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マイナー車まで高騰の怪! いま日本の「中古車市場」を襲う「海外」からの買い付け

マイナー車種でも海外で日本車の人気が高い

 古くなって値上がりするクルマというと、かつては昔から存在価値がある車種というのが定番だった。クルマの場合はフェラーリなどの輸入車がほとんどで、国産車ではトヨタ2000GTなど一部の希少価値が高いものだけだった。

 それが最近では値上がり幅に大小はあれど、古ければなんでも高い状態と言っていい。なぜそのようなことになっているのか、理由を探ってみた。

新型コロナ禍でも代行のブローカーを使って買い漁る

 まずよく耳にするのが、外国からの引き合いが多く、予算に糸目を付けないというもの。「ジャパニーズヒストリック」や「JDM」などと呼ばれ日本車の人気は海外で高く、日本に買い付けに来ているというのは事実。新型コロナ禍でも代行のブローカーを使って買い漁っていて、高値は続いている。

 そこまでしても欲しいぐらいなので、オークションでも糸目を付けずに高値で落札していく。そうなれば、国内の市場価格は高くなって当たり前だ。また価格だけの問題ではなく、限られたタマの流出にもつながり、国内は枯渇しているのが現状と、イイことはない。

 ただ、昨今はいわゆる「有名どころ」だけでなく、マイナーモデルやマイナーグレードなど、なんでも高くなっている。中には海外から買いにも来ないだろう、というクルマもままあるのだが、その理由をいくつかの専門店に聞くと、まずあるのが「市場の雰囲気」だという。

 先の海外からの引き合いの影響か「旧車は高いもの」という雰囲気がユーザーにもできていて、売る側もそれに合わせて高く値段を設定しているというもの。確かに専門ショップもボランティアではないので、市場価格が高くなれば、安い時に仕入れたクルマであっても、それなりのプライスボードを掲げることになる。

 こうなると、市場価格はそれが適正値となり、買う側としても仕方がないことになる。ちなみに数年前よりも明らかに高いものについて「ホントに買う人はいるのか?」と尋ねると、「お客さんはチャンといる」というから、需要と供給のバランスは取れていると言っていい。今のクルマに魅力がなく、個性的な旧車に流れてくるというのはわからないでもないが、ちょっとした投機気分で買う人もいるのは考えものだ。

 これはある専門店で話していたときに出た言葉だが、「高騰しているけど、合わせて程度がよくなっているわけではなく、今まで通りボロいけど、価格は高いこともあるから注意」というのは個人的にはちょっとした名言でもある。

部品や補修工賃の高騰も原因

 ただ、理由はこれだけではない、切実な事情もある。それが部品や補修工賃の高騰だ。不景気もあって、部品は以前よりも早めに生産中止になるし、あってもとにかく高い。各メーカーとも、部品価格は年に数回改定するが、最近はその度にどんどんと上がっていく。また生産中止になったものはデットストックを高値で買うしかないし、専門店ならストックはあるものの、店によっては最新の価格にして販売しているところもある。

 ちなみに自動車部品でも、いわゆる転売ヤーはいて、買い占めや高値での販売などいろいろと行なっている。また、メーカーによるパーツの再販が話題になるが、有名モデルの、しかも一部の部品だけ。それでもありがたいとはいえ、完全に状況が改善するものでもない。そうなると中古パーツから探す事になる。

 さらに旧車となると、多かれ少なかれ、販売時に整備が必要で、ときにはボディの補修も必要となる。自社工場があればいいが、外注に出す場合。工賃がとにかく高騰しているし、そもそも旧車をしっかりと見られるところが減っているのは痛いところだ。また鈑金・塗装の場合には材料費が高くなっていて、これもまた料金に跳ね返ってくる。

 つまり、車両価格が高くなる要素だらけということになるし、そこを狙って今まで旧車を扱ってこなかったショップも扱いだしたりして、安くなる兆しをまったく見いだせないというのが実際のところだ。

 最後にバイクの状況にも触れておくと、こちらもクルマ同様に高騰中で、カワサキのZやホンダのCB750などのいわゆるビンテージクラスはもちろんのこと、今や絶滅してしまった2ストスポーツ、NSR250やRZ250も三ケタ万円が珍しくない。ただ、不人気モデルは昔通り安いのはクルマと違うところだろうか。

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