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「ラリー界のレジェンド」が大人気ない走りを披露! 伝説のホットハッチ「プジョー306マキシ」で最新マシンをカモる

「インプレッサ」や「ランサー」に挑んだフランス製「ホットハッチ」

「プジョー306マキシ」とは、1995年に当時の「F2キットカー規定」に沿って製作された自然吸気2Lエンジンの前輪駆動。1996年にモンテカルロとツール・ド・コルスで、4駆ターボに割って入る総合2位を獲得しました。

 大幅に拡大されたトレッド。まるで菅弦楽器のような甲高い澄んだ排気音。FFとは思えない派手なアクションが記憶に残っている人も多いと思います。

 306マキシや弟分の「106マキシ」が活躍していたころに免許を取得したボクも、思いっきり影響を受けて106を購入。今でも乗り続けるほどです。

ローブとデルクールが306マキシで現役のラリー車と真っ向勝負

 ラリーの本場であるヨーロッパのなかでも、多くのチャンピオンを生み出しているフランスはラリーがもっとも盛んな国。そんなフランスの国内選手権の頂点、「フランス選手権」は舗装と砂利のラリーで選手権が分かれています。

 今回ボクが取材した「ラリー・モンブラン・モルジン」は舗装の方の選手権。スイスのジュネーブにほど近いフランスのスキーリゾート、モルジン周辺の山岳地帯が舞台のラリーです。

 今年の目玉はなんと言っても、セバスチャン・ローブとフランソワ・デルクールが「プジョー306マキシ」で、そしてデルクールとライバル関係だったジル・パニッツィが「ヒュンダイi20R5」で参戦すること。レジェンドドライバーが3人も参戦、しかも、あの306マキシが2台も参戦するってことで、現地は大騒ぎでした。

 25年以上前のマシン、そして現役当時にドライブしていたデルクールと、現役当時はドライブしていないけど、いろんなイベントで306をドライブした実績のあるローブが現役のマシンと選手たちを相手にどんな走りを見せてくれるのか? さらにデルクールとは因縁浅からぬパニッツィの参戦。世界中のラリーファンが注目がするラリーなのでした。

WRC9連覇のローブ、いまだ衰えず

 ラリーが始まると同時にローブの快進撃が始まります。オープニングステージを総合9位、そこからはステージを重ねるごとに順位を上げ、LEG1終了時点でなんと総合6位! 最新の「R5」や「R-GT」マシンを相手に互角以上の走りを見せ、周囲を驚かせました。

 デルクールは少し出遅れて総合19位。パニッツィは総合15位でLEG1を終えました。LEG2もローブの勢いは止まらず、SS10で総合3位に浮上! ギャラリーはもちろん、メディアもポディウムフィニッシュへの期待が高まります。306マキシがポディウムフィニッシュって何年ぶり? って話題も出るぐらいでした。

 そして迎えた最終ステージ。誰もがローブのポディウムに期待を寄せていたのだけど、なんとトラブルで順位を総合6位に落としてしまいました。残念! これはボクの勝手な予想だけど、現役の若手選手たちに速さを嫌っていうほど見せつけて、奮起を促しつつも最後は花を持たせたんじゃないかなあ?

犬猿の仲と言われているふたりだったけど

 現役当時は色々あって仲が悪かったデルクールとパニッツィ。あわよくば握手させよう! と思っていたんだけど、たまたまなのかやっぱりまだ確執があるのか、ふたりが遭遇する場面に立ち会えませんでした。しかし、後日目にした現地のリポートでふたりが笑顔で写真に収まっているのを見て、ふたりとももういいオトナだもんなあ、と少し安心。

 ちなみに、デルクールはSS10でミッショントラブルでリタイア。パニッツィは総合15位でフィニッシュしました。

FMX界のスーパースターと日本からのドライバーも参戦

 ラリーを制したのは「シトロエンC3Rally2」のヨアン・ボナート。2020年のフランスチャンピオンであるボナートは昨年から「ERC(ヨーロッパラリー選手権)にも積極的に参戦中。

「プジョー208Rally4」のワンメイクで併催される「208ラリーカップ」には、フリースタイル・モトクロス界のスーパースター、トム・パジェスがラリー初参戦。クラス最下位に終わったものの自身初のラリーを楽しんだ様子。

 また、日本から海外ラリーに積極的に参戦中の川名 賢はクラス9位でフィニッシュ。川名は「208ラリーカップ」第6戦にも参戦し、雨が降り続く難しいコンディションとなるなか、3位を獲得。海外では初のポディウムフィニッシュとなりました。

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