大きなトラブルを起こしてしまった人は少なくない。安全に楽しむため知っておきたい、クルマが出す危険を知らせるシグナルとは。

「水温」は後付けメーターでチェック

 まずは数字で見えるためわかりやすい、クルマが出す「危険水域」の合図から。車種を問わずに当てはまるのは水温で、上がり過ぎるとエンジンブローをはじめ、大きなトラブルに繋がる可能性が高い。

 一般的に適正な水温は70〜90℃とされており、それを超えるとエンジンを冷やす能力が著しく低下し、オーバーヒートと呼ばれる状態を引き起こす。どんなクルマにも純正で水温計は装備されているが、使い勝手はアフターパーツのほうが上だ。純正メーターよりも表示がわかりやすく、ワーニング(設定した温度に達すると光や音で警告)機能を備えていたりして、ドライビングに集中していても気付きやすいハズ。

 純正のコンピューターには電動ファンを回してラジエーターの冷却能力を高めたり、ガソリンの噴射量を増やしてエンジンを保護する機能が備わっていたりするが、それをドライバーが全開走行中に気付くのは至難の業だと思われるので、予め冷却系のキャパシティを把握しておいたり、前述のワーニング機能を積極的に活用するようにしたい。

「油温」と同時に重要な「油圧」

 エンジンオイルに関しては油温だけでなく油圧も非常に重要で、車種や使うオイルによって異なるため一概には言えないが、高回転(4000rpm以上)で200kPaを下まわるようであれば、コーナリング中の著しい偏りや劣化などを疑ったほうが良い。いずれにせよ油圧計がないとわからないので、不安なくサーキット走行を楽しみたいなら、水温計と併せて早めの装着をオススメする。

 また油脂類に関していえば、サーキット走行ではデフオイルも意外と高温になりやすく、ひどい場合はLSDを痛めてしまうこともあるので、こちらにも気を配りたい。

 なお水温、油温のどちらに関しても「これ以上はダメ」という数値は、車種やエンジンによって大きく異なるので、チューニングやスポーツ走行を得意とするショップに相談してワーニングの温度を設定したり、必要ならば冷却系のチューニングを行なってほしい。

「タイヤとブレーキ」の温度や摩耗具合

 続いては走行中に残量を確認できないため、フィーリング頼りのタイヤとブレーキについて。タイヤはアンダーステアが強くなったり、リヤが出やすくなったという挙動の変化。今まで出なかった場所でスキール音が鳴るのも、タイヤのグリップが下がった証拠だろう。

 ブレーキは走り始めよりも明らかに効きが悪くなったり、ペダルを奥まで踏み込まないと効かないといった症状が目安だ。どちらも路面温度や車両のコンディション、走り方によって起きるタイミングは大きく変わる。

 3周アタックしたら1周はクールダウンするなど、適度にインターバルを設けてクルマの状態を見極め、トラブルを未然に防ぐよう配慮したい。

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