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「振り幅が大きすぎる」カーライフのすすめ!「センチュリー」&「サンバートラック」を所有して仕事がプラスに上向いた理由とは

センチュリー&サンバーのデコボコカーライフ

ひょんなことからセンチュリーとサンバーを増車した理由とは

 私は約3年前の2018年秋からしばらく、ファーストカーのトヨタ86と、おそらく日本車では最初で最後のV12エンジン搭載車となるトヨタ・センチュリー(先代型2代目モデル)、スバル製の軽トラックとしては最後となるサンバーを加えるという、普通の人には理解しがたい3台に乗っていたことがある。ここではその経緯や経験、結論を振り返ってみる。

自動車専門誌での連載をきっかけに「デカい黒いクルマ」を購入

【トヨタ・センチュリー/2000年式】

 2代目センチュリーというクルマがV12エンジンの搭載やトヨタ車としては異例の手作業で生産されることによる、ズバ抜けたクオリティを持っているなどの魅力。そしてこの種のクルマでよくあるボディサイズや高額な自動車税などの維持費の高さにより、中古車が意外に安いこと。この2点によって、以前から私は密かに気になっていた。

 また2018年はハイブリッドとなった現行型3代目にモデルチェンジした年で、センチュリーに対する注目が高まっていた。そんな背景もあり当然葛藤はあったが、某誌で2代目センチュリーを使った連載を始めることになったというきっかけもあり、ダメでも諦めが付く当時で18年落ち、走行距離14万5000kmで50万円程度の2代目センチュリーをヤフオクでゲットした。

 どうだったかといえば、もちろん必要性はゼロながら、前述したV12エンジンやクオリティの高さを自分のものにして味わったことはいい経験だった。また、こういったクルマに乗る機会は自動車メディアに関わっていてもあまり多くなく、2代目センチュリーに乗ることは非日常という意味で楽しかった。

 一般的には滅多に乗る機会がないクルマであることもあり、周りの反応や(ロケの待ち合わせなどでは)『デカい黒いクルマで行きます!』などと言って、人を迎えに行った際の驚愕した表情、乗せると珍しい装備なども含めて、喜んでくれることが多かったのも印象的で、ここまで元は取れたと感じていた。

 気になる維持費は、燃費に関しては6km/Lといったところだったが、持っていた期間で1万kmも乗っていなかったので、ガソリン代はそれほど痛くはなかった。むしろ2回納税した自動車税のほうが、13年落ち超の排気量5Lということもあり、8万8000円+15%の増税で10万1200円と強烈……。これはさすがに堪えた(笑)。

 最終的に私は2代目センチュリーに1年半乗り、欲しいという若い友人に安く譲った。

師事する国沢光宏氏からマニアックにカスタムしたサンバーを譲り受ける

【スバル・サンバートラック/2001年式】

 私はRRで4気筒エンジンを搭載する点など、マニアックかつ走る歓びに溢れたスバル製のサンバーも乗りたかったクルマの1台だった。

 サンバーを自分のものにするチャンスが訪れたのは、2代目センチュリーがやって来た翌月。私のボスである国沢光宏氏が所有し、こだわりのカスタマイズを行っていく企画としてCARトップで連載していたクルマでもあった。

 その車両を手放すということになり、到来したチャンスに私は、ややオーバーながら「これを逃したら、きっとサンバーを自分のものにすることは一生ない!」と胸が高鳴り、安価だったこともあって、譲り受ける決断をした。これでサンバーと2代目センチュリーという20世紀の日本車のある意味、底辺と頂点のコンビ結成である。

 このサンバーはSUBARUマガシンで1年ほど連載し、人生初の新品ホイール&オフロードタイヤを装着して、今流行りの「シャコアゲ」をするなどの経験に加えて、単純ながらサンバーでドライブしていると理屈抜きに楽しく、いい思い出になった。

 なお、維持費は軽トラックなので激安だったが、燃費は軽トラックと考えると「ウーン」と感じるくらい悪かった(笑)。

 また、これははじめから自分でわかっていたことながら、私は仕事以外あまり外にも出ないインドア派なので、「荷物を積む」というサンバーらしい使い方をしたのは知人に数回貸したときだけ。センチュリーと同様に必要性はまったくなかったというのも、私らしいオチである。 サンバーは現在乗っているGRヤリスを購入したこともあり最終的に2年ほど乗って読者の方に譲った。

四の五の考えず「やってみた!」ことで得られた物は大きかった

 幸い2台とも大きなトラブルがなかったため想定外の出費はなかったが、「こういったカーライフを人に勧めるか?」と言われたら、答えは即座に「ノー」だ。しかし、自動車メディアのフリーランスという私の場合は出費以上の経験ができたことに加え、この「デコ」「ボコ」な2台を所有したことでフリーランスに重要な「いい意味でのアホ」と思ってもらえたためなのか、仕事がいい方向に回り始めた。そのためターニングポイントという見方をすれば、この2台から私が与えてもらったものは非常に大きかったと言える。 というわけで結論は、センチュリー絡みの原稿で何度か書いたことだが、「クルマに限らず、無理のない範囲でしたいことがあるならやるべき。やれば何か得られるし、『やって後悔するのと、やらないで後悔する』のでは前者の方がいいのでは?」である!

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