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中古車価格爆上がり確定! なりふり構わず手に入れたい超希少「STIコンプリートカー」5選

スバリスト垂涎のブランド「STI」謹製コンプリートカーはなぜ人気なのか

 昨今の国産スポーツモデルの中古車市場は限定車に限らず値上がり傾向。スバル車で言えば、EJ20ターボエンジン搭載車はとくに市場価格が上昇中だ。しかし、この値上がり傾向となる前から、マニアの間では垂涎のSTIコンプリートカーはその希少性からその価値を不動のものにしている。

 STIとは、スバルのモータースポーツやスポーツパーツ開発などを手掛ける、いわゆるワークスブランドだ。そのSTIがベースモデルに、レースシーンなどで培ったノウハウをふんだんに取り入れたスペシャルパーツやスペシャルチューニングを施したコンプリートカーが存在する。

 コンプリートカーシリーズを大別すると、「S」シリーズ(R205を含む)と呼ばれる足まわりから内外装、パワートレインまでに手を入れたMT専用モデルを筆頭に、エンジンはベースモデルのままだが足まわりや内外装をメインにチューニングした「tS」シリーズ(tuned by STIを含む)の2通りが存在する。このほかタイプRA-RやEJ20ファイナルエディションといった記念モデルも、STIが手掛けたコンプリートカーとして分類されている。

 オートメッセウェブでも、これまでにSTIコンプリートカーの数々を紹介してきた。今回はそのなかでもすでに高額となっているモデルや、希少性ゆえに今後注目されそうなモデルを5台ほどピックアップしてみた。

WRX STI typeRA-R

 3代目インプレッサWRX STIに存在した軽量モデル「スペックC」を彷彿とさせる、VAB型WRX STIの軽量モデル。 バランス取りされたエンジンは「S」シリーズに準じた329ps/7200rpm、432N・m/3200〜4800rpmというスペックを誇る。また、クラッチやフライホイールまでがバランス取りされている点にも注目だ。

 ほかにもヘッドライトウォッシャーやリヤワイパー、リヤシートアームレストなどを省略することで軽量化を追求。シート生地やシフトブーツ生地は専用品とし、さらにトランク内のメルシートまでを省略するなどの徹底ぶり。また軽量化のためフロントアンダースポイラーは未装着だが、それでも空力を4%向上するドライカーボン製のエアロミラーが専用装備される。

 実際に試乗してみると、ワインディングではその軽さを活かした軽快な走りが魅力だが、サーキット走行も十二分に可能な実力を持つ。ピュアに走りを楽しみたい人には是非おすすめしたい1台だ。新車当時の価格は499万8240円というプライスを掲げていたが、現在の中古車市場ではすでに500万円台後半から極上車では700万円台後半というプレミア価格となっている。Sシリーズの持つ気持ちの良いパワーフィールを軽量ボディで味わうことのできる貴重なモデルだ。

WRX STI EJ20ファイナルエディション

 その名の通り、スバル史上もっとも愛されてきた名機「EJ20」エンジンの終焉を記念し、限定555台が抽選販売されたモデル。 最高出力308ps(227kW)/6400rpm、最大トルク422N・m(43.0kg-m)/4400rpmのスペックはベースモデルから変更はないが、ピストンやコンロッド、クランクシャフトやフライホイール、クラッチカバーといったパーツがバランス取りされている。 コンプリートモデルの圧倒的なパワーも魅力的ながら、ベースのEJ20をもっとも味わい尽くせるモデルがこのEJ20ファイナルエディションといえるだろう。

 日常の喧騒を忘れさせてくれるEJ20ターボの気持ち良さは、高速道路のインターチェンジから走行車線に合流するだけでも十分に味わうことができる。この「エンジンをブチ回す」官能的なフィーリングは何物にも代え難い。 もちろんBBS製19インチのゴールドホイールやリヤバンパーアウトレットグリル、ウルトラスエードステアリングといった特別装備を採用。SシリーズやtSシリーズのようにSTIフレキシブルタワーバーなどのシャーシチューニングこそ装着されないが、ネーミングの通り純粋にEJ20のフィーリングを楽しむモデルといえるだろう。

 ちなみに新車価格はレカロシートを装備するフルパッケージで485万1000円となっていたが、現在の中古車市場には価格応談の1台だけが中古車情報サイトに掲載されている。

レガシィB4/ツーリングワゴン 2.5GT tS

 レガシィシリーズ最後のMTを設定(本稿執筆時点)していた5代目前期GT Sパッケージをベースに、STIがシャーシを中心にチューニング。 マニアからはその見た目や乗り味の「ユルさ」が指摘された5代目だが、STIの手にかかれば驚くほど機敏でしなやかな走りへと変貌することを体感できるモデルだ。

 インテリアも専用シートや専用メーターパネル、ブラックインテリアがスポーティな装い。 エクステリアはSTI製エアロパーツをフル装備するが、ベース車と比較しても控えめな印象。だがtSシリーズならではの専用ボディ色「WRブルー・マイカ」が選択できるのはSTIコンプリートカーの特権だ。

 5代目=アイサイトのイメージが強いが、2.5GT tSは前期モデルがベースとなるためアイサイトは非搭載(後期型NAモデルの2.5iアイサイトtSには装備される)。その代わりではないが、スバル全モデルのなかでもEJ25+エンジン直下ターボの組み合わせは5代目前期モデルのみであり、さらにはレガシィシリーズ最後のMTかつSTIコンプリートカーという点でも希少性は高い。

フォレスターtS

 フォレスターは初代モデルからSTIの名を冠したカタログモデル、またはコンプリートモデルが設定されるほどSUVらしからぬスポーティな走りを秘めたモデルだ。残念ながら現行モデルではSTIの設定はないが、今後レヴォーグやインプレッサのように、STI Sportの追加設定を期待したいところだ。

 そんな歴代フォレスターのなかで、現時点で最後のSTIモデルとなるのが先代のターボモデル「XT」をベースにしたtSだ。2L直噴ターボDITエンジンの持つ280ps/350N・mという圧倒的なパワーはそのままに、tSシリーズとしては稀なECU(エンジンコントロールユニット)、TCU(トランスミッションコントロールユニット)のコンピューターチューニングが施されている。

 具体的にはECUでSIドライブをS#にセレクトすることで、わずかなアクセル開度でトルクの盛り上がりを向上。さらにTCUで同じくS#時にステップ変速もクロスレシオ化するチューニングが施されている。 これによりフレキシブルシリーズの採用やベースモデルから15mmローダウンされた車高、19インチの専用BBS鍛造ホイールといったシャーシチューニングも相まって、オンロードでもスポーティな身のこなしを披露。その走りはSUVであることを忘れてしまうほどだ。

 さらにロングドライブには嬉しい運転支援システム「アイサイト ver.2」が標準装備される点も見逃せない。わずか300台という少数限定車だが、200万円台中盤から300万円台後半の個体が4台ほど中古車情報サイトに掲載されていた。

エクシーガtS

 スバルのラインアップから惜しまれつつ姿を消したエクシーガ。7人乗りながら抜群の運動性能を持つモデルとして、ミニバン界に一石を投じたモデルである。EJ20ターボエンジンを搭載したGTは、多人数乗車のなかからクルマをチョイスしなくてはいけない走り好きのお父さんからも支持された。

 そんな快速7シーターモデルをベースとしたSTIコンプリートカーはモデルライフ中で、2度登場。2009年に300台限定で登場したエクシーガ2.0GT tuned by STIと、2012年登場のエクシーガ tSだ。 両車ともに7シーターモデルとは思えないスポーティな走りが魅力だが、今回は後期型をベースにしたtSを推したい。

 理由はSTI製フレキシブルドロースティフナーの追加装着に加え、ブレンボ製ブレーキの採用、18インチに拡大されたホイールサイズに注目した。 理由は多人数乗車だからこそ、より強力なストッピングパワーは魅力的なアイテムとなるから。新車当時の価格は300台限定で374万8500円。中古車情報サイトには、本稿執筆時点でわずか2台の掲載だが価格は100万円台後半とSTI製コンプリートカーとしてはかなりリーズナブルだ。

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