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群馬産「サンバー」はまさに「大人のおもちゃ」! 元オーナーが語る「シャコアゲ」軽トラの魅力とは

農道のポルシェとオーナー

軽トラ界のスーパーカー!? 走りが楽しすぎたスバル製サンバーを振り返る

 現在はかつてほどではないにせよ、スバルといえば水平対向エンジン。そして、水平対向エンジンを搭載する基盤となった、“クルマを上から見ると駆動系が左右対称となる”シンメトリカルAWDなど、ユニークかつ高性能なメカニズムの採用が、愛される理由のひとつである。 この点はすでに幕を閉じたスバル製軽自動車も同じであり、軽トラック&軽1BOXカーのサンバーはリヤエンジンのRR構造を採用。これに加えて、コイルスプリングを使った4輪独立サスペンション/4気筒エンジン。また、高速道路を多用する赤帽運輸で使用されることもあり、スーパーチャージャーも設定されていた。これだけを見たら、軽トラックとは思えないほどマニアックなモデルだった。 さらに言えば4WDモデルのMT車は1速より低いエクストラロー付きの5速MT、つまり6速マニュアルミッション!? が搭載されていた。

インドア派をも虜にしたマニアックで乗って楽しいサンバーとは?

 筆者はスバル製サンバー(7代目以降のモデルはダイハツOEM)としては最後となった6代目モデルの軽トラック、しかもフラッグシップのスーパーチャージャー+4WD車を2年ほど所有したことがある。今回は当時の思い出などを振り返ってみたい。 筆者は仕事以外あまり外に出ない超インドア派であることもあり、サンバーの必要性はゼロであった。しかし、マニアックな点と乗って楽しいクルマという理由だけで、スバル製サンバーを自分のものにするのが小さな夢だった。

師匠から譲渡されレストア&カスタムを駆け足で実践!

 3年前のことだ。筆者の師匠である国沢光宏さんが所有し、あくまで合法的な範囲でかなりのカスタマイズを施したサンバーを手放すことになり、少々オーバーながら「このチャンスを逃したら、一生サンバーに乗れない」とスイッチが入り、譲り受けた。 サンバーを譲り受けたことで、SUBARU車の専門誌「スバルマガジン」でも連載しリポートした。その個体は低走行だったものの、経年劣化は否めなかったのもあり各種リフレッシュや、最近流行のリフトアップなども行った。 そうして出来上がったサンバーは、ノーマルカーにも共通するがマニアックかつ「クルマを動かす」というプリミティブさに溢れる、乗って楽しいクルマだった。

もう少し使い勝手があるバンだったら良かったのだが……

「運転する楽しさ」だけであれば高回転まで良く回るNAエンジンが優勢だが、高速道路などを考えると動力性能に余裕あるスーパーチャージャーのメリットはやはり大きかった。また、リフトアップの際には同時にショックアブソーバにも手を加えたので、乗り心地とハンドリングが同時に向上し、より楽しく快適なクルマとなった。 ただ難点はふたつ。ひとつ目は燃費の悪さだ。具体的には平均12km/L程度、高速道路を早めのペースで走ると10km/Lを割り、この燃費は筆者が初代と現行型を所有した86&BRZより悪いくらい。つまり軽トラックとしては極悪と言わざるを得ないレベル。 ふたつ目はサンバー自体とは関係なく、やはり超インドア派の筆者はサンバーをサンバーらしく使うことはなく終わったという点である。この点は初めからわかっていたことだったが、同じパワートレインのバンだったらいまも所有していたかもしれない。 いずれにしてもスバル製サンバーはマニアックな魅力があるクルマだけに、中古車はそれなりに高いが、それでも維持費や修理代は安いだけに、欲しいならとりあえず自分のものにすることをおおいに勧めたい!

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