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フェアレディZを「シャコアゲ」! オフロードを飛ぶように走る魔改造Z34

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「道を選ばず、どこでも速く、美しく」

 ひと度アクセルを吹かせばホイールスピンさせながら発進し、尻を振りながらダートを全開で走ったかと思えば、本格的なモーグルやロック地形も身軽に走破してしまう。

 ニッサンのスポーツカー、Z34型フェアレディZをベースに、誰が何のために造ったのか。海外からの評価も高いという噂の淑女はズバリ、「Z アドベンチャー」と呼ばれている。 プロジェクトが始まったのは2020年9月。ヨコハマタイヤのオフロードブランド「ジオランダー」の25周年を記念する車両として製作が決定した。

 製作を一手に引き受けたのは、レーシングドライバーの塙 郁夫氏。以前からオフロードにおけるクーペ時代の到来を予感しつつ、スタイリッシュかつジェントルで本格走行にも耐えるオトナのSUVを創りたいと考えていたそうだ。

初出:ヨンクスタイルvol.03

ミスター・ジオランダーの魂を注入

 ミスター・ジオランダーの異名を持つ塙氏の脳裏にあったのは、ダカールラリーで活躍したポルシェ959の存在だ。

 ポルシェに四輪駆動システムと大径タイヤを組み合わせ、電光石火の勢いで優勝をさらっていった伝説のマシンをフェアレディZに置き換え、自分なりにアレンジしてみたくなったと話す。 筆者は幸運にもその製作過程を数回見学することができ、動画などを通じて報告してきた。今回のオフロード系雑誌「ヨンクスタイル」の取材を通じてもっとも印象的だったのは、作り手の想いの強さと描く夢の正確さ、そして経験力と実行力の高さだった。

 正直、Z34型フェアレディZの横に外径33インチのタイヤを並べ、「コレを履かせる!」とブチ上げる塙氏の前では完成形すら予想できなかったが、当時の熱い決意だけはずっと耳に残っていた。「サスペンションで無理矢理車高を上げてタイヤを詰め込むだけだったらカンタンだよ。でもね、クルマは三次元で動くものだから、重心が高くなればなるほど性能が下がるのは避けられない。必要な分だけリフトアップするけど、絶対に必要以上は上げないよ」

フェアレディZに秘めたオフロード走行の本能

 言うは易く、行うは難し。サスがストロークしてもタイヤが干渉しないよう仕上げるのは至難の業だったという。

 しかし、その甲斐あってギャップのあるダートやサンドでも飛ぶように走り抜けられるオフロードにも強いピュアスポーツが誕生した。

「2WDのFRでオフロード?」といぶかしがる読者もいると思うが、塙氏の答えは明快だ。

「僕のバハ参戦用マシンはいまやすべてFR。四駆は重くて複雑で壊れやすいから、レース界ではそのメリットが相殺されることもある。でもね、大径タイヤとそれを活かせる脚さえあれば、バハのような厳しい地形でも走れてしまうんだ。それに、Zはフロントミッドシップで後ろのタイヤにトラクションが良くかかるため、素材としても最高なんだよ」 実際、最低地上高も前後のストロークも本格四駆真っ青なハイスペック。事実、ローギヤード化したファイナルギヤの効果と相まって、深い砂地やモーグル地形をモノともせず、パワフルでアグレッシブな走りを見せてくれた。 最後に塙サンはこう話してくれた。

「クルマ離れとか言われるけど、まずは僕たちオトナたちが楽しんでみせないとね」

 

PROFILE
塙 郁夫氏
 1960年生まれ、茨城県在住。レーシングドライバーにしてマシンビルダー。バハ1000(BAJA1000)参戦20回、グアムのオフロードレースで11度の優勝など、アメリカンデザートレースを中心とするスプリント系に滅法強い。

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