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BRZに続いてWRXも! SUBARUのスポーツモデルを北米で世界初披露する理由とは

新型WRXのイメージ

この記事をまとめると

■日本よりも北米で売れている
■SUVなど信頼性が高くて人気に
■スポーツのイメージが薄いのでアピール

新型WRXはNYショーでの世界初披露が予定されていた

 またアメリカが先なのか!? 日本のスバルファンは、日本での発表遅れに対してやきもきした気持ちになっていることだろう。

 スバルの北米事業統括会社である、スバルオブアメリカ(SOA)は2021年8月24日、新型WRXのワールドプレミアを9月10日(金)にアメリカで行うことを明らかにした。当初、新型WRXは8月中旬開催予定だったニューヨーク国際オートショーが晴れ舞台となるはずだったが、デルタ株による新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響でショー自体が中止となり、SOAとしてはあらためてお披露目の場を検討してきた。

 いずれにしても、スバルが新型WRXを北米優先モデルとして認識していることは明らかだ。

北米は日本よりも6倍売れている!

 その背景について、スバルファンの多くがすでにご承知の通り、スバルのグローバル売上における北米市場が占めるシェアの高さがある。2021年3月期決算資料によると、連結販売台数総計は103万4000台。このうち74%となる76万2000台が北米市場であり、日本は北米に比べて1/6の12万6000台に過ぎない“小さな市場”なのだ。

 となれば、おのずと、スバルはもっともお得意さまが多いところで新車のワールドプレミアをすることになる。

 その上でもう1点、スバルがアメリカでの新車発表を重視する理由が、アメリカでのメーカーと販売店との関係性だ。スバルに限らず、アメリカなど海外での新車販売店は地場資本の独立系企業であり、彼らはメーカーの各国・各地域本部から新車をまとめて仕入れる。

 一方日本の場合、スバルの新車販売店の7割近くが、スバル本社が資本参加するメーカー直系であり、基本的には顧客からのオーダーを受けてから本社に発注する、いわゆるカタログ販売が事業の主体である。

大半はSUVが人気でスポーティ車が好きな人は少数派

 こうした販売店の位置付けの違いから、アメリカの場合、SOAとしてはBRZやWRXなど個別モデルへの対応ではなく、スバル車全体の卸売り販売を円滑に行うため、販売店に対してスバルが北米市場を重視している姿勢を示す必要がある。

 一般的にアメリカのモーターショーは、ディーラーショーと揶揄されるなど、メディア向けお披露目というよりは、販売店幹部の新車仕入れ商談の場という役割が大きい。一方で、視点をマーケティングに移すと、現状で北米でのスバルブランドのイメージは、フォレスターとアウトバックが牽引するアウトドア系がいまだに強く、WRXやBRZなどスポーティイメージは少数派と言わざるを得ない状況だ。

 とくにSTIについては、独立したブランドというより、モデルグレードのひとつという認知に留まっており、こうした状況を打破するためにもS209を北米専用で導入している。この点について、筆者はSTIの平岡泰雄社長から三鷹のSTI本社で直接お話を聞いている。

 こうした各種事情があるとはいえ、スバルの北米市場優先の事業戦略が成り立つのは、アメリカ人にとってスバルが優れた日本企業だという認識があり、それゆえに、商品の品質の高さはもちろんのこと、スバルのクルマ造りへのこだわりを十分に理解していることが大前提にある。

 日本のスバルファンにおかれては、アメリカを含めてグローバルでスバル車が深く愛され、大切に乗り継がれることを誇りに思うべきだと思う。新型WRX日本仕様の登場をじっくり待ちたい。

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