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そもそも「ブレーキキャリパー」って何? 交換すると得られる「思わぬメリット」とは?

足元に圧倒的な存在感をプラスする

 憧れのパーツともいえるビッグキャリパー。ワンランク上のストッピングパワーを生み出す強靭なブレーキシステムは、足もとに並々ならぬ存在感をもたらしてくれる。今回はその魅力に迫ってみよう。

初出:XaCAR 86&BRZ MAGAZINE Vol.28(一部加筆)

キャリパー交換にあたり知っておきたい注意点は?

 初代86&BRZのブレーキは、ストリートでは問題ないものの、サーキット走行では物足りなさを感じる場合もあり、86のGRやGRスポーツでは対向キャリパーが標準装着されている。後期になってブレンボがオプション装着できるようになった。

 実際に、いざスポーツ走行を堪能しようとなると標準の片押しキャリパーではタイムアップを狙うのには十分とはいえない。またホイールをインチアップすると純正キャリパーの小ささが余計に目立つ。そうした背景もあってか、ビッグキャリパー化に踏み切る86&BRZオーナーは確実に増えている。

 ブレーキシステムを大容量化するメリットはのちほど説明するとして、ここでは導入時の注意点に触れておこう。まずホイールとの干渉。どうせ入れるなら……と大きいキャリパーを選びたくなるが、インナーの逃げが大きいホイールでないと物理的に収まらないことがある。豊富な経験を持つショップを頼るのもいいし、自分でチェックしてみるのもアリ。ブレーキメーカーのHPでは採寸用の型紙などを公開している。それを利用すれば、今履いているホイールに収まるか否かを確認できる。

 今では純正ホイール対応を謳うキャリパーも増えている。冬場にはスタッドレスタイヤに履き替える人は、そうしたモデルを選ぶべきだろう。ブレーキは闇雲に強化すればいいものではない。タイヤとのマッチングを考慮すべきだし、前後バランスにも配慮する必要があることも知っておきたい。

高性能化はもちろんランニングコストも抑えられるメリットがある

 それでは具体的にブレーキシステムを大容量化するメリットを紹介していこう。

メリット1:高熱に対する余裕が生まれる

 パッドとローターに摩擦させることで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換しているブレーキ。スポーツ走行時では高熱によりパッドが炭化したり、ブレーキラインにエアを噛み込んでしまうことがある。そこでキャリパーやローターを大きくすれば、高熱に対する余裕が生まれる。安定したブレーキが可能になるのはそのためだ。

メリット2:ブレーキの剛性感が高くなる

 片押しタイプの純正に対し、対向キャリパーはパッドを挟み込むように両側から押し付けるタイプ。均一にローターに押し当てることができるためパッドが片減りしにくいし、ブレーキもコントロールしやすくなる。またキャリパーそのものの剛性が高いため、カッチリとしたペダルタッチに生まれ変わるのも大きなメリットと言える。

メリット3:足元のドレスアップに効果絶大

 ホイールをインチアップすると、どうしても純正キャリパーの小ささが際立ってしまう。ビッグキャリパー化によりこれを解消できるのもうれしいポイントで、走りのムードが一気に高まる。最近ではサイズが大きいだけでなく、カラフルなキャリパーカラーを選べるモデルも増えてきた。そのドレスアップ効果は決して侮れない。

メリット4:ブレーキパッドの選択肢が広がる

 ローター径を拡大すると制動力が高まる。その理由はローターの外周をキャリパーが掴むため、少ない力で大きな摩擦力が得られるから。つまりパッドの摩擦力に依存せずに済むようになる。サーキット向けのパッドはダストや異音も大きい傾向にあるが、ビッグキャリパーならパッドの効きを落としても対応できることもあるのだ。

メリット5:ランニングコストが抑えられる

 純正ブレーキでサーキット走行をしていると、パッドやローターがすぐに摩耗してしまうことがある。交換サイクルが早まるためランニングコストが高く付きがちだ。対してビッグキャリパーは初期投資こそ必要になるが、パッドやローターが長く使えるため、結果として安く済むケースも。ガンガン走りたいなら検討する価値は十分にある。

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