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スズキのマー坊を楽しくメンテナンス! 1000円で買ったワゴンR用「発電機」は流用可能か?

マー坊をDIY工作&メンテナンスでトコトン楽しむ

 イラストレーターの阿部忠雄さんは愛車のスズキ・マイティボーイ(マー坊)を長年所有して、日々DIYを楽しんでいる。これまで自作でキャンパー仕様にしたり、トノカバー製作の様子をお伝えしてきたが、今回は王道の(?)メンテナンスをリポート!

マー坊のオルタネーターを交換修理してみた

 何年か前の話です。新品ではないけど、まだダメになるには早すぎるマー坊のバッテリー。なのに少しずつパワーダウンしているのが、セルの回り方でわかるほどにまでなってしまいました。当然、充電器の出番が増えてしまいます。充電してしばらくは普通に戻るけど、なぜか徐々に弱っていく。

 外出先でバッテリー上がりなど起こしたらどうしよう、などと心配になりかけたある日、家を出ようとしたところでチャージランプが点灯したまま消えないことに気が付きました。エンジンは普通に動いていても、警告灯が点いてしまったらドライブどころではありません。

 テスターでバッテリーの端子間電圧を測ると12V弱といったところ。エンジンが掛かった状態で正常に充電されているのなら、14V前後はないといけません。

 これはバッテリーの劣化というより、オルタネーターの故障です。多分、少しずつ不調になっていたレギュレーターが、たった今ダウンしてしまい、立ち直れなくなったということでしょう。自宅で倒れてくれたのが不幸中の幸いでした。

 レギュレーターのほかにも悪いところがないか、オルタネータを分解して観てみます。それまでにも何回か分解整備はしているので、バラすのは慣れたものです。ダメになったレギュレーターの内部も興味があったので開いてみました。いくつもの電子パーツが基板ごと冷却用と思われる透明のジェルに包み込まれていて、地底湖を発見したような意外な光景でした。

 すでにマー坊も立派な旧車なので、同じオルタネーターで実働品を探せたとしても、賞味期限的には似たり寄ったりという状態と思われます。

ワゴンR用オルタネーターは流用が可能か?

 やはり選ぶならマー坊より新しいクルマのオルタネーターで、できるだけ性能やサイズ、取り付けアームの位置などが似たモノを見極める必要があります。オークションで選びに選んで決定したのが、ワゴンR用のオルタネーターで「充電確認済み」との表記があって、たったの「1000円!」。今となっては、どのタイプのワゴンRのオルタネーターだったのかはわかりませんが、初期型に近いものと思います。

 メンテしていたマー坊のオルタネーターより見た目は落ちますが、レギュレーターやレクチファイヤー、そのほかのパーツのいいとこ取りで仕上げるには格好な素材です。

 分解する前に正常に機能しているのか確認してみます。マー坊のオルタネーターが3点で支持されているのに比べ、ワゴンR用は2点支持になっていて、その分アームの厚みが増しています。

 取り付け位置も微妙に違っているので、ブラケットとステーに手を加え、Vベルトの直線ラインを出します。そしてキーを回すと……。

エンジンのスタートと同時にチャージランプが消え、充電電圧は14.5Vと正常値で安定しています。「充電確認済み」商品に間違いはなく、機能に問題はありません。

似てるけど構造はまったく異なっていた

 それでは安心して分解整備に移ります。ほとんどマー坊のモノと大差ないので難なく作業は進み、全部バラバラにできました。

 パーツを並べて、どちらがいいか選んでいると形が微妙に違っているだけでなく、ネジ穴の位置までほんの少しズレていることに気付いてしまいました。似ているけど、どれも互換性がありません。

 当初のいいとこ取りは諦めて、ワゴンR用をキレイに仕上げることに軌道修正です。ベアリングの状態もよさそうだし、スリップリングの減り具合もマー坊用より少なく良好です。応急的に加工していたブラケットとステーのネジ穴を正確に長穴加工して、ドライブエンドフレームとのフィッティングを確認します。

 オルタケース全体をシルバーで塗装して、各パーツの防水皮膜のヒビ割れ部分にゴム系の塗料を厚塗りします。塗料が乾燥したら分解の逆手順で組み立てれば、楽しいメンテ作業も終わりです。

 エンジンに取り付け、正常に動いていることが再確認できました。

 これで当分バッテリー上がりの不安から解放されます。たったの1000円でオルタネーターの交換修理が完了しました!

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