ドリフトシーンで記憶に残る不人気マシンを振り返る!
日本発祥のクルマ文化として、今ではれっきとしたモータースポーツとして確立されたドリフト。その昔は峠や埠頭などで、路面にブラックマークを付けながらスキール音を撒き散らす不届きモノとして煙たがれていた。だが、1990年代中ごろには専門誌が創刊されると、主戦場がストリートからサーキットに変わり2000年代にかけて一大ムーブメントとなった。
ちなみにAT車でもドリフトはできるが、ドリフトテクニックのひとつである「クラッチ蹴り」の必要性を考えるとMT車がやはり必須であった。
意外性のあるクルマで参戦することで話題をさらった迷車たち
サーキットでタイムを競い合う競技とは一線を画すドリフトは、ほかのスポーツで例えると新体操やアイススケートなどの審美系スポーツに近い。いかに華麗にドリフトテクニックを決めるかが、競技における審査の基準となっていた。
おっさん臭強めでツアラーVが未設定だった【トヨタJZX100型トヨタ・クレスタ】
決して不人気モデルではなかったものの、ドリフトシーンがもっとも熱かったころにデビューした100系では圧倒的におっさん臭が強めだったクレスタ。90系では三兄弟のすべてに1JZ-GTEエンジンを搭載した「ツアラーV」が存在していたが、100系ではクレスタだけが「ラルーンG」として販売された。
ドリフト界の英雄が愛用して価格が高騰!【日産ER34型スカイライン25GT-Xターボ】
惜しまれながらも2018年のD1グランプリ最終戦をもって引退した、「のむけん」のマシンでおなじみのER34型スカイライン25GT-Xターボ。当初、ドリフトシーンでのスカイラインの人気モデルは同じER34型でも2ドアモデルが主流だったが、ドリフト界のヒーローが長らく愛用していたこともあって中古車相場が高騰するなど、あえての「外し」車両である4ドアが人気となる逆転現象が起こった。
もちろんブーストアップやタービン交換でパワーアップさせればパワーウエイトレシオを抑えることができるので、さほど大きな問題ではなかったのかもしれない。
タクシーがサーキットに迷い込んだ!?【
トヨタXS10型コンフォート】
タクシーや教習車ベースとして1995年12月に発売されたトヨタ・コンフォート。ベースとなった車両は6代目の80系マークⅡで、FR駆動はもちろんかねてからドリフトシーンで重用されていたマークⅡベースとあって、理にかなっていたのは間違いない。
ちなみに2006年のD1グランプリに藤尾 勉選手がコンフォートを駆り参戦。当然、見た目はコンフォートだが中身はレーシングカーのごとくチューニングが施され、500psまでチューンナップされた3S-GTEエンジンが搭載されていた。
重量級の強みを生かした迫力の走りを披露【トヨタJZX110型ヴェロッサVR25】
100系チェイサー&クレスタの後継モデルとして登場した、4ドアセダンのヴェロッサ。「エモーショナルセダン」を謳い開発され、そのマッシブなフォルムに賛否が巻き起こった。そこに目をつけたのは、テクニックはもちろん目立つことが求められるドリフターの性分に刺さったのか、一時だがプチブレイク。
まとめ:輸入車もドリ車として狙い目?
審美性も問われるドリフト競技だけに、目を惹くことにもプライオリティを置いたマシンチョイスが目立ったD1グランプリ。過去にはC6型コルベットや6代目フォード・マスタング、E46型BMW M3など、輸入車勢も参戦。