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想像より「昔」だった! クルマの「当たり前装備」が初搭載された旧車7選

スライドドアは初めて登場したのはなんと57年前!

 クルマの進化というのはすごいもので、初採用時は驚いたものの、アッという間に普及して当たり前になるのはよくあること。それは実用装備に限らず、走りに関する部分だったり、安全装備などさまざま。1979年に430型のセドリック/グロリアに搭載された国産初のターボといった有名どころではなく、今回はそんな当たり前になってしまった、細かな装備たちを集めてみた。

スライドドア

 トヨタのトヨエースのライバルが、日産のキャブライト。トラックボディに加えて、バンボディもラインアップしていて、3代目(1964)で片側だけながらスライドドアを採用した。

 商店の配送など、細かい積み下ろしが必要とされるジャンルのクルマだけに、スライドドアというのはかなり利便性があったようで、その後、各社のバンに採用されるようになった。ミニバンでスライドが採用されたのも、商用ワンボックス由来のモデルがあったからとも言える。

 ただ、両側スライドドアの日本初は1984年のアルト、スリムスライドドアとなる。

インジェクション

 旧車乗りにはお馴染みなのがキャブレターで、自然の力で燃料と空気を吸い込むもの。今の主流はインジェクションで、簡単に言ってしまえば、積極的に噴射するスプレーとなる。そのインジェクションも細かく言うと、機械式と電子制御があって、前者は1967年のコンパーノスポーツクーペが初で、機械式だけに運転しながらの調整が必要だった。一方の電子制御は1970年のいすゞ117クーペが初となる。

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)

 安全装備については、ホンダはスマッシュヒットを飛ばすメーカーだ。A.L.Bと呼ぶABSを4輪にプレリュード(1982年)に日本初で採用した。 ちなみに2輪ABSは1970年の日産プレジデントとなる。プレリュードのあと、高級車を中心にABS競争が勃発した。

エアバッグ/シートベルトプリテンショナー

 高級車として登場した初代レジェンド(1987年)では、運転席エアバッグを日本車初で採用しつつ、A.L.Bをデジタル化もしている。

 さらに1990年登場の2代目レジェンドでは助手席エアバッグ、さらには前席のシートベルトプレテンショナーも採用した。

 これにより、ABS同様にエアバッグ競争が勃発して、たとえば1993年に日産プレジデントが世界初で後席用を、さらに1995年には前席サイドを採用している。

電動パワステ

 電動パワステは2000年以降の最新技術といったイメージがあるが、日本車どころか世界初なのが、1988年のスズキのセルボ。「ごきげんパック」という特別仕様車に付いていた。タッチの差で、ダイハツのミラにも採用されている。フィーリングは当然のことながら、クルクルと回るだけだった。

カーナビ

 GPSを使った、現在のカーナビの直接的なルーツになるのはユーノス(マツダ)のコスモ(1990年)となる。

 自動で地図というかルートを表示しようという試みはその前から続けられ、1981年のホンダ、アコードには「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」と呼ばれるジャイロを使ってものを採用していたが、地図はなんと樹脂のフィルムだった。

 そのほか磁気を使用するトヨタの「ナビコン」(セリカXX)や、方向センサーで目的地までの距離を割り出す日産の「ドライブガイドシステム」(R30型スカイライン)などもあったが、実際は役に立たなかったし、コスモのモノもGPSの使用が限定されていたので、実用性には乏しかった。

ラジオ

 進化どころか、単体では消滅しつつある装備だが、モータリゼーション真っ盛りの頃は豪華装備だった。日本車初は1955年に登場したクラウンで、当然真空管を使ったもの。移動体であるクルマの中でラジオが聞けるなんて、夢のようだった。ちなみにメーカーは神戸工業で、その後の富士通テン(現在はデンソーテン)となる。

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