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乗り手を選ぶ「830馬力の猛牛」! わずか40台限定のランボルギーニ「エッセンツァSCV12」がスゴ過ぎた

サーキット専用ハイパーカーが日本に降臨

 スーパーカーファンはもちろん、アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A.にとっても特別な一台であるカウンタックは、1971年のジュネーブ・モーターショーにおいて、プロトタイプのカウンタック LP500として初公開された。

 2021年はカウンタックのデビュー50周年となるアニバーサリーイヤーで、カウンタック LPI800-4という車名の新型ハイブリッド・リミテッドモデルを今夏にリリース。ランボルギーニのヒストリック部門として2015年に発足し、同社の歴史的アイデンティティの維持に努めているポロストリコが2万5000時間以上をかけて完璧に再現したカウンタック LP500を、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステで披露している。

 そして、日本においては11月5日~6日という日程でカウンタック50周年記念イベント「Lamborghini Day Japan 2021」が開催。去る10月8日より応募受付を開始した「LAMBORGHINI COUNTACH CONTEST JAPAN」にて選出された、10台の歴代カウンタックが展示された。

Essenza SCV12が日本初披露

 今回のメディア向け発表会で、V型12気筒エンジンを搭載しているサーキット専用ハイパーカー「Essenza SCV12(エッセンツァ SCV12)」が日本において初披露され、現場に居合わせたすべての人がそのビーストぶりに驚いた。

 40台限定生産モデルとして発表されたEssenza SCV12は、ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセが設計開発し、ランボルギーニのスタイル・センターであるチェントロ・スティーレがデザインを担当した。イオタやディアブロGTRの直系モデルであり、サーキット専用ハイパーカーとして誕生したEssenza SCV12が有しているエンジニアリング・ソリューションは、レースからフィードバックされたものだ。

6.5L V12エンジンの最高出力は830ps!

 高速域でのダイナミック・スーパーチャージャーによって、最高出力830CV(ps)を叩き出す排気量6498ccのV型12気筒エンジンは、ランボルギーニがこれまでに開発した自然吸気エンジンのなかで最強のスペックを誇る。ハイパーカーならではの大パワーを管理する新しいX-trac6速トランスミッションは、後部に横向きで配置。ここ最近のハイパワースポーツカーのトレンドである四輪駆動かと思いきや後輪駆動なので、ドライバーは相当スリリングかつエキサイティングな走りを堪能できるはずだ。

 非常にアグレッシブなスタイルとなっているボディのエアロダイナミクスは、レース用のプロトタイプから着想を得たもので、究極のドライビング・エクスペリエンスのためにデザインされたものだ。GTレースにおいてランボルギーニ・スクアドラ・コルセが積み重ねてきた経験と技術の結晶である。GT3マシンよりもハイレベルな効率とダウンフォースを実現した。

 ディスプレイ搭載マルチファンクション・ステアリングを装備しているコックピットも、至極レーシーだ。これはF1マシンのステアリングホイールからアイデアを得て設計され、最大限のエルゴノミクスと最高のフィーリングを提供。そして、カーボン製ボディを備えたFIA承認OMPシートがドライバーをしっかり包み込み、高い安全性、快適性、安定性を約束してくれる。

 幸運にもオーナーになることができた者はスペシャルクラブの一員となり、世界的に名の知れたサーキットでハイパーカーを運転するドライビング・プログラムに参加することができるという。現時点では日本でのデリバリー数やプライスはアナウンスされていない。われこそは! と思った方は、アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A.のレーシングカー営業部に問い合わせてみるといいだろう。

公道走行が可能なロードカー「ウラカンSTO」も展示

 Lamborghini Day Japan 2021では、もう一台の現行ランボルギーニも展示された。そのクルマの名は、ウラカンSTO。こちらもランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセの高い技術力とノウハウを用いて開発されたモデルだ。

 サーキット専用ハイパーカーであるEssenza SCV12とは異なり、ウラカンSTOは公道走行が可能なロードカーだ。オーナーがレースに参戦するというよりもレーシングカーにもっとも近い特別な存在で、公道およびサーキット走行を楽しむことをイメージしたモデルだといえる。ウラカンSTOも四輪駆動かと思いきや後輪駆動なので、腕に覚えがあるドライバー以外は雨天時の使用を控えたほうがいいだろう。

 車名のSTOは「Super Trofeo Omologata」の頭文字で、公道走行が可能なスーパートロフェオという意味。ランボルギーニが世界的に展開しているスーパートロフェオというワンメイクレースがあり、ウラカンSTOは、そのレースで使用されているウラカン・スーパートロフェオEVO/EVO2や、セブリング12時間レースなどで好成績を遺しているレーシングモデルのウラカン GT3 EVOの開発技術をベースとして設計されたクルマなのだ。

 V型10気筒エンジンの排気量は5204ccで、最高出力は640CV(ps)だ。GT3カテゴリーのレースに参戦している車両と比較しても遜色ない走りを披露する。レースカーはスリックタイヤで、ウラカンSTOはラジアルタイヤだが、レースカーのエンジンはエアリストリクター付きで性能が調整されているので、同じような走行タイムになるという。ちなみに、ウラカンSTOのトランスミッションは7速デュアルクラッチで、最高速度は310km/h。税込車両本体価格は4125万円である。

 実車に近づき、そのディテールを確認してみたところ、タイヤのサイズが前245/30 R20、後305/30 R20だったので、ん、ホイールだけ? タイヤを履いていない?? と思うほど肉薄なタイヤに驚いた。

アグレッシブなフォルムに圧倒される

 そして、エアダクトがたくさんあり、リヤのエンジンフードにはコーナリング時のスタビリティを向上させるシャークフィンまであって、スーパートロフェオに由来するアグレッシブでレーシーなフォルムに圧倒されてしまった。このエクステリアデザインで一般公道を走行可能なのだ。

 モータースポーツで培ったノウハウから導き出された、空力性能を向上させる機能的なデザインと軽量設計の両立は、ウラカンSTOのハイライトといえる部分だ。これを実現したことにより、ボディパネルの75%以上にカーボンファイバーを採用しているウラカンSTOは、どこまでもピュアなパフォーマンスを楽しめるようになっている。

 さらに特徴的なのは、フロントバンパー、ボンネット、フェンダーを一体化させた専用設計のボディピース「Cofango(コファンゴ)」を採用していることで、フロントの空力性能を最大限まで高めると同時に軽量化も実現している。これらの効果によって、高速道路などでのハイスピード走行時やサーキット走行時にレースの興奮をすぐさま感じることができるのだ。

 インテリアにもカーボンパーツが多用されており、ドアパネルやセンターコンソール、バケットシートのシェルなどがカーボン製で、スパルタンな雰囲気を醸し出している。ダッシュボード、ルーフライナー、シート表皮などは、イタリアの高級素材として知られるアルカンターラ仕上げだ。

 エクステリアと同様にインテリアも軽量化が追求されており、カーボンファイバーを中心とする高品質素材が随所に使用されている。ドアパネル、インテリアのディテール、シートなどに採用されているこの革新的かつ個性的な素材は、パーフェクトなスーパースポーツ・スタイルを実現しつつ、アルカンターラとカーボンスキンによる上質な仕上げと見事に調和している。

 ランボルギーニのレーシング・スピリットを色濃く受け継いだウラカンSTOは、公道モデルでありながら4点式シートベルト付きのチタン製ロールバーなども装備しており、ハンドルを握った瞬間からほかのクルマでは味わえない感動をもたらしてくれる。日常のドライブがすべてスペシャルなものになるだろう。

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