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自動車カスタムの基本の「キ」! ホイール交換するときに絶対に押さえる項目6つ

履き替えれば「印象激変」がホイール交換最大の効果

 オシャレは足元から、というのはファッションの世界では定番のセオリー。そして自動車カスタムの世界での「足元」とはズバリ、ホイール。形も色も製法も様々、交換するだけでクルマの印象を大きく変えることのできるアイテムだ。だからこそ、自動車のカスタムは「ホイールに始まり、ホイールに終わる」と言っても言い過ぎではない。

 ただし、これからホイールを初めて変えてみようという人には注意点が。それは、どんなホイールでも履けるわけではない、という点だ。そこで今回は「自分の愛車に付けられるホイールの見分け方」を5つのポイントとプラスαの情報を、ホイールセッティングに詳しい広島のプロショップ「Sスタイル」に解説して貰いながら紹介していく。

【Point_01】取り付けボルトの穴数を示す「ホール数」

 ホイールはディスクに開いている穴にハブボルトを差し込み、ナットで締めて車体に固定する。このボルトの数だが、比較的大きめの車種や輸入車に採用されていることの多い「5本」、一部ミニバンやコンパクトカー、軽自動車まで多くの国産車に使われている「4本」、本格的なクロスカントリー車や大型商用バンなどに見られる「6本」など、何種類かある。

 そのため、本来はホイール側にも同数のボルト穴が空いていなければならない。例えば愛車のホイールが5本のボルト&ナットで留まっているなら、取り付け可能なホイールのホール数は「5」が基本。中には穴が8個だったり10個空いている「マルチ」タイプもあるが、基本はボルトの数が同じホイールを選ぶ、と考えておく。よってホール数が「4」や「6」のホイールは取り付けができないということになる(変換スペーサーで付ける、という方法もあるが基本は同数)。

【Point_02】ボルト同士の距離を表す「P.C.D」

 ただ、愛車のハブボルトの数とホール数が合えば取り付け可能かというと、そうとも限らない。次にポイントとなるのはP.C.D(ピーシーディー)だ。P.C.Dとは「Pitch Circle Diameter(ピッチサークル・ダイアメーター)」の略であり、各ハブボルトの中心点をつないだ真円の直径のことを指す。このP.C.Dが車種によって異なるため、仮にハブボルトの数とホール数が同じでもボルトとボルト穴の位置が合わずにホイールを取り付けられない、という事もありえる。

 ちなみに国産車の場合、4穴はP.C.D100、5穴はP.C.D114.3が主流だが、レクサスLSやホンダのレジェンドは同じ5穴でもP.C.Dは120だし、輸入車になると「108」「112」「130」など実に様々なP.C.Dが存在する。

【Point_03】ホイールの大きさを示す「 インチ数」

 ホール数とP.C.Dが合えば、ひとまず付くには付くだろう。しかし、安全に走行できるかとなると、これもまた別問題。そこでチェックしておきたいのが、ホイール(タイヤ)のインチ数だ。ただし、このインチ数が問題になるのは、ノーマルホイールよりも大きくする「インチアップ」などを行う場合。

 著しくインチアップすると、タイヤ外径(タイヤの外周のサイズ)も大きく変わってしまう。するとタイヤハウスの内壁にタイヤが当たったり、メーター関係に不具合が発生したり、そうなるとそもそも車検に通らなくなってしまったりする。車検に通る外径誤差はマイナス3%からプラス2%程度と言われているため、インチアップを行うにしても大抵は純正から1インチ大きくする程度、攻めたサイズでも2インチアップにとどめておくのが良いだろう。 ただし、ホイールを大きくすれば許容される外径内で収めるために薄い(=偏平率の低い)タイヤにしなくてはならない。そしてタイヤが薄くなる(偏平率が減る)と乗り心地がノーマルのそれと比べてしまうと変わるのは避けられない。

【Point_04】ホイールの太さに関わる「リム幅」

 インチ数がホイールの大きさを表す数値だとすると、太さを表すのがリム幅だ。一般的に「J」を単位扱いで用いられるが基本はインチ(本来「J」はフランジ形状を示す記号。他に「JJ」や「B」などがある)。そして多くの場合0.5刻みで増減する(※0.25刻みの場合もあり)。

 トヨタ・ヤリスのモデリスタホイールを例に挙げると、設定サイズは(1)14インチ×5.5J(2)15インチ×6.0Jだ。この時「1J=1インチ=25.4mm」のため(1)ではホイールの太さが139.7mm(2)では152.4mmとなる。なお、ホイールのリム幅が車体に対して太すぎると、ショックやフレームなど内側への干渉やフェンダーからの突出につながるためオススメはできない。どちらも安全性に欠き、かつ車検にも通らないためだ。

【Point_05】取り付け面の位置を表す「インセット」

 リム幅と一緒に考えたいのがインセット(かつては“オフセット”と呼ばれていて、40代以降の人はそちらの方が馴染みがある)だ。インセットとは「ホイールの車体への取り付け面が、リム幅のどこにあるか」を示す値のこと。もし取り付け面がリム幅のちょうど中央にある場合、インセットは「±0」と表記される。そこから取り付け面が車体の外側にズレていけば数値はプラス方向に大きくなっていき、車体側にズレていけばマイナス方向に大きくなっていく。

 

先ほどのトヨタ・ヤリスのモデリスタホイールでいうと、14インチはインセット40、15インチはインセット45となり(プラスは無表記でマイナスのみ表記される)、それぞれリムの中央から40ミリと45ミリ外側にずれていることになる。このインセットは車種やインチ数、ホイールの太さによって適正値が変わってくる。いわゆる「オフセット計算」で算出もできるが、上記の通り外側への突出や内側への干渉リスクもある。

 仮に自分で計算して該当サイズを買い、それで付かなければ自己責任になる。なので、できればホイール購入前に専門ショップや販売店に相談する方が無難だ。

【Point_06】ホイールナットは新調が基本

「もともと純正ホイールを留めていたナットじゃダメ?」と思う方もいるだろうが、基本が交換と考えるのが無難。「まずホンダは絶対に変えないとダメ。というのが、社外ホイールのナットホールは通常60度のテーパーがついたデザインが多く、ホンダの純正ナットは外車同様に球面タイプなので締められません。他にトヨタ車の純正アルミホイールや三菱の普通車、極々一部の日産車のナットはアタマが筒状になっていて、最後まで締めきらない。他は締まるには締まりますが、せっかくアルミホイール買ったのだから、ナットも見た目がいい社外品に交換することをオススメします」とはSスタイル代表の菅原サン。

 ナット自体はネットでも自動車量販店でも、場所によってはホームセンターでも購入可能。こだわるならアフターパーツメーカーから出ているクロモリやアルミ素材のナットに変える、という選択肢もある。

 その際、気をつけたいのがボルトのネジ山ピッチ。なんと国産自動車8メーカーでネジ山のピッチが2サイズに別れ、

(ピッチが1.5ミリ)
→トヨタ・ホンダ・三菱・マツダ・ダイハツ

(ピッチが1.25ミリ)
→日産・スバル・スズキ

と、何ともややこしい。加えてトヨタとスバルで共同開発した86&BRZや、スズキのエブリイといった他車に供給しているOEM車になるとさらに複雑で、「トヨタ」86なのにネジ山ピッチは「スバル」規格の1.25ミリだったりする。間違えて買うとナットが締まらないので購入時は要注意(といっても、愛車のメーカー対応ナットをえらぶだけ)。

他にも検討すべき「細かい注意点」が意外にある

 以上が取り付け可能なホイールを見極めるための5つのポイントだ。ただし、実は他にも細かな注意点がいくつかあるため、最後にそれらをまとめておこう。

【リム形状】
リムの内側に段のついたついた「段リム」や一直線に落ち込んでいく「リバースリム」など、リムの形状にもいくつか種類が存在する。サイズやコンケーブデザインなどのスポーク形状によってはブレーキキャリパーに干渉するなどの場合もあるので注意。

【ハブ径】
センターハブ中央の凸部分の直径は車種によって様々。そのため社外アルミホイールは凸部分を収める穴が大きく作られている。そのまま取り付けただけではホイールをハブボルトのみで支えることになり走行中にハンドルがブレてしまうことも。そのような時にはハブセントリックリング(通称:ハブリング)を取り付けて凸部分をピタッと納めてあげると良いだろう。

【ハブボルト径】
一般的な国産車のハブボルトはM12(直径12mm、旧車だとM10もあり)。ところが輸入車やランクル、新型のレクサスIS・LSなどはM14(直径14mm)が使われている。そのため、ホール数・P.C.Dが同じでも、ボルト穴にボルトが入らない、という事態が起きかねない。

【取材協力】
Sスタイル
http://odkstyle999.jp

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