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「劣化した樹脂」にはドライヤーが有効だった! お金をかけずに旧車をパリッと見せる方法

油差しの様子

どんなに大事にしていても劣化は進む……

 旧車はもとより、15年落ちぐらいになってくると気になるのが、各部のくすみ。人間と同じで、新車のときのようなパリッとした感じがなくなり、次第によれた感じになってくるのは仕方がないとはいえ、なんとかしたいもの。復活させるにはどうすればいいのだろうか。パート別に見てみよう。

塗装

 塗装は硬いもののように思えるが、あくまでも樹脂。簡単に言ってしまえば、家庭用品などでお馴染みのプラスチックと同じだ。それゆえ、劣化は確実に進んでいくのだが避けられないのだが、復活できなくはない。

 樹脂の劣化原因のひとつが油分が抜けてしまうことで、いわゆるカサカサ状態だ。軽度であれば、人間と同じで油分を補給してやればいい。つまりワックスを塗ってみる。また、カサついた表面を樹脂などで平滑にしてやるという点ではコーティングも効果がある。

 ただし、表面の劣化が進んでいると、油分を補給してもダメだったりする。そこで次の手として磨いて表面の劣化した層を削り取ってやる。つまり、劣化していない部分を表面に出してやればツヤが戻ることがあるというわけだ。プロのコーティングの前処理として磨き込むがそれと同じ。劣化層や細かなキズを取り除くことで、ピカピカになる可能性は高い。

 可能性は高いというのは、それでもダメなことがあるから。塗装内部まで劣化が進んでいるとなにをしてもダメ。気にしないでそのまま乗るからいいと言う人もいるかもしれないが、ここまで劣化すると鉄板にも被害が及ぶ可能性があるため、復活させたい場合は全塗装するしかない。

黒い樹脂

 樹脂も塗装してあるものは上記と同様だが、問題は未塗装の黒い樹脂。最近のクルマでは採用部位は減っているものの、ワイパーの付け根やモールなどに残っている。実際に体験したことがある人も多いだろうが、劣化すると白っぽくなってとてもみっともない。

 復活させる手としてツヤ出し剤を塗るのは王道。ツヤは出るものの、結局表面に油分を塗っているだけなので、しばらくすると落ちてきて元通りになるのが問題だ。その際にオススメなのが樹脂用のコーティング剤。ツヤが復活するだけでなく、ボディと同じガラスコーティングタイプならば1年ぐらい効果が持続する。

 また、裏ワザとしてはドライヤーでゆっくりと暖めてやると内部に残った油分が表面に出てきてツヤが戻ることがある。

ゴム類

 ゴムも未塗装がほとんどで、紫外線などの影響で白っぽく劣化してしまう。こちらもドライヤーで暖める裏技は使えるが、大きく形が変わる可能性が高い。また、樹脂用のコーティングは使えない。

 ゴムで威力が発揮するのは、一般的な保護ツヤ出し剤。ただ表面にサッと塗るのではなく、多めに出して染み込ませるようにするといい。これを何度か繰り返す。旧車レストアの猛者ともなると、ツヤ出し剤をスプレーではなく、ボトル入りの液体で用意して、外したゴムパーツを漬ける時もあるほど。これは極端にしても、ゴムの劣化原因のひとつは油分が抜けることなので、油分を補ってやればいいのだ。

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