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フェアレディZも値段が上がるのか? 昔は不人気だったけど今後注目の「90年代国産車」

今、再評価を受けつつある90年代の国産車

 さまざまな魅力あるモデルが登場し、今でも多くのファンが支持する90年代の日本車。当時から人気だった名車も数多く登場しましたが、バブルの名残からか冒険しすぎてあまり売れなかったモデルも……。しかし、そんな当時不人気だったモデルでも現在価格高騰中なモデルも多くなってきました。今回は現在再評価されているモデルたちをピックアップしてご紹介

日産フェアレディZ(Z32)

 4代目フェアレディZ、通称Z32はバブル真っ盛りの1989年に登場しました。ワイド&ローなスーパーカーチックなボディに自主規制いっぱいの280psというエンジンを搭載し、スポーツカーな雰囲気は満点でした。 しかし同時期に登場したR32スカイラインGT-Rは、グループAで勝つために開発された本気のスポーツカーでした。それに対し、クローズドボディより剛性に劣るTバールーフ、夏場はオーバーヒートを気にする狭い空間に押し込まれた3L V6エンジンなど、Z32はいささか見た目重視の軟派なスポーツカーとされてしまうことがありました。 結果スカイラインGT-Rはチューニングベースとして人気を博しますが、Z32はそこまでの盛り上がりを見せず、絶版後もあまり話題となりませんでした。しかし、90‘sジャパニーズスポーツカーの高騰傾向の影響を受けてか、Z32も2021年現在値上がり傾向となっています。衝突安全基準などを考えるともうこれほどボンネットが低くて、フェンダーが薄いモデルもそうそう出てこないと思いますので、「カッコだけ」で買うのも多いにアリと言えます。

三菱FTO

 1994年に登場したのがFTOです。搭載するパワーユニットは2リッターV6「MIVEC」エンジンは200psを発生。V6エンジンを搭載したFFモデルとしては運動性能にも優れており、FF最速の名を欲しいままにしました。 1994年-1995年日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれました。しかし、この勢いも最初だけ、翌1995年にホンダから上位クラスをも追い掛け回すFFスポーツカー、インテグラタイプRが登場すると、FF最速の座は取られてしまい苦戦を強いられてしまいます。 整備性に優れない横置きされたV6エンジンや、インテグラタイプRよりも重たい車重などが敬遠されてしまいました。しかし、スポーツカー然としたエクステリアデザインと、2リッターV6という今後登場することのないエンジンが評価されてか、中古相場は高騰傾向。 2021年現在市場に出ている台数が少ないこともあって、V6 MIVECエンジン搭載グレードのマニュアル車は200万円に届こうかという個体も存在。VTCEとはまた違うV6特有のエンジンサウンドを奏でるFTOは、ついつい踏みたくなってしまう1台です。

ユーノス・コスモ

 90年代といえば、各メーカーがこぞってスペシャリティクーペを登場させた時代でもありました。そんな時代の流れのなかで、1990年にマツダから登場したのが3代目コスモ。 3ローターエンジンを搭載したモデルとして有名ですが、世界初のGPSを利用したナビゲーションシステムや、乗員を囲むように伸びやかにデザインされ、レザーがふんだんに使われたインテリアなど、まさにフラッグシップクーペにふさわしい装備を持ったモデルでした。 しかし、ツインターボで過給した3ロータリーエンジンはあまりにも燃費が悪すぎたためか(2km/Lという話も……)ヒットせず、バブルの崩壊もあり5年ほどで生産終了となってしまいました。 しかし他に類を見ないエンジンを搭載していることと、優れたデザインが評価されてか中古車市場はこちらも高騰傾向にあります。

ホンダ・シビッククーペ(EG/EK)

 1993年に日本市場でシビックファミリーに加わったシビッククーペは、当初アメリカ市場向けに販売されていたモデルでした。

 当時のシビッククーペというとスポーティな走りを期待してしまいますが、ハッチバックのスポーツグレード「SiR」に相当するグレードはありません。どちらかと言えばセクレタリーカー的なイメージが強いモデルとなってしまい、当時はあまりインパクトがありませんでした。

 しかし、映画ワイルドスピードシリーズに端を発したスポコンブームもあってか、中古相場は高騰傾向へと変化。 搭載されたエンジンは130psと170psのSiRに比べると控えめながら、エンジンの載せ替えやエンジンチューニングのノウハウが生かせるモデルということもあり、カスタムベースとして人気を博しています。

トヨタ・ソアラ(JZZ30)

 初代、2代目とデートカーとして人気を博したソアラ。続く3代目は1991年に登場しました。北米市場を中心にレクサスブランドで展開することもあり、流線形のデザインへと大幅に変更を受けています。 なお、デザインはアメリカのスタジオ「CALTY」が担当。しかし、大幅なイメージ変更とバブル崩壊によるクーペ市場の衰退により、先代モデルほどのスマッシュヒットをすることなく、10年間細々と販売され続けたような形で2001年に生産終了となりました。 トップグレードは4リッターV8エンジンを搭載していました。しかし、中古車市場で再評価を受けたのは2.5Lツインターボエンジン1JZ-GTEを搭載したグレード。 チューニングノウハウが豊富な1JZ-GTEを搭載し、MTがラインアップにあったFRということでドリフトユーザーを中心にチューニングベースとして人気を博す結果となりました。同エンジンを搭載するマーク2系はドリフトでは定番となっていたため、それよりも安く手に入れられるチューニングベースという側面もあったものと思われます。

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