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メルセデスもBMWもポルシェも乗って欲しい! ヤナセ「福祉車両」への取り組みが本気すぎた

ヤナセが贈る輸入車ベースの福祉車両

 全人口に占める65歳以上の高齢者の割合、すなわち高齢化率がこの30年間で急速に高まっている日本。一方で社会を支える担い手である現役人口層や若年層は減少が続いており、少子高齢化社会が猛スピードで進んでいることは周知のとおりである。

 そんな少子高齢化社会を支える交通手段のひとつとしてクルマは重要な役目を担っており、日本最大のメルセデス・ベンツ販売ディーラーであるヤナセも、少子高齢化社会に向けた福祉車両の充実に力を入れている。

さまざまな面で注目される日本

 ヤナセの取り組みを紹介する前に、まずは福祉車両を取り巻く環境について見ておきたい。2015年9月の国連総会にて「SDGs」が採択された。SDGsとは「サステナブル・デベロップメント・ゴールズ(Sustainable Development Goals)」のことで、「持続可能な開発目標のための2030アジェンダ」である。このアジェンダ(議題)は、2030年に向けた世界が共通して取り組む17の持続可能な開発目標と169のターゲットから構成。そのなかには福祉社会に関する目標も含まれている。

 これを達成させるべく現在、世界各国の政府、自治体、企業、すべての関係者が自主的に取り組んでいるところである。特に企業の役割も重視されるなかで、本業活用が推奨され、日本企業の高い技術力と商品力は世界から注目されているのだ。

 日本は少子高齢化や地域の過疎化という課題先進国であるが、課題解決力も備えている。しかも日本は高齢化が進み、福祉車両(バリアフリー車両)の需要は確実に増加しているのが事実だ。

クルマが人々の生活を明るくする

 高齢者や身体障がい者にとって、生きがいは大きな心の支えとなり、福祉車両で健康で豊かな人生を楽しむことができる。「足の具合が悪いおばあちゃんに海や山を見せてあげたい」「車イスの自分でもドライブを楽しんだり、クルマで通勤して働きたい!」こんな時に威力を発揮し、大活躍してくれるのが福祉車両である。

 乗り降りしやすいようにシートが電動で車外まで出てきたり、さらに車いすのままで乗り込める車両もある。手足に障害がある人でも、補助装置を付ければ手や足の操作で運転することも可能だ。

 「外出は最高のリハビリ」とよく言われるが、そよ風に当たれば気分はリフレッシュ。ビジネスに出かけるとき、友人に会いに行くとき、気が向いた時にドライブへ……。そんな生活を福祉車両は約束してくれる。もちろんデイサービスや通院などのシーンでも、「介護式福祉車両」と呼ばれるクルマが活躍している。

 一方、身体に障がいを持つ人でも自身で運転できるようにしたクルマは「自操式福祉車両」と呼ばれており、手足に障害のある人が運転できるように補助装置を取り付け、手だけの操作、足だけの操作で車を運転できる。ドア・ツウ・ドアのメリットは計り知れない。

 福祉車両は乗る人と同時に乗せる人にも優しいクルマ、まして自分で運転できる楽しいクルマであると言える。「福祉車両を購入して、レジャーやビジネスにも行け、家族がパっと明るくなったんだ。さらに家族に連帯感が出てきたよ」。そんな話をよく耳にする。

ヤナセの福祉車両に対する取り組み

 輸入車販売大手であるヤナセのスローガンは以前では、「いいものだけを世界から」、「good new days人間らしい美しい未来を」があり、最近では「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている」である。正しく、福祉車両を取り扱うのに相応しいスローガンであると言える。

 2018年12月にヤナセが本格的に福祉車両の販売を始めてすでに2年が経過した。グループ会社であるヤナセオートシステムズ(東京都港区)は、高齢化が進み需要の増加が確実に見込まれる福祉車両分野への本格参入を目的に、車両製作に関しては、輸入車・国産車の福祉車両改造を幅広く手がける「オフィス清水(東京都荒川区)」と業務提携している。

 福祉車両とは、単純に車いす用リフト装置や回転乗降シートを取り付けているのではなく、利用されるお客様の状況に合わせた改造が求められるため、必要とされるノウハウは多岐に及んでいる。ヤナセオートシステムズは全国のヤナセグループ販売店を通じた福祉車両の販売体制を整えるため、福祉車両改造のネットワークを構築している。

メルセデスを中心に各ブランドに対応

 ヤナセは福祉車両の事業開始以来、そのコンセプトやマーケット、お客様とヤナセ販売店とヤナセオートシステムズとの業務フローを徹底。加えてヤナセ販売店への勉強会を強化するとともに、ヤナセ専用の福祉車両カタログも店頭に置いてお客様に対応している。

 購入可能な福祉車両は、多くの輸入車ブランドを取り扱うヤナセならではのラインアップで、メルセデス・ベンツをはじめ、フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、GM(キャデラック、シボレー)、ポルシェなど。豊富な選択肢で、お客様のニーズに応じた福祉車両の相談とアドバイスをしている。

 特にヤナセは“自分らしさのこだわり”をもった輸入車ユーザーのニーズに対応し、福祉車両の事業を手がけることで、輸入車を乗り続けたいユーザーの選択肢を増やし、提供しているといえる。事実、ヤナセは安全性が高い車両で福祉車両を望んでいたお客様のニーズに応え、メルセデス・ベンツVクラスをはじめ、各モデルに昇降リフト装置や運転補助装置等を装着した福祉車両を多数納車した実績がある。

ヤナセ福祉車両の仕様ラインアップ

(1)車いすサポート
●フィオレラリフト(昇降リフト装置/イタリア・フォカッチャグループ社製)
車いすのまま乗り降りを可能にする。リフト能力は最大360kg

フィオレラリフト

●フィエルランプ(スロープ装置/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
耐荷重400kg。さまざまなタイプの車いすの乗車が可能

フィエルランプ

●カロリフト(車いす収納装置/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
●ピラーリフト(車いす収納装置/イタリア・キヴィ社製)
取り付け位置と車いすの重量に合わせてモデル選びができる車いす吊り上げリフト
※セダンやワゴンへの取付の場合は別途改造が必要

(2)乗り降りサポート
●電動補助ステップ(日本製)
車の乗り降りの際にかかる負担を軽減。

電動補助ステップ

●サイドサポート(日本製)
シートへの乗り降りをサポートし、運転席・助手席のどちらにも装着可能

サイドサポート

(3)パッセンジャーサポート

●ターンアウト(回転シート/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
●ターニエヴォ(回転シート/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
車の乗り降りの際にかかる負担を軽減

(4)ドライバーアダプテーション(自操式装置:補助装置により、手だけの操作で運転を可能にする)

●アクセルリング&ブレーキレバー(手動運転装置/イタリア・キヴィ社製)
手動運転装置で、リングを押す、または引くことでアクセル操作を行ない、レバーを下げてブレーキ操作を行なうハンドルコントロールシステム

アクセルリング&ブレーキレバー

●カロスピードメノックス(手動運転装置/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
レバーでアクセルとブレーキを操作。引くとアクセル、押すとブレーキ操作が可能な手動レバー

カロスピードメノックス

●レフトフットアクセレレーター(左アクセル装置/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)左足でアクセル・ブレーキ操作を行うことのできる左アクセル装置

レフトフットアクセレレーター

●ステアリングデバイス(着脱式片手ハンドル操作ノブ/スウェーデン・ブラウンアビリティ ヨーロッパ社製)
片手でハンドル旋回を可能にする後付けノブ。ノブは着脱式でドライバーに合わせて色や形状が選択可能

ステアリングデバイス

●ウインカーレバーエクステンション(日本製)
逆側でウインカー操作を可能にする延長レバー

「ウインカーレバーエクステンション」装備車両

これからの福祉車両があるべき姿

 今後、福祉車両を開発する際は高齢や障害を特別なものとして考えるのではなく、誰もが行きたい所へ、行きたい時に気軽かつ快適に移動する為にはどのようにサポートすればよいのかを考えていく事が重要である。同時に高齢者や障がい者がいる家族も、より充実したカーライフが楽しめるようトータルに考えていかなければならない。

 日本では高齢化がさらに進み高齢者ドライバーが増加しており、また障がい者にとってもクルマには尚一層の「やさしさ」が求められている。これからは福祉車両としてではなく、普通に普段使うクルマとして捉えていく必要があるだろう。

 現在のクルマ社会は、コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、シェアリング(Sharing)、EVをはじめとする電動化(Electricity)という変化の時代に突入している。それぞれの頭文字を組み合わせ「CASE」と呼ばれるこの最新革新技術が、福祉車両に最優先で採用されるべきであると言える。

[ヤナセ福祉車両及びオフィス清水の詳細について]
https://www.yanase.co.jp/adaptation_vehicles/#section04
https://officeshimizu.jp/

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