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ルームミラーで存在アピール!? 伝説の「TURBO」鏡文字ステッカー誕生秘話

ステッカーチューンの一環としてアフターでも人気だった

 2代目となるホンダのN-ONEにアクセサリーとして登場して話題になったのが、TURBOの文字が反転したステッカー。正確にはステッカーセットで、DOHCやVTEC 12 VALVE、4WD、さらにはPROGRAMMED FUEL INJECTION(通称PGM-FI)というかなり懐かしいものまでがひとつのシートになっているもの。

 そのなかで、なぜTURBOの文字が反対、つまり鏡文字や反転文字と呼ばれる状態になっているのかというと、まずは簡単に言ってしまうと、40年ほど前に流行ったから。ホンダでは、伝説にもなっている初代シティのターボIIのフロントスポイラーに付いていたし、さらに先駆けとなったのはなんと輸入車。BMW2002、通称マルニーのターボのフロントに貼られていた。

 それを真似したのかはわからないが、シティターボIIのほかにも、スカイラインの5代目(通称ジャパン)や6代目の通称鉄仮面などはおなじみだったし、三菱のランサーターボにも付いていた。ちなみにジャパンではグレード名のGT-TURBOが丸ごとひっくり返っている。また、カー用品店に行くと、鏡文字のステッカーが売られていて、ステッカーチューンの一環としてアフターでも人気だった。

 要は高性能かつ最新装備であったターボの装着を強烈にアピールするもので、鏡文字になっているのは前走車のルームミラーに写ったときに普通に読めるから。かっこよく言えば「道を開けろ」ということで、ターボの別格ぶりと相まって人気となった。もしかしたら、ミラーを見て迫りくるライバルに絶叫していた『サーキットの狼』の影響もあるかもしれないが……。

 鏡文字の表示は現在でも救急車の一部に道を譲ってもらうために採用されているし、ヘッドライトを昼間でも常時点灯している車両やバスにも、「ヘッドライト点灯中」など、あおりではないことを示すために採用されていて、実用性があることもわかる。

 VETCやPROGRAMMED FUEL INJECTIONはホンダ車固有のものなので、他メーカーのクルマに貼るのも変としても、TURBOも含めてそれ以外の4WDやDOHCは他社に貼っても様になる。書体も当時のものっぽくて、それだけに意外とセンスが必要かもしれないが、雰囲気作りにもってこい。他社も追従して、日産が「やっちゃえ!」とかのステッカーを出したりして競作すると面白いと思うのだが。

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