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ハイブリッド車はバッテリー上がりの「救援車」にはなれない! 意外と知らないバッテリーの基礎知識

定期的なチェックで防ぐことができる

 毎年のことだが、今年の夏の暑さも半端ではない。こうして酷暑、猛暑になると増えてくるのがバッテリーのトラブル。去年のお盆の時期のJAFの出動理由を見ても、過放電バッテリーいわゆるバッテリー上がりは、1万7569件でダントツ一位(一般道)。全体の29.43%も締めている。夏にバッテリー上がりが増える理由は、おもにふたつある。

エアコンは消費電力が大きい

 ひとつは、エアコンの使用率も上がって、オルタネーターの発電容量に対し消費電力が大きくなるからだ。小型~中型の乗用車の走行中の発電量は1時間当たり40~60Aといわれている。エアコンを最大風量で使うと、17A以上の電力を使うので、発電容量の4割近くも消費してしまう。

 そこにライトやオーディオ、ブレーキランプの点灯、スマホの充電などで電力を使うと、電気の需要と供給がアンバランスになり、バッテリーがダウンすることに……。 とくにアイドリング時は、十分な発電量が得られないので、長い間渋滞にはまるとバッテリーが音を上げることも珍しくない。

気温が高くなるとバッテリー液の比重が低くなる

 また、気温が高くなるとバッテリー液の比重が低くなり、バッテリーの電解液の活性が活発化し、自己放電が進みやすくなるのも、もうひとつの理由。そうした突然のバッテリー上がりで困らないように、次の3点に気をつけよう。

バッテリーの点検

 バッテリーの平均寿命は3年程度と言われている。高価な割に寿命が短いと思うかもしれないが、かなり酷使されているパーツだ。それだけに毎年、この季節にはディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどに行き、専用テスターでバッテリーの健康状態をチェックしてもらおう。 同時にオルタネーターが正常に発電しているかどうかも確認することを忘れずに。そしてバッテリーが弱っていることが判明したら、迷わず新品に交換しておこう。

ターミナルの腐食や“ゆるみ“のチェック

 バッテリーの劣化とともに、バッテリーのターミナルの腐食が進んでいる場合も多いので要注意。ターミナルが腐食すると通電・充電が不十分になってしまうからだ。また、ターミナルのゆるみがないかもときどき点検しておきたい。

ブースターケーブルの携帯

 万が一のバッテリー上がりに備えて、ブースターケーブルをクルマに積んでおくのも忘れずに。最近増えてきた、モバイルバッテリー型のジャンプスターターでも重宝する。また、JAFもしくは自動車保険のロードサービスの特約に加入しておくと安心だ。

最後にハイブリッド車のバッテリー上がりについて

 ハイブリッド車には、動力用の200Vのバッテリーのほかに、システムを起動する『補機バッテリー』が別途ある。この補機バッテリーは、ガソリン車のバッテリーと同じように、バッテリー上がりを起こすことがあるので注意が必要だ。

 この補機バッテリーが上がってしまった場合、ほかのクルマからブースターケーブルで電気を分けてもらえば解決する。だが、ハイブリッド車がほかのバッテリー上がりのクルマの救援車になることはできないので要注意。 ハイブリッド車の補機用バッテリーと、ガソリン車のバッテリーをブースターケーブルでつないで救援しようとすると、救援車のエンジンがかかった瞬間に大電流が流れる。これにより、ハイブリッド車の電源系統やハイブリッドユニットが故障する可能性があるからだ。

 もっとも最近のハイブリッド車は、補機バッテリーの充電が足りなくなってくると、ディスプレイにメッセージが表示されるようになっている。メッセージが出たら、速やかにバッテリーを交換するようにしよう。

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