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ヤンチャ過ぎて逆に快感! 懐かしの暴れん坊「ドッカンターボ」国産車4選

ドッカンターボ車4台

高回転では強烈な加速が味わえる!

 最近のクルマは排気量の縮小化が顕著であるが、これはCO2排出量をできるだけ抑えるという観点からすれば非常に有効な策だ。

 しかし、ただ排気量を小さくしただけでは動力性能が低下してしまう。低下分を補うためにターボなどの過給機を装着し、必要な力を獲得するというのが最近主流の「ダウンサイジングターボ」と呼ばれるものだ。これは小型のターボを装着し、低回転域から過給をすることであたかも排気量の大きなNAに乗っているような自然な出力特性となっている。

 しかし、ある程度ベテランのクルマ好きからしてみれば、ターボと聞くとやはり過給がかかると急にパワーが出てくる「ドッカンターボ」こそ、ターボの醍醐味と考える人もいるだろう。そこで今回は強烈な加速感を味わえるターボモデルをピックアップしたい。

トヨタ・スターレット(EP71型)

 パブリカからの派生車種として、1973年に登場したスターレット(当時はパブリカスターレット名義)。1984年にデビューした3代目からは、FRからFFへとレイアウトを変更。86年にはインタークーラー付ターボで武装した「ターボS」が追加される。

 デビュー当初から「かっとびスターレット」というコピーで走りの良さをアピールしていた。ターボモデルは「韋駄天ターボ」や「辛口ターボ」というコピーでその性能を見せつけた。

 典型的なドッカンターボであったスターレットは、その特性から乗りにくく感じるユーザー向けに「Loモード」と呼ばれる低ブーストになるスイッチを用意。そのほか、すぐに高回転域まで吹き上がる1速時には、強制的にLoモードになるようにしてじゃじゃ馬っぷりを抑えていたのである。

ホンダ・シティ ターボII(FA型)

 今でこそ軽自動車を中心に定番となっている、全高を高めて居住性を高めるという手法。その元祖とも言えるのが、「トールボーイ」と呼ばれるデザインを採用した初代シティだった。

 1981年に登場した初代シティは、シビックの下のクラスを補完するために生まれたコンパクトカーであったが、1982年9月にはターボモデルを追加。さらに1983年10月には「ブルドッグ」の愛称でも親しまれた「ターボII」が登場する。

 このターボIIは、大型のボンネットパワーバルジやブリスター型に張り出したオーバーフェンダーなどで武装。コミカルなシティが一転してボーイズレーサーとなっていたのである。

 そして搭載されるターボもインタークーラー付きとなり出力が向上した。さらにエンジンの回転数が3000rpm以下のときにアクセルを全開にすると、10秒間だけ過給圧が10%アップする「スクランブルブースト」と呼ばれる機能も搭載。ドッカンターボを逆手に取ったものとなっていた。

日産 ステージア(M35型)

 高年式のターボは大排気量NAのような滑らかな加速をするのが特徴であるが、2000年代でもドッカンターボを味わえるクルマが存在していた。それが2代目ステージアに存在していた「250t RS FOUR」系および「AR-X FOUR」だ。

 このモデルには2.5LインタークーラーターボとなるVQ25DET型エンジンが搭載されていた。だが、なんとこのエンジンは2代目ステージア以外には搭載されなかった専用エンジンだったのだ。

 低回転域はモソモソと加速をするイメージなのだが、ひとたび過給が始まると一気にパワーがさく裂。ステーションワゴンとは思えない加速を楽しむことができる。急にパワーが立ち上がることを見越してか、4WDモデルのみの設定だったことも頷ける味付けとなっていた。

ダイハツ・ブーンX4(M312S型)

 ブーンといえばダイハツのリッターカーで、兄弟車のトヨタ・パッソと共に営業車などでよく使われているイメージの車種だ。しかし、初代ブーンには「X4」と呼ばれる、ターボで武装したモータースポーツベースグレードが存在していたのである。

 コアなファンであればミラからストーリア、そしてブーンへと受け継がれたX4というグレードはご存知だと思う。国内のラリーやダートトライアルに参加するユーザーをターゲットとしたモデルで、エンジンは通常のブーンにはラインアップされない936ccの直4ターボを搭載。フルタイムで四輪を駆動させる。

 このエンジンは当時のレギュレーションでターボ係数をかけても1.6Lクラスに収まるよう計算された排気量を設定。そこに大型のターボをプラスすることで、133psというパワーを絞り出していた。

 それだけに過給が高まってくるのは5000rpm以上となっており、トランスミッションもギヤ比をそれに合わせてクロス&ローギヤード化されたものを搭載。そのため、5速でも100km/h巡行で4000回転を超えるほどだった。

 パワーバンドさえ外さなければ痛快な加速が楽しめる一方で、ひとたび回転が落ちてしまうと過給がかかるまで待たなければならない……。まさにドッカンターボを地で行くモデルだったのである。

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