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最長走行距離は60万km!「スカイラインGT-R」とオーナーを実態調査してわかった「意外な事実」とは

全国的に有名なイベントで「GT-R」を生態調査

 GT-Rを「日本を代表する名車」と表現して文句を言う方はいないだろう。ハコスカGT-Rの50連勝、悲劇のケンメリGT-R。そしてグループAに勝つために生まれたR32GT-Rに続くR33とR34。スカイラインと袂を分かったR35GT-R。どの時代もGT-Rは憧れの存在として常に頂点を目指してきた。いつかは乗りたいと夢見ている方も多いだろう。しかし、あまりにも人気があり過ぎて、中古車価格は高騰の一途。第2世代と呼ばれるR32、R33、R34については簡単に手が出せなくなっている。では実際、どんな人がGT-Rに乗っているのか? すべてのオーナーを調査するのは難しいが、うってつけのイベントがある。毎年GT-Rが2000台以上も富士スピードウェイに集うという「R’s Meeting」だ。そこで主催の「GT-R Magazine」が2020年にアンケート集計したデータをもとに「今」の第2世代GT-Rとそのオーナーについて生態調査してみよう。

第2世代GT-Rオーナーの平均年齢は?

 まず年齢層。平均年齢はR32が45.3歳、R33が41.5歳、R34が45.5歳。2019年にはR32とR33の平均年齢は30代後半だったことを考えると、グッと上がった印象だ。もちろん、あくまでもイベントの中の「愛車撮影会」参加者による集計なので、バラつきはあるだろう。とはいえ、年を追うごとに平均年齢は上がっているようだ。

 これは最近オーナーになったというよりも、昔から乗り続けており、オーナーが徐々に年を取ってきているということが考えられる。ちなみにR33は30代も2割を占めるが、基本的に現在の第2世代GT-R所有車は40~50代で7割くらい。これはR32がデビューした1989年にちょうど青春真っ盛りのクルマ好き世代と合致する。GT-Rを購入した理由で「グループAで走る姿に憧れた」というのが上位に入ってくるのも大きく頷けるのだ。GT-Rを購入した理由で「グループAで走る姿に憧れた」というのが上位に入ってくるのも大きく頷けるのだ。特にR32オーナーに購入のきっかけを聞くと「グループAの勇姿が目に焼き付いた」「グループAで勝つために生まれたから」という声が多い。中にはデビュー当時に新車で購入し、今も乗り続けているという方もかなりの数いる。

型式別のグレード構成比率は?

 次に参加車両のグレードを見てみよう。R32は8割強が標準車だ。V-specの登場は1993年のマイナーチェンジ時。生産台数も標準車が4万台超であるのに対し、V-specが1453台、V-specIIが1303台だから、当然といえば当然。R33からはSTDとV-specのデビューは同じということもあり、STDが52.1%でV-specが26.8%。これもほぼ生産台数に比例している。

 R34は標準車よりもV-specやM-specの生産台数が多いため、参加者のグレード比率も同様。標準車が32.4%に留まっている。特筆すべきは世間一般ではレアなR33のオーテックバージョンも参加していること。まさに日本に現存するGT-Rの縮図を見ることができる。

型式別の平均走行距離は?

 ここで気になるのは走行距離だ。R32はすでに発売から30年以上、R34の最終型ですら19年目に突入している。大切に所有しているとはいえ、着実に距離は伸びているだろう。

 予想の通り、R32は参加車両の半数以上が走行10万kmを超えている。さらに20万km以上が1割を占めている。R33も半数以上、R34は37%が10万kmオーバーだ。ちなみに、GT-R Magazineの読者を見ると、最長はR32の60万km! 脱帽である。ここまで長く乗り続けるクルマは、国産車では少ないと思う。

 もちろん、ノーメンテナンスというワケではない。中には2度3度とエンジンをオーバーホールし、ボディをフルレストアしている強者も多い。第2世代GT-Rに人気のボディショップはレストアなどの重作業を現在予約受付できない状況と聞く。それだけレストアする人が多いということ。また、日頃のメンテナンスも怠らず、常にいいコンディション維持している。恐らく優に1000万円以上をGT-Rにつぎ込んでいることだろう。それでも乗り続けたいと思わせる魅力がGT-Rにはあるということだ。

まとめ:GT-Rはもはや「家族の一員」

 現在スカイラインGT-Rが置かれている状況は厳しい。純正部品の製造廃止が続き、中古車相場の上昇によって盗難が増えている。「25年ルール」によって海外に渡る個体も多い。今後愛車を維持していくことが辛くなることもあるかもしれない。

 それでも、このイベントに参加しているオーナーは「人生の最後までGT-Rに乗り続けたい」「我が家の家宝、家族の一員」と話している。どんなに手間やお金が掛かっても頑張るという、真のGT-Rフリークたちが今、乗り続けているのだ。

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