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「ベンコラ」「ダッツン」「ドグミッション」! 今や世界遺産レベルの「旧車用語」8選

現代ではあまり耳にしない旧車の「専門用語」解説

 最近は昭和末期から平成初期のネオクラシック(略してネオクラ)と呼ばれているものも含め、旧車への注目や人気が高まっている。旧車の話をする際には現代のクルマでは耳にしない「専門用語」を聞くこともよくある。そんな中でいくつかを解説していこう。

【ソレタコデュアル】呪文ですか?

 燃料噴射にキャブレターを使う旧車のエンジンチューンの定番だったソレックスのキャブレター(双璧をなす存在としてウェーバーもあるが、ソレックスの方が扱いやすいとよく言われる)。排気効率に優れるタコ足エキゾーストパイプ(タコ足はタコの足のように見える曲がり方に由来)。排気効率向上のためタコ足につながるマフラーが2本に分かれるデュアルマフラー(マフラー出口が2本のタイプもデュアルと呼ぶことも)の3点セットを略した呼び方。

【プラグがカブる】何も被っていませんが?

 とくにキャブレターのクルマで冷間時などに適正でないアクセルの踏み方をした際にガソリンが過剰に供給され、プラグが濡れた状態となり火花がうまく飛ばす、エンジンが掛からない、アイドリングが安定しない、エンジン回転がうまく上がらないといった調子の良くない状態を指す。プラグのカブりはコンピュータ制御となっている現代のクルマでも、熱価の高いプラグを使い、寒い日の朝の一発目にエンストするなどすると起きる可能性はある。

【タケヤリデッパ】存在そのものが化石級

 見ての通りのデッパのようなフロントスポイラーとタケヤリのようにそびえ立つマフラーを付けた、暴走族的なエクステリアを持つクルマ。法規などもあり、今見ることは滅多にない。

【ダッツン】車名じゃないの?

 かつて日産が主にアメリカで使っていたダットサンブランドを外国人は「ダッツン」と発音しており、日本人もダットサンをダッツンということもある。使い方としてはそれぞれ純正パーツの「ダッツンコンペのハンドル」、「ダッツンバケットシート」などがある。

【ベンコラ】ベンガラではなく?

 シフトはフロアではなくステアリングコラムにおき、シートは横につながったベンチシートとすることで前席3人掛けとしたコラムシフト+ベンチシート仕様を略した言い方。中央席のシートベルトが2点式だと衝突時の安全性が大きな問題だが、人が多く乗れる点や独特の雰囲気を持つことは魅力だった。またコラムシフトはATなら問題ないが、MTだとシフトパターンなど慣れるまで運転するのが難しいものでもあった。

【レストア】どこまでの「修理」を指す?

 エンジンなどの機関部分を新品同様にすべく大がかりな整備を行うオーバーホールに対し、レストアはボディのサビを落とす、高品質な全塗装を行うなど内外装をピカピカにするイメージだ。

【ドグミッション】犬……ですか?

 とくに気を使わずシフト操作ができるようほとんどのMT車には回転を合せるシンクロ(同調機構)が組み込まれているが、旧車の中にはオートバイのようにシンクロのないドグミッション(ドグはドッグ=犬が噛みつくように歯車がかみ合うことに由来)となっているクルマもある。一般的に不便なドグミッションだが、マニアには強度の強さや「回転が合えばクラッチを使わなくてもギアがカンカンと入り気持ちいい」といった捨てがたい魅力もあり、レーシングカーのMTには現在もドグミッションが多い。

 

【ダブルクラッチ】MTですら希少なのに

 シンクロがそもそも弱い、長年の使用でシンクロが劣化したMT車でシンクロを保護するために使うテクニック。具体的にはシフトアップ時はクラッチを切って一度ニュートラルでクラッチをつないでからクラッチを切ってシフトアップ、シフトダウン時はクラッチを切って一度ニュートラルでクラッチをつなぎ、クラッチのつながったニュートラルで回転を合わせるためのブリッピングを行いシフトダウンするという、文字では非常に分かりにくいものだ。面倒ではあるが、うまく決まるとギヤが何の抵抗もなくスムースに入り、じつに気持ちいい。

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