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「シャコアゲハイゼット」「リアル旧車のポーターキャブ」「走り屋仕様キャリイ」! 我が道を行く軽トラカスタム3傑

「シャコタンだけじゃない」ボーダレスで勢力を拡大し続けるトラックカスタム

 軽自動車のカスタムマーケットで、現在伸び率ナンバー1である軽トラ。以前は「シャコタン&やんちゃ仕様」が主流であったのだが、最近人気の「シャコアゲ」はもちろん、アメリカンや旧車などの流れも押し寄せ、ハイトKに負けず劣らずスタイルは幅広い。KING OF K-CAR Meeting2021でも大挙して押し寄せた軽トラから気になった数台を紹介しよう!

69歳の遅咲きデビューで魅力に開眼! 5年がかりで仕上げたハイゼットジャンボ

 軽トラだけでなく、Kカーは言うに及ばず、幅広いジャンルで勢力を拡大している「シャコアゲ」。SUVでは昔から存在したスタイルだが、最近のシャコアゲのポイントは車検対応。

 リフトアップのように大幅に上げるのではなく、車検が通る範囲の2、3インチアップが主流だ。これにオフ系のゴツゴツタイヤを取りつければ、存在感のあるタフなスタイルの出来上がり! 乗降性や走行安定性をほぼ損なうこともなく、タイヤ&ホイールとシャコアゲ用の足をセットするだけなので、カスタムの費用も最小限。それでいてしっかり目立つからコスパも抜群! 今の時代にマッチしたカスタムといえよう。

 ピックアップしたのは現行前期型のハイゼットトランクジャンボ。専用の足まわりでリフトアップし、足元にクリムソンの「MGビースト」&TOYOのオープンカントリーR/Tの人気アイテムをインストール。荷台に取り付けたガルウィング開閉式のカバー付きボックス「トラボ」と鱗柄マットガードを組み合わせたアメリカンテイストでまとめている。

費用は最小限で、しっかり目立つ! コスパのよさも魅力な「シャコアゲ」

 何より驚いたのがオーナーの年齢で、御年74歳。69歳の遅咲デビューだというが、奥様に承認を得ながら着々と進捗。5年がかりでここまでたどり着いた。

「最初はシャコタンにしようと思ったけれど、住んでいるのが降雪地域なので、下げると冬乗れなくなる。だったら流行りのアゲにしようと思ったのがきっかけです。トラボの中に入っているのは釣り関連のグッズのみで、軽トラですけど一切汚れたものは積みません。今はインターネットでパーツを検索し、あれもいいな、これもいいなといろいろ考えている時間が楽しいですね。最近はGTカープロデュースのマフラーを付けて、ヘッドライトをLED化したんですよ」とうれしそうに語る。カスタムを楽しむのに年齢は関係ない。それを実戦で証明するオーナーの存在は何より心強く、趣味として心から楽しんでいる姿はじつに微笑ましい。

旧車フェイスのスワップではない! ヤングタイマーなポーターキャブ

 続いて取り上げるのはいかにもクラシカルなスタイルの1台。今流行りの旧車顔のスワップではなく、本物のヤングタイマー。これも今の旧車人気の影響だろうか。ベースとなったのはとぼけ顔が可愛いマツダの2代目ポーター・キャブ。マツダ純血としては最後のKカーかつ、1969年から1989年まで20年間大きく形を変えることなく生産され続けられた軽トラ史上最長生産車でもある。最終型は32年落ちだが、スタイルは52年前から変わらないレトロテイスト。これが旧車好き&三角窓好きのオーナーの心に響いて購入に至ったそうだ(今回の車両は最終型に近い1988年式)。 薄いブルーは「塗るのも楽だし、手入れも簡単」という理由で塗料ではなく下地処理用のサフェーサー。艶のないマッドテイストに合わせて、前後バンパーとボディサイドに光沢を抑えたブラックにペイントし、チンスポと小ぶりのオーバーフェンダーを装着。これに裏リム組みした10インチの鉄チンとホワイトレタータイヤを組み合わせることで、往年のスポーツスタイルに仕上げている。ブラック塗装された縞板仕様の荷室にセットされた白いBOXは電動工具のインパクト用バッテリーで動くクーラーボックスだそうだ。 インテリアもボディと同じサフェーサー仕上げ、シートを張り替えるなどプチレストア。天井にはルーフマウンテンスピーカー(ダイハツ・ムーヴのオプション!?)をセットするなど、自己流メイキングを楽しんでいる。「ミニマムな空間が自分だけの空間のようでいいですね」とはオーナーの弁。旧車ルックではなく、本物を使ったモディファイが今後流行するかも!

 

サーキットでも様になるエアロダイナミクスなシャコタン・キャリイ

 最近のKカーはカスタムだけでなくサーキット遊びも盛ん。手軽なものから本格的なチューニングカーまで幅広く、参加者は年々増えている。軽トラにもその流れが押し寄せており、シリーズ戦が開催されている。

 そんなモータースポーツの臭いを感じさせるのが写真の先代キャリイ。まず目を引くのがエアロダイナミクスな形状のCLS-VSサイドアンダーカウル。バイクのカウルを彷彿させる流麗なデザインは単純にカッコいい。これにフロントスポイラー/リヤウイング/バットフェイスボンネット(以上CLS-VS)/ リヤスポイラー(グロスター)を装着。これにバトルワークスのオーバーフェンダーを組み込んだ上で、ローダウン。ムッチリした引っ張りタイヤをセットすることでスピード感あるスタイルを作り上げている。サイドミラーは往年のイタリアンスポーツカーに装着された名門ビタローニとなかなか通なチョイスだ。

「エアロはひとめ惚れです。YOU TUBEなど動画を見てカスタムするとカッコよくなるんだな、と思って初めました。毎日使うので派手にはできませんが、今だまったく飽きることなく手を加えています。SSRのマーク3ホイールがお気に入りです」

 内装はESBのステアリングにタコメーター、クリアな水中花シフトにアルミペダルでスポーティに演出。そのままサーキットに持ち込んでも様になるルックスだが、オーナー的には完全通勤仕様だそうで、現在のところ走行会などに参加する予定はないらしい。

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